物流王の物流徒然

物流に関するブログです

商品知識:はちみつ

2008-01-30 23:37:34 | Weblog
商品知識の第一弾は、はちみつです。

はちみつとは、ミツバチが花の蜜を吸って体内の器官を使って整合し、吐き出したもので、成分はブドウ糖・果糖に、元の花に含まれるミネラル分などからなります。

はちみつは体によく、塗り薬にもなる、とよくいわれます。

貿易上の注意点としては主に2点あります。

1つ目は、食品衛生法上の自主検査項目で、ストレプトマイシン・クロラムフェニコール・テトラサイクリンの抗生物質を検査しなくてはいけません。

ストレプトマイシンは、はちみつの元となる花に抗生物質が使われている場合(養豚、養鶏など)に検出されるようです。
クロラムフェニコールとテトラサイクリンは、蜂の幼虫を病気から守るために使用されることがあるようです(使用していても製品になるまでには残留させない工程をとっています)。

検査には結構時間がかかるので、日程には相当の余裕をもたせた方がよいと思われます。


2つ目の注意点は、はちみつを天然はちみつ(4類、酪農品)として輸入する際に、それが純粋なもの(人の手で加工されていないこと)を証明する書類が必要なことです。

天然はちみつと精製はちみつ・人造はちみつは異なるものであり、関税率も違います。

天然はちみつとして輸入する際には輸出国の公的機関の証明書(コピー可)が必要です。
この証明書はメーカーが成分を分析したものを輸出国の公的機関が証明することによっても成立します(関税分類例規集、国内版)。

「人造はちみつ」とは、果糖とブドウ糖の割合を同じにしてつくっただけで、はちみつにとって重要なミネラル分が入っていないものです。
これは、17類(糖類)に分類され、関税も高くなります。
天然はちみつに人造はちみつを加えたものも、人造はちみつとなります。


特に「天然はちみつ」かどうか、という問題は「偽はちみつ問題」として大きな問題になっています。色々と議論はされていますが、一消費者としては、味を比べても判定できないので、ラベルを信じるしかない、というのが現状です。

はちみつは、食品売り場では大抵ジャムと一緒のコーナーに置かれています。
デパートなどでは、輸入はちみつやはちみつ専門店も見られます。

最後に、この記事を書くにあたって主に参考にした本を下記に挙げます。

「ミツバチが泣いている―天然ハチミツを探せ!」(上之 二郎 著、集英社)
「ハチミツの話」(原 淳 著、六興出版)
「HONEY BIBLE」(HONEY FARM 監修、マガジンランド)
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倉庫業から見た3PL

2008-01-26 23:08:49 | Weblog
倉庫業は、ある意味究極の地場産業です。

倉庫を建設するのに莫大な費用をかけて、長い建設期間・調整機関を経て開業し、そこから何年もかけて投資した費用を回収していきます。

投資金額が大きいので、一度倉庫を建設したら、数年・数十年は同じ倉庫を使って営業していかなければなりません。
このため、資金力に余裕がある場合を除いて、倉庫の新設は年に何回もとはいかず、数年に1回、数十年に1回となります。

倉庫に入れる貨物も、その場所が荷主にとって配送拠点となるものなので、港や最終消費地が倉庫から近くにあるものに限定されます。

また、倉庫はスペースが有限なため、受け入れられる貨物の量も限られてきますし、設備によっては同じ荷主でも受け入れられない貨物も出てきます(温度管理の違いなどで)。

したがって、倉庫業が3PLに進出しようとしたら、他社の倉庫・施設を利用する必要がどうしてもでてきます。

他社の施設を利用することで、設備投資を抑え、自社の立地に縛られることなくニーズに応じた配送拠点を選択し、スペースの上限枠を超えて営業することができるのです。
これにより、地場産業のデメリットを解消し、今までニーズがあるのに受けることができなかった仕事を受けることができるのです。

3PLの他社施設の利用は従来の倉入れ貨物の再保管とは異なります。
再保管では、保管料が二重構造になるため、荷主・保管元・保管先の利害が対立するほか、保管先の倉庫も自社の貨物を優先するため、いざとなったときにスペースの空きがない、ということも考えられます。

3PLでは、あくまで他社施設を自社施設と同様に使いこなせるようでなくてはなりません。物流センターの1部を賃貸する形で運営することもひとつのやり方です。特定の荷主の用途に物流センターをつくるケースもあります。

賃貸にしても、外注にしても、「スペースの確保」「必要な設備の確保」「人材の確保」「料金の見積もり」の問題をクリアしなければなりません。


従来は「物流活動の一部を請け負う」形だったものを、「物流活動の一連の流れを一括して請け負う」形になるので、現在の仕事の延長ではなく、人材育成・情報収集・打ち合わせと、時間・金額ともに新しく投資をする必要が出てきます。

もちろん、現在ある自社の施設を最大限有効に使うことも並行して行わなければなりません。
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サードパーティーロジスティクス

