つれづれなるまま(小浜正子ブログ)

カリフォルニアから東京に戻り、「カリフォルニアへたれ日記」を改称しました。

「一人っ子政策」見直しの必要

2012-12-28 13:37:20 | 日記
上海図書館でコピーしてきた最近の雑誌に、中国の人口学者を代表する田雪原氏のインタビューが載っていた。
1980年頃の「一人っ子政策」実施を決定した頃の話。「第一子は鈍い。第二子は聡明。第三子は機敏」という俗説によると、一人っ子ばかりになると中国全体の知力が低下するのではないかという意見が出され、真面目に検討した結果、それは科学的根拠がないということになった、とか、人口の急成長に急ブレーキをかけるため、「出生ゼロ年」を設定してはという意見も出たが、それは「焦りすぎ」ということになった、とかいうかなり荒唐無稽に感じられるエピソードが披露されている。
また、この政策を進めると少子高齢化が起きて「四二一」現象が出現し若者一人で六人の父母祖父母を世話しなくてはいけなくなる、という心配に対しては、「一人っ子政策」は一世代に限って行い25年か長くて30年経てば見直すのでそれは発生しない、となったという。
現在、すでに期限が過ぎているのにまだ見直しが行われていないことに、彼は憂慮を表明している。
すでに少子高齢化が始まっている中国の人口政策は、早急は見直しが焦眉の急になる段階なのだと改めて感じさせられた記事だった。
巨大な既得権益の構造と化している「一人っ子政策」の修正が科学的観点に基づいて行われ難くなっている現状は、どこかの国の原発政策を思い出させなくもない。

上海の街角から

2012-12-26 14:07:48 | 日記
帰国して、思い出した上海の様子。
会議が終わって、街の中心部の淮海路のホテルに移動して一泊した。
景気は良くないようで、クリスマス前だが淮海路の目抜き通りを歩く人は少なく、ネオンも一頃ほどぎらぎらしていない。しかし、上海人の生活の質はこの間も確実に向上している。もと瑞金路との交差点(銀座4丁目のイメージ)は、子供用品専用ショップになっていたが、元値348元(=5000円)のかわいいデザインの幼児用ジャケットがたくさん、割引されてぶら下がっていた。デザインかわいく、質もかなり良さそう。日本の高級品と比べると、若干質は落ちるが、充分使えるレベルで、デザインもいい。買って帰って日本で使うには合理的ないい買い物になるだろう。
そういえば、会議場は街の中心部からやや外れたところだったが、近くに新しいコンビニやスタバができて、ずいぶん近代化された雰囲気の場所になっていた(以前は何もなくて不便だった)。スタバのコーヒーを飲むのに、わざわざ淮海路まで出ていかなくてもよくなったわけだ。
地下鉄は現在11号線まで走っており、13号線の建設が進んでいる。渋滞は相変らずだが(何せいつもどこかが建設中)、全体としては交通の便もよくなっている。
旧知の上海人のYさんに会ってランチしながらおしゃべりした。
日本の会社へのコンサルタントとしてバリバリ働いている彼女によると、日中関係の緊張の中、すでに決定していたビジネスは予定通り進行しているが、新しい引き合いはさっぱりなくなった。しかし中国市場はこの後まだまだ拡大するのだから、今こそ打って出るべきなのに、とはYさんの言。
帰国するときに空港まで乗ったタクシーの運転手いわく、「なぜ日本人はそんなに中国を嫌うのか。経済大国の日本と中国が反目していたら、もう一つの大国のアメリカの思うつぼではないか。協力して経済発展すべきだ、われわれ老百姓(ラオパイシン―庶民)には政治は関係ない」。
上海人は、もともとあまり政治に熱くならない。日本では、庶民まで尖閣問題でナショナリズムをかきたてられているようなのとは、違った雰囲気だった。

上海にて-選挙の結果から

2012-12-20 02:31:36 | 日記
上海へやって来たのは、選挙結果の載った新聞片手の17日。
予想通りor予想以上の自民党の圧勝&維新の躍進ぶりに、驚きあきれながらだった。
こちらでは、中国の指導部も交代したばかりだし、大統領選を控えた韓国(こちらは予想がつかなかった)からの研究者も交えて、「東アジアの国際関係は、これからどうなるのか」と、みなで気をもんだ。
こちらの日本研究の専門家に、「あなたも維新の会に投票したのか」と聞かれて、「とんでもない」と答えたが、そんなに人気に見えるのだろうか。
「人民網」のサイトには、「日中の新政権は、「強硬路線の対峙」か、「対話路線」か」という論評が載っていた(12月19日)http://bbs1.people.com.cn/post/32/2/2/125414875.html
曰く、日本の民衆は、民主党政権の中国に対する強硬路線に「ノー」を突きつけたのだ。自民党内の強硬路線に対して、中国は憂慮している。が、次期首相の安部氏は、前回小泉政権の後を受けて首相になった時は、就任後すぐに中国に関係改善のための「氷を破る旅」に来たし、父の安部晋太郎氏は日中平和友好条約締結時の官房長官として締結に尽力し、また対中ODAにも積極的だった。次期安部政権は、経済を重視すると言うが、日中関係は経済的にも重要である、云々。
明らかに、新政権になっての関係改善が期待されている。
安部氏個人は、右向きの対中強硬派なのだろうが、前回に続いて、前政権があまりに日中関係を悪化させたので、改善の役回りを演じることに、今回もなるのだろうか。

