カネシゲタカシの野球と漫画☆夢日記

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清原のあの発言を考える~直球勝負という暗黙の了解が仮にあったとしても、負けてくれるという了解はない。

2005年04月23日 00時26分00秒 | ☆提言・苦言・球界再編
とりいそぎ記事にしてみよう。

「きょうろぐ」にも質問が寄せられたのですが、清原選手が「タイガースの藤川投手は暗黙の了解をやぶった!」という発言をしたとして話題になりました。

参考までに、「きょうろぐ」の記事をリンクしておきます。

◆暗黙の了解?

僕は仕事の打ち合わせで出かける前に、補足として上記の記事に以下のようなコメントを残しました。
「きょうろぐ」は「今日から野球ファンになった人のためのブログ」であるという性質を考慮に入れての、やや中立的なコメントですね。



今朝のサンスポには阪神の岡田監督の談話がのってますね。(以下に引用)

http://www.sanspo.com/tigers/top/tig200504/tig2005042204.html

>清原を抑えた岡田監督も「記念のホームランで弾みがつくと怖いから、藤川を一人だけいかせた」としてやったりの表情。力投したエース・井川に、なんとか初白星をプレゼントしようというベンチの願いが通じた。(引用ここまで)

で、清原選手の言い分も以下に。

http://www.sanspo.com/baseball/top/bt200504/bt2005042203.html

>試合後の通路で、清原は肩をいからせて息巻いた。直球勝負でかかってこんかい! 球界のマナーにかこつけた番長の“威嚇”は24歳、すでに2児の父の藤川だけでなく、今後対戦するすべての投手に向けられた挑発でもあった。(引用ここまで)


僕はタイガースファンなので、少し藤川投手の肩をもってみましょうかね(笑)。

たしか日本テレビでの試合中継の際に藤川投手の談話に触れていたと記憶しています。
「勝負したかったが、井川の失点になるということを考えた」と。

あの場面は井川投手がランナーを満塁にためてから藤川投手に交代しました。
ということは、あそこで仮に藤川投手が満塁ホームランを打たれると、入る4点のうちの3点は「井川投手の責任」になるんですよね。
当然、ただでさえ開幕から不調だった井川投手の「防御率」はさらに悪くなります。

(ちなみに「防御率ってなに?」というご質問に関しては過去記事をごらんください。
http://kyoukara.seesaa.net/article/2571865.html

また、清原選手はジャイアンツのキーマンとも言うべき選手であり、彼が気持ちよく打つことによってジャイアンツが今後もペナントレースで調子に乗ってしまうということも考えたのでしょう。


しけたろうヘッドコーチがおっしゃるように、どちらの言い分もまぁ「もっとも」ですし、ファンの間でも意見がわかれるケースですね。



あと「暗黙の了解」については、「ヤクルトの藤井投手がそれを守らなかったがために野次られて泣かされた」という事件が過去にありました。

http://www.89yashiki.com/hige_01-5.htm

元プロ野球選手の屋敷さんは上のコラムで「そんなルールなどない!」と断言しておられますね。

というわけで、これらの件に関する皆様の自由なご意見や補足コメントよろしくお願いいたします。


さて、今日は中日対巨人の試合がナゴヤドームでありました。
僕はタイガース戦をテレビで観ていたので、ちょっと中日戦は最後岩瀬が出てきたところからしかチェックしていなかったのですが、ネットの速報で以下のような記事を発見。


◆巨人清原500号不発、川上に脱帽

通算500本塁打にあと1本と迫っていた巨人清原だが、中日川上の前に単打1本を放つのが精いっぱいだった。「ボールに力があった。きょうは完全にねじ伏せられた。参りました」と脱帽する。

(中 略)


8回で降板予定だった川上が、清原との対戦を希望して9回も続投となった。清原はそんな心意気を感じたのか何度も「憲伸(川上)は気合が入っとったな」を繰り返し、満足げな表情を浮かべた。大記録達成は足踏みしたが、それ以上に真っ向勝負を挑んできた相手と好勝負ができたことを素直に喜んでいた。




なんか昨日のタイガース・藤川球児が完全に悪者みたいじゃないですか。

そりゃ川上憲伸の武士的な考え方に「さすが!」と言いたくなる日本男児・清原の気持ちはわからなくもないですがね、それって単に勝負に対する考え方の違いってだけじゃないのかなって思います。


いや、僕としては藤川投手と清原の対決、見ごたえがありましたよ
決してフォークばかり投げていたわけではなく、ストレートも交えて堂々と追い込んだ結果ですから、藤川にたいした否はなかったものと思われます。
だって、カットして逃げることも可能なわけですから。
それで打ってこそ「さすが清原!あっぱれです」となるわけで。

あの場面で最後に直球勝負が観たかったか?と言われればそんな気もしますが、危険は多すぎます。
清原を調子に乗せることは、今後のペナントレースにも影響が大きいですから。
あの試合に限っても、あそこで打たれていたら、その後どうなったものやら…。
ただでさえ3試合ともビッグイニングが連発するような試合を繰り広げていた両軍ですから。


「迷った時はストレート!」

投手たるものの心構えを表現するために、上記のような言葉があったと思います。
ただ、あの場面のバッテリー(藤川投手と矢野捕手)に迷いはなかったわけです。

「アウトを確実にとるためには、フォークボール!」

最高の選択だったんじゃないかな?
それこそ真剣勝負に徹している気が個人的にはします。

仮にあの場面で巨人側から「清原にはストレートを投げてくれ。そのかわり、ウチのチームは絶対にそれ以上の反撃をしないから」という「暗黙の了解」でもあったなら別ですが…。


「大差の場面では直球勝負!」という暗黙の了解が仮にあったとしても、「そのまま負けますから」という暗黙の了解はないのです。



総じて考えるに、清原だからマスコミも面白おかしく書くし、清原だからこそ物議を呼んだ問題なんでしょうね。

似たようなことを、たとえば横浜の佐伯選手あたりが言ったところで、それは新聞にすら載らないかも。
載ったところで、「まぁ、そういうもんかなぁ。直球勝負はわかりやすくて楽しいもんな」で終わっていたでしょう。




清原の500号は素晴らしい記録ですが、それに頼りすぎる野球中継には個人的に閉口ぎみ。
今季ハイペースで本塁打を量産する清原に対して「500号 生みの苦しみ」なんて表記する新聞もなんか間違ってるぞ。
清原選手には、あくまでも500号は通過点という気持ちで頑張ってもらいたいですね。



ともかく冒頭に挙げた「きょうろぐ」のコメント欄では、何件か清原選手を批判するコメントが匿名で寄せられておりまして、なんかサイトの趣旨にあわないなと思いましたので、ここに記しておきました。(反論などのご意見は是非こちらの記事にどうぞ)

それでも「野球=興行」と考えた時にはいろいろと考えさせられる問題であり、はっきりとした結論はまだ僕のなかで出ておりません。
「自分は阪神ファンである」という立場を大事にして、ここでは語ってみました。