2008-01-25 23:33:27 | Weblog
最近物流業界ではやりのサードパーティー・ロジスティクス(3PL)についてです。
言葉だけはよく目にするものの、曖昧な言葉が多く並び、実態が見えにくいのではないかと思います。

3PLは、2つの意味で使われていて、
①製造、卸売り以外の第3者が物流業務を行う。
②荷主、物流業者以外の第3者が物流業務を一括して手配する。
となっています。(国土交通省、3PL人材育成研修資料より)

①は、一見普通の物流業者への外注の様に見えますが、物流業務の1部分を荷主の指示により受ける従来のやり方とは違い、「物流業務の全体を担う」「自らが物流活動を組み立てる」「荷主に対して提案する」点が特徴です。

①②いずれにしても、「発注・受注」の関係ではなく、「業務代行の委託・受託」の関係にあり、物流の範囲・期間ともに従来の外注よりも広いものになります。

また、3PLには、運送・倉庫・物流センターの設備を自前で手配する「アセット型」と、設備を持たずに外注のみで行う「ノンアセット型」があります。

「アセット型」では設備を自前で持つため、ノウハウもあり、業務に小回りが利く反面、設備負担が重くなるという欠点があります。

「アセット型」の3PLでも、荷主のニーズに応じて最適な物流活動を組む以上、自社の設備以外の部分も活用する必要がどうしても出てくるため、100%のアセットではありえず、どこかでノンアセットの部分が出てきます。

また、「ノンアセット型」の3PLでは、設備を持たないで他社の設備を利用するやり方なので、優れたノウハウや取引上の人脈が必要になってきます。他社の設備をまるで自社の設備であるかのように扱うので、知識がなかったり業務を丸投げしているようなレベルではこなしきれません。

概要はこのくらいにして、次回は「倉庫業から見た3PL」で話をしたいと思います。
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コラム:欠品について

2008-01-21 23:54:59 | Weblog
よくレストランなどにいくと、メニューが品切れになっている場面に出くわします。

生鮮食材の場合、仕入れ先の卸売り市場が土曜日までしかやっていないことや、卸売り業者・物流業者でも土日曜日に休む企業も多いためもあり、特に日曜日の夜に品切れになることが多いです。(中には平日にもよく欠品するところもありますが)。

「欠品を出すのはとんでもない」と思うこともありますが、状況次第と考えます。
仕入れのミス、需要予測のミス、物流が機能していないために欠品が起こるのは問題ですが、戦略的に欠品させるのはよいと思います。

例えば、欠品のリスクを恐れて大量に仕入れようとすると、在庫リスクを抱える上に場合によっては、新しい設備投資をしなければならず、売れているうちはいいけれども売れなくなった時に負担が大きくなる、ということもあります。

また、大量につくることによって、1個あたりの品質を落としたくない場合も「限定販売」という形で売り切れを前提に販売することもあります。

ただし、戦略的に欠品させる場合でも、商品を欲しがっている客に対して欠品をさせた事は事実であるので、それを埋め合わせる何かが必要になってきます。

私が考えているのが、代替品の利用です。
「欲しい商品は残念ながら売り切れているけど、代わりにこれをお勧めする」とうメニューをすすめられるかどうかが重要になってきます。
個人との取引だけでなく、企業間取引においても、代替商品の利用がうまくできれば欠品からの大クレームは避けられるのではないか、と思います。
ただし、急に欠品してから代替品を提案するとクレームにつながりかねないので、普段の仕事の関係で、代替品の開発・仕入れや客先への提案などを行うことが必要と考えます。

特に、海外から仕入れる場合、船積み遅延や法令リスクなどで納期が遅れて在庫がなくなってしまう場合もあれば、もともとが発注から販売まで時間が空くので需要を読みにくいという問題もあります。

そういう時こそ、代替品を利用して欠品リスクをカバーすることが有効なのではないかと思います。
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ジェトロ認定貿易アドバイザー面接落ち

2008-01-19 13:55:08 | Weblog
12月に受験した貿易アドバイザー試験の結果がようやく公表されました。
一次試験:応募者160人、受験者140人中37人合格
二次試験:昨年の一次試験合格者含め、39人受験、35人合格(89.7%)

詳しくはジェトロのホームページに出ていますが、例年と比べ合格率は高かったようです。

面接で落とされると人格を否定された様な気分で嫌な感じです。この合格率で落選するような面接をした覚えもない(むしろ面接自体は上出来だったと思う)ので、考えられる要因としては、

・実務経験が原則の3年に足りなかった(2年半)。
・小論文での文字数のカウントミス(採点ミス)で減点されていた。
・小論文が審査員の趣味に合わなかった。

というところです。

あまりのショックにブログの更新がとまっていましたが、ようやく平常心に戻れたので復活します。

年末に触れたスーパー中枢港の話や最近話題の3PL、輸入貨物の商品知識などを紹介していきたいと思います。
コメント (2)
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