上海にて-「1949年以来的上海」シンポジウムを終えて

2012-12-19 01:08:02 | 日記
2日間の上海社会科学院歴史研究所主催の「1949年以来的上海」国際シンポジウムが終わった。
たいへん楽しく充実した学会だった。
私は以前、長く上海史を専門にしていたので歴史研究所をはじめ多くの上海史研究者の友人がいるが、この数年は研究の中心を農村に移したので会う機会が減っていた。今回は久しぶりで歴史研究所を訪れて、以前の研究所の建物が付属のホテル兼院生宿舎になっていることに驚き、新しい弁公楼でのシンポジウムに臨んだ。
日中関係緊張の中で、とにかく直接交流を、と少し気負ったものもあったが、旧知の研究者たちの顔を見るとすぐにうち解けた。会議の場で「国家間の関係がどうであるかに関わらず、我々は研究者どおしの交流を発展させよう」と表明したことには一定の意義があったと思うが、そんなことは当然という雰囲気で、古くからの友人たちとふだんは飲まない白酒(パイチュウ)まで飲んで、酔ってしまった。
シンポでの報告には、これまで触れられることの少なかった反右派闘争や大飢饉など人民共和国史の影の部分を史料に基づいて明らかにするものがあり、歴史の実像を解明する熱意を感じた。一党独裁下でのタブーは、このような研究者の会議ではもはや感じられない。上海の研究者は、人民共和国になって中央のコントロールの下で多元的な上海社会の活力がそがれてしまったと考えており、そのことを正面から論じているのは、現在の中国社会にそれを取り戻さなくてはという思いがあってのことだろう。
また、日本のODAが上海の近代化に如何に貢献したかを数字で示す研究は、現在の日中関係に静かに反省を促している。
しっかりした力量を感じさせる若い研究者の報告もたくさんあって、上海史研究の充実ぶりがよくわかる、楽しい二日間だった。

「1949年以来的上海」国際シンポジウム

2012-12-15 11:08:57 | 日記
来週は、上海へ学会出張です。先月、急に招待状が来たのですが、この時期、とにかく中国の研究者と率直に議論して交流を深めることが大事、と参加を決めました。日本からの参加は、岩間一弘さん、大澤肇さんと私。旧知の友人の名前もプログラムのあちこちに見え、いろいろ話せればと思っています。
プログラムは以下の通り。

“1949年以来的上海”国际学术讨论会议程

12月18日
9:00—9:30 开幕式(国际创新基地5楼506会议室)
10:00—12:00 第一场报告会
A组 秩序重建与上海的再中心化(上)
主持 王家范 黎志刚
发言 陈细晶 现代上海报业国有化的历史渊源
何 品 从私营到公私合营——浙江第一商业银行的终结
大泽肇 建国初期上海及其近郊农村公办教育的重建
贺水金 上海区位优势的国内外比较与国际航运中心建设
评论 姜 进

B组 上海记忆与都市文化的重塑(上)
主持 杨国强 胡志
发言 周 武 革命文化的兴起与都市文化的衍变
史通文 周璇:“何日君再来?”
岩间一弘 “西式中国风”的大众化
罗苏文 近代上海画家:融合中西的美术探索略述(1949-1999)
评论 许纪霖

13:30—15:30 第二场报告会
A组 秩序重建与上海的再中心化(下)
主持 沈渭滨 陈细晶
发言 施扣柱 上外附中模式与体制内教育改革
李志茗 改革开放以来的上海出版
冯志阳 徊徨于意识形态与市场之间
徐锋华 延续与转型:建国初期的中国福利会
评论 马长林

B组 上海记忆与都市文化的重塑(下)
主持 丁凤麟 大泽肇
发言 张 剑 谷超豪:纠缠于学术与政治的数学人生
林升宝 “典型”、“假典型”——朱克家个人形象历史变迁中的不同版本
田一平 上海书画名家社会生活(1937—1966)
张 犇 1950年上海“二•六”大轰炸研究
评论 冯筱才

