もう時期遅れの話題になるが,鳩山法務大臣が,いろいろと物議を醸す発言をしている。そのひとつが,弁護士が増えると日本も訴訟国家になって日本文明が破滅するというもの。しかし,この発言は,強者の論理であり,政治家にとって都合のよいものである一方,弁護士の仕事の実際を知ってなされたものとは思えない。確かに,数字だけを見れば,そんなに弁護士が増えて大丈夫かという気にもなるが,同じ程度の法曹人口のある国が訴訟社会になっているという話は聞かない。法曹人口の増加は,司法制度改革審議会の結論でもあり,法務大臣の発言が,実情を知らないままそれを否定するのはいかがなものであろうか。
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