物流王の物流徒然

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コンテナについてその3: コンテナの引き取り実務

2007-09-27 03:19:15 | Weblog
海上コンテナを引き取る際、輸入申告とは別に船会社・コンテナターミナルに対する手続きが必要になってきます。
この手続きを行うのが「海貨業者」であり、通称「乙仲」と呼ばれます。輸入に関係する手続きの1つであるため、広義の意味で「通関業者」と呼ばれることもあります(実際に通関と兼ねている事が多い)。

まず、輸出国側で貨物を船積みしたら船会社から船荷証券(BILL OF LADING; B/L)を出してもらいます。この証券は船積みの証明と貨物引き取りのための引換証と両方の性質を持ちます。

船会社の輸出国の支店から輸入国の支店へ貨物の情報が届き、入港の予定が固まると、船会社は「貨物到着案内(ARRIVAL NOTICE; A/N)」を発行し、指定された荷受人あてにFAXをします。この書類には、到着日のほかに貨物引取りに必要な料金も記載されています。

本来であれば船荷証券を出して貨物が引き取れるはずですが、
・日本での作業等の諸費用がかかるため、その料金を同時に払う必要がある。
・証券の提示と貨物の引き取りが通常同時にはできない
ため、証券の回収と貨物の引き取りを別に行う必要があります。

証券の引き取りは船会社のオフィスが、貨物引渡しはコンテナターミナルの管理者が行うため、船会社からターミナルオペレーター宛への指示が必要になってきます。
この指示を書類にしたものが「荷渡し指図書(DELIVERY ORDER; D/O)」で、この書類がターミナル側にとっての貨物引換券となります。
海貨業者は証券を船会社へ持って行き、指図書をもらってターミナルへ届けます。

差し入れると同時にあらかじめ記入した「コンテナ搬出票(Dispatch; ディスパッチ)」に印鑑をターミナルからもらいます。
これをコピーして引き取りの運転手さんへ渡し、引き取る際にこの搬出票を提示すれば(他に問題がなければ)コンテナの引渡しとなります。

以上がコンテナ引取りの実務ですが、近年では、情報の発達により、
・D/Oが電子化され、船会社からターミナルへ直接届くようになり、書類を届ける必要がなくなった。
・ディスパッチも電子化された。もしくはFAXでよくなり、D/Oの差し入れとは別個に手続きが出来るようになった。
・輸入許可の情報がリアルタイムで伝わるようになり、許可書のコピーの差し入れの必要がなくなった
など、船会社・ターミナルによっては実務が簡素にできるようになっています。
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