15:30—16:00 茶歇

16:00—18:00 第三场报告会
A组 国际创新基地5楼506室
议题 都市语境与社会的国家化(上)
主持 马长林 明凤英
发言 冯筱才 1959-1961年上海的粮食紧张及其应对
金大陆 “非常”年代的“金钱观”——以上海为中心的报告
徐有威 山坳里的上海人的情和爱
孙沛东 知青一代父母的集体焦虑:上海相亲角与“白发相亲”现象探析
评论 张忠民

B组 都市语境与社会的国家化(下)
主持 冯绍霆 岩间一弘
发言 小浜正子 社会性别、技术条件与计划生育的开展—1950-60年代上海生育节制的普及
陈 同 20世纪50年代我国实行律师制度的短暂过程及其历史的思考
江文君 建国初期的上海中产阶级:改造与重生
吴健熙 1949年后的“旧警”问题初探
评论 承 载

12月19日
9:00—10:30 第四场报告会
A组 城市建设、生产革命与产业变迁(上)
主持 戴鞍钢 马学强
发言 姜 进 社会主义时期上海的城市建设初探
蔡 亮 日本ODA与上海现代化建设
黄 坚 工业化主导下的城市空间变奏——“大跃进”时期上海的卫星城建设
评论 邢建榕

B组 新史料与新上海史书写(上)
主持 张忠民 冯筱才
发言 黎志刚 Some Methodological Issues On Writing Contemporary Shanghai Business History
张伟然 私情•经济•政治——计划经济时代一卷“生活错误”档案的解读
程念祺 改造:一个“右派分子”“放弃自己”的心境与心路——程应鏐《1956-1960年日记》读后
评论 胡志

10:50—12:20 第五场报告会
A组 城市建设、生产革命与产业变迁(下)
主持 许洪新 史通文
发言 张忠民 “五反”运动与私营企业治理结构之变动
林超超 生产线上的革命:1950年代上海工业企业的劳动竞赛
严宇鸣 生产领域内的政治革命:上海企业工时改革运动研究
朱 榕 上海旅游文化产业发展初探(1978—2008)
评论 张 剑

B组 新史料与新上海史书写(下)
主持 张星星 小浜正子
发言 承 载 20世纪50—80年代的一批上海城市基层社会研究资料介绍
邢建榕 馆藏建国后档案史料的开发与利用从——《上海市档案馆指南》(修订版)谈起
马 军 五十年代“上海工人运动史料委员会”初探
段 炼 上海地区新编方志补遗(1949-2004)
评论 马学强

13:30—15:30 圆桌会议: 当代上海史研究愿景
主持 黄仁伟
引言 王家范、沈渭滨、丁凤麟、马长林、冯绍霆、胡志、许洪新、戴鞍钢 金大陆 姜 进
自由讨论

16:00—17:00 闭幕式
主持 王健 总结 周武


選挙(2)―東京16区で

2012-12-10 12:22:33 | 日記

(東京16区の初鹿明博候補者。駆けつけた宇都宮都知事候補と)
「今度の選挙は、日本のこれからを決める本当に大切な選挙」とは、選挙のたびにいわれることです。けれど、私は今回(恥ずかしながら初めて)心から本気でそう思いました。
3.11の後、多くの人と同じように私も、政治家や役人やマスコミが「ここまでひどかったのか」と驚きあきれました(以前はまだどこか信頼していたのですね。まあ人のことばかり批判できないので、自分はどうなのか、と自問して暮らしてますが。)
その後もどんどん政治は迷走するばかりで、脱原発ひとつしっかり決められない、どころか再稼働・推進を謳う勢力が政権を握りそうな雰囲気。これはまずい、出来ることはしなくては、とマジで思います。
で、とりあえず自分の選挙区はどうなのだ、と思ったのは、夏の頃だったか。わが東京16区選出は、(当時)民主党一年生の初鹿明博代議士。都議からたたき上げの若い政治家で、消費税増税の際には、処分覚悟の反対票を投じているので、信念ある人かもしれない。で、直接確かめるべく、彼を囲む飲み会に足を運んだのは、11月初めでした。
気さくにお好み焼きを焼いてくれたりしながら、政局を語る様子は情熱的かつ自然体です。初鹿さんのもっとも熱心に取り組んでいるのは障害者問題で、3年あまりの衆議員生活の間に、障害者総合支援法を中心となって取りまとめ成立させたのが一番の仕事だったといいます。脱原発、反TPPの姿勢も確認。2日後には沖縄に飛んでオスプレイ配備に反対している人たちと交流するとも。
その日、格差是正を忘れて新自由主義に走った民主党には愛想が尽きたので、近々離党する、と表明するのを聞きました。離党後どこに所属するかはまだ未定、だとも。
私は、16区に投票すべき人がいてくれてよかった、と思いました。
まもなく衆議院が解散となり、初鹿さんは民主党を離党し、数日後に「みどりの風」に合流。
その後、「みどりの風」と「国民の生活が第一」等が合流して「日本未来の党」が結成され、初鹿さんは「未来」の公認候補者となりました。この間、所属を変えたが、「自分はぶれていない、変わってしまったのは民主党の方」という言葉は心からのものでしょう(どうも根っから真面目な人のようです)。
この間、決起大会や事務所開きに参加して、「みどりの風」の皆さんや鳩山元首相、山本太郎さん、宇都宮けんじさんなどの話を聞き、なるほど直接会って話を聞くとよくもわるくもどんな人かわかるもんだ、と実感。
そう思って、選挙公報や政見放送を見ると、以前より裏側が見えてくるようになりました。まだまだですが。
しかしとにかく、今回の選挙!!!

