物流王の物流徒然

物流に関するブログです

リスクマネジメントその6 ~事故が発生した場合の対処

2013-11-07 05:20:56 | Weblog
実際に事故が起こってしまった場合の対処法です。

順序としては、

①二次被害、事故の拡大を防ぐ

②原因を追究する。

③再発防止を行う。


となります。

「②原因追求」は「人に責任を追及する形になるからやめたほうがいい」という人もいますが、私はすべきと思います。

ただし、その場合でも、「③再発防止」は、②とはわけて考えるべきです。

なぜなら、②は、通常、一人の人間に、すべての責任を負わしてしまいがちなのに対し、③は、事故の原因は複数の要素が関係するからです。

補足すると、

通常、事故が起こらないように、一人がミスしても、他のチェックなどで防ぐことができる場合が殆どです。

ただし、それも確率の問題なので、「一人のミス」と「確認の不備」「その他悪条件」が重なってしまうことも、一定の確率で起こってしまうのです。

このとき、関係する人間の中から、「相対的に一番責任を負うべき人間」を探し出します。

それは、「正しいか間違っているか」だけではなく、「力関係」や「他の、同じ立場の人の行動と比較して」という要素で決まっていきます。

責任を負わなかったほうは、「(責任を負うべき人間が)これこれこの行動をやっていれば、この事故は発生しなかった」といい、責任を負ったほうも、「確かに悪かった。でも普段は(他の人が)これこれこういうチェックなどをしていて、それが機能していればこの事故は起こらなかった」といいます。

両方正しいのです。
しかし、力関係があるので、責任を負うべき人間がその発言をしたら、言い逃れのようにとられてしまいます。

そこで、②と③をわけずに考えると、一人だけが対策をとり、他の人は何も行動を変えないので、事故の確率は減ったとしてもまだまだ高確率で存在するのです。

②と③をわけて考え、それぞれの立場の人がそれぞれのリスク回避策を見直すことで、事故の確率は大幅に減るこのになるのです。

とはいえ、事故発生で真っ先にすべきことは、
①の「拡大防止」です。

この順序は忘れてはいけません。
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リスクマネジメントその5 ~ハインリッヒの法則の結論

2013-11-02 10:53:19 | Weblog
前回までで、

「事故は1回1回では起こらない確率の方が高い。だから意識から漏れてしまい、結果、一定期間において高確率で事故が発生してしまう」
「1回の事故の裏には29回の軽微な事故があり、その裏には300回のヒヤリ・はっとした経験がある」

ということを説明しました。

ここからいえることは、

・事故は「起こるもの」である。

・意識して対策をしないと、確率は減らない。

・対策は、1回の事故そのものを見るのではなく、その側面の29回、あるいはその前兆の300回に着目してみる。

・そもそも、300回の前兆の段階で手を打っていれば、未来の1回の大事故を防ぐことができる。

ということです。


300回の前兆は、かなりの頻度で起こっていると考えられます。

この時点で「手を打つ」のは、一見、手間もかかって面倒なことに見えるかもしれません。

しかし、ここで1つ1つの小さいリスクをつぶしていけば、一定期間後、目に見える形で大事故が減るのです。

業務ミス、に関しても同様のことがいえます。

ここまでのことは、「理論・原理原則」の話です。

これを踏まえて、各自で事故を減らす努力や工夫を行うのです。

次回は、その工夫などについても解説していきます。
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受験秀才とクリーンファイト

2013-11-02 10:30:48 | Weblog
「受験秀才は期待外れが多い」という、ビジネス書でよくありがちなうたい文句に反発しながらも、なぜその文言が生まれるのか、の理由を考えて、思い当たる節を見つけました。

「受験」は、1回のテストの点数の高低で勝負が決まる世界です。

いいかえれば、
・ルールがはっきりしている。
・正解、不正解、それによる得点差もはっきりしている

という、これ以上ない「正々堂々とした勝負」なのです。

それを勝ち抜いてきた「受験秀才」は、「正々堂々とした勝負に強い」人たちなのです。

そして、その人たちが集まる世界も、まわりの人間も同じように正々堂々と勝負をする人達が多いので、
「勝負というものはルールに従って正々堂々とするものだ」という刷り込みがされてしまっているのです。

しかし、ビジネスの世界は、
・ルールがあるようでない。
・正解も不正解もなく、「情実」による部分が大きい。
・人によって評価が違うので、得点差も見えにくい
・場合によっては、ルールを守らないほうが有利になることも往々にある。

という、「サバイバルの戦場」なのです。

「受験秀才」は、クリーンファイトに強いので、ラフファイトには慣れていないのです。

「受験秀才」以外の人間は、何の疑問も感じないラフファイトの世界でも、クリーンファイトを数多く重ねてきた人たちにとっては、違和感だらけになってしまいます。

なので、ラフファイトの世界になれるまでは、思うように力が出せない、ということが多いようです。

しかし、それはあくまで「慣れ」の問題なので、「ラフファイトのやり方」「力の使い方」を覚えてしまえば、基礎ができている分、強く戦える素養は持っているのです。

逆に、ラフファイトばかり覚えてしまった人たちは、クリーンファイトが弱く、「1対1で肩書きも何も取りはずした状態で自分の力だけで戦う」力が不足しているのです。

従って、結論としては、

「まずクリーンファイトに強くなれ」
「ラフファイトのやり方も覚えろ、ただし、それにのめりこみすぎるな」

ということです。
マンガ「タイガーマスク」の結論と似たような結果になりました。
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