選挙(1)-ジェンダー平等政策を求めるキャンペーン

2012-12-09 13:59:11 | 日記

選挙が始まりました。
「『ジェンダー平等政策』を求める会」では、各党の政策を検討するために、「ジェンダー平等政策に関する公開アンケート」を各党に送り、結果を次のサイトで公開しています(私も呼びかけ人になりました)。
http://www.p-wan.jp
マスコミの情報に頼っていられない大事な今回の選挙。
このような市民の活動によって、政党が何をしようとしているのか、はっきりさせていければと思います。
もっともこのアンケートによれば、私の支持する「未来の党」の得点はベストではない(もちろん自民党や維新の会なんかよりずっといいですけど)。
急にドタバタと結党したため、すり合わせが充分でなかったのかも。
でもこういうアンケートに促されて、政策を鍛え明確にしていってほしい。政党も市民が育てなくては、ね。

ジェンダー史学会大会―「民主化」とジェンダー

2012-12-08 14:19:08 | 日記
ジェンダー史学会大会に参加しました。
この学会は、まもなく成立10年を迎える若い学会です。
各地域・時代の歴史研究の中に、その社会で性別がどのような意味を持っていたのかを明らかにするジェンダー史をしっかりと根づかせようと、活発に活動しています。
ことしの大会シンポジウムのテーマは「『民主化』とジェンダー」。
近年の「アラブの春」などで「民主化」した国では、しかしその後強化されたイスラームの伝統的規範によってかえって女性の自由な活動が制約されるように感じられる側面もあり、「民主化」と「女性解放」との関係は、単純ではありません。
サウジアラビア、ミャンマー、韓国の近年の状況からジェンダー秩序の変化を考察する三つの報告には、いろいろ考えさせられました。
中国では、社会主義の時代から改革開放になって、さまざまな点で性差は拡大しているように思えます。しかし社会主義時代に獲得した男女平等の原則、女性の社会的労働への参加と経済的自立は、改革開放時代も基本的に受け継がれており、その上でいかにして個人の自由を拡大し女性性を発揮するかについては議論があります。
比較の視点をもった研究の深化の必要を感じました。

全日本おばちゃん党ハッサク

2012-12-02 10:31:16 | 日記


全日本おばちゃん党の八策がでました。
とりあえず版なので、まだ改良されるかもですが、とりあえず「維新の会」のと比べて、どうですか~?
(なお、「全日本おばちゃん党」はFacebook上のグループで、公職選挙法上の政党ではありません。政党に働きかけようという意欲は大いにありますが。投票しようと思って下さってた方、ごめんなさい。)

日本大学文理学部中国語弁論大会

2012-12-01 09:47:36 | 日記

勤務先の日本大学文理学部で中国語弁論大会が行われました。
わが文理学部中国語中国文化学科の学生を中心に、国際関係学部・法学部・通信教育部からの参加者も含めて、今年は暗唱の部・弁論の部あわせて40人近い参加者があって盛況でした。
参加人数以上に素晴らしかったのは、内容がハイレベルだったこと。
発音・表現などの中国語は、今年の出場者たちは総じて水準が高く、一生懸命準備してきたことがわかりました。さらに印象深かったのは、弁論の内容が、家族友人などの身近な所に題材を取りながらも、認知症の高齢者介護や命に関わる病気などのシリアスな状況に向き合った経験から考えたことをきちんと伝えようというような、深みと広がりを感じさせるものが多かったこと。
伝えたい内容を中国語でうまく表現するには、内容をわかりやすく整理して自分のものにした言葉で話す必要があります。中国語教育専門家の審査の先生の講評を聞いて、ふだんから学生に話している、内容と表現の関係について、あらためて考えるものがありました。
夜は出場者との懇親会。学生の中国語の上達に向けて日々研鑽を積んでいる様子や、意外な特技を発見して、楽しい会でした。(中国語でマジックを見せてくれたB君らに感心!)