つれづれなるまま(小浜正子ブログ)

カリフォルニアから東京に戻り、「カリフォルニアへたれ日記」を改称しました。

「戦争法案廃案!安倍政権退陣!8・30国会10万人・全国100万人大行動」

2015-08-30 00:22:47 | 日記

 安保法案廃案を求める国会前の一斉行動に、日大教員の会も参加しました。当初、この日の行動には各自で参加すればいいかと思っていたのですが、せっかく作っていただいた日大の幟を持っていると声をかけてくださる卒業生もあるようなので、これを活用することにしました。
 しかし当日は、ものすごい人で、幟を持っていてくださったH先生は、早く着いて国会正門正面で角に押し込まれていたようです。私も一斉行動の少し前に着いたのですが、すでに(後でわかったのはその直前に封鎖線が突破されて)国会正門前の道路は人で埋まりかけているところでした。
 当日は、ちょうど安保法案を大変心配して亡くなった近藤先生の密葬の日で、追悼の意味を込めて近藤先生の遺志を体現すべく行動に参加された学科の同僚のZ先生と元同僚のK先生と一緒に近藤先生の話などしながら一斉行動に参加しました。大変な人でしたが、車椅子の方の移動には皆協力し、混乱が起きないように譲り合って、それなりの秩序を保ってコールがつづきました。私は古い友人と数年ぶりに再会したりもしました。日大の幟と合流できたのは、結局、一斉行動の終了時刻の4時を過ぎて、いくらか人が減ってからでした。
 10万人の中の一人として廃案へのささやかな力を添えようと思っていったのですが、結果的に12万人が国会周辺に集まっていたようです。自分の意思で、雨にぬれる覚悟で12万人が集まったのは、やはり壮観でした。国会正門前の道路が人で埋まっているのは、もちろん初めて見ました(って自分も中にいたので外から見たのではないです)。法案の行方がどうなるかはまだわからないですが、日本の民主主義があるポイントを超えた、と感じられるものがあった日でした。

近藤直子先生を悼む

2015-08-28 21:56:27 | 日記

 同僚である日本大学文理学部中国語中国文化学科の近藤直子先生は、8月28日早朝、癌のため逝去されました。つつしんでご冥福を祈り哀悼の意を表します。
 近藤先生は、現代中国の作家・残雪の作品の翻訳・紹介を主要な仕事として取り組まれてきました。学生にはつねに「自主的に考えて行動するみずからの主人たれ」と説いてやまない方でもありました。
 今年度、65歳の定年で、職場での最後の一年となるはずでしたが、4月に体調を崩して休職され、そのまま復帰されることはありませんでした。あまりに早すぎるお別れに私たちも言葉がありません。
 近藤先生のホームページ「現代中国文学小屋」(http://www.k2.dion.ne.jp/~kondo-n/)から、先生の施策と仕事を垣間見ることができます。
 葬儀は親族のみの密葬で行われます。中国語中国文化学科では近く「お別れする会」を開く予定です。(追記:9月27日に行います。ご関係の方は学科までお問い合わせください)

安保法案に反対する「100大学有志共同行動」

2015-08-26 00:47:49 | 日記

 日大教員の会で、安保法案に反対する「100大学有志共同行動」に参加した。
 まず午後1時から学者の会主催の大学共同記者会見、それから手分けして参議院議員全員への要請行動。ここまでは私は昼までつくばで明清史夏合宿に行っていたので参加できなかった。その後、4時から日本弁護士連合会と学者の会との共同記者会見、6時から日比谷野外音楽堂での大集会、そしてパレード・国会議員への要請だった。
 日弁連との共同記者会見には、現任を含む4人の歴代日弁連会長、二人の元内閣法制局長と二人の元最高裁判事という法曹三役のトップが並び、学者の側も各分野の錚々たるメンバーで、「めったに顔を合わせることのない人がこれだけ集まっているというのは、どれだけ日本の立憲主義が危機にあるかということだ」という言葉がしみじみとわかった。
 日比谷野音では、ママの会やSEALDsのスピーチを聞いて、戦争反対への強い意志を思った。「学者の会」で用意してくれた日大教員の会の幟をもって歩いていると、卒業生の方から声をかけていただき「日大でこういう意見が表明できるとは思わなかった」と言われた。私たちはみな、どちらかというと個人で行動するタイプなのだけれど、日大の幟にはそれなりの効用もあるようなので、せっかく作ってくれたのだし30日も国会前行動でも幟を掲げることにした。
 今日は気温が低く小雨が降っていたが、出張から直行したのであまり適切な服装でなかったこともあって、やや体調をくずしてしまった。しかしだから次は止めておこう、という気分には全然ならない。

祖母の大往生

2015-08-24 22:18:20 | 日記

 母方の祖母・山本初子が7月8日に102歳で逝った。肺炎をこじらせて(これまで何回か回復してたけど)今回は厳しい、という連絡を受けて、その前の週に見舞いに行き、お別れができた。
 20代で4人の子供を抱えて寡婦になり、中学校の事務をして、後半は大阪市唯一の女性の事務長を定年まで勤めた。趣味人で、書道を良くし、アララギで短歌を詠み、山歩きを90歳近くまで楽しんだ。写真の歌は歌集『卯の花』から家族に関するもの(やはり書道をする叔母が書いた)、「南無阿弥陀仏」は96歳で施設にいた時に叔母が世話して書いたもの、もう一つはもっと若い時のもの。号は梅雲。
 成人した子供3人にかける3人ずつで孫が9人、曾孫は13人。私は初孫で、ずいぶん可愛いがってもらった。一番上の曾孫はウチの子供たちでもう社会人、下は高校生。祖母が元気な頃、毎年12月30日にいとこ全員集まって餅つきをしていたので、今でもみな仲がよい。葬儀では久しぶりに全員そろって、尽きない思い出を語り合った。
 8月23日に四十九日の法要を営んだ。最後も安らかだったので落ち着いた気持ちでいる。ずっと世話してくれてきた従弟とその奥さんに大感謝である。

ゼミ合宿

2015-08-19 00:00:20 | 日記

 山中湖の日本大学文理学部研修所で2泊3日のゼミ合宿。今年は3年生10人4年生4人に私を加えて総勢15人だ。4年生の卒論中間発表と、3年生に調べて発表してもらった後で安保関連法案についてのディベート、それに「戦後70年安倍談話」についての討論。
 ディベートは、自分の意見とは関係なく、アトランダムに賛成・反対に分かれて理屈を言いあったことによって、多様な考えがありうることが実感できたようだ。戦後70年談話についても、評価を100点満点で表現すると、40点から85点までずいぶんいろいろな意見があって、議論が盛り上がった。
 学生の強い希望で、近くの富士サファリパークにも行った。予想以上にたくさんの動物がまぢかに見られて楽しかった。最終日は、今年から研修所に設備が出来て可能になったバーベキュー。学生たちは、あまり火をおこしたりすることに慣れていないようだったが、だからこそやってみる意味があるというものだろう
。よく学び、よく遊んだ合宿だった。

「安保関連法案廃案を求める日本大学教員の会」プレス発表

2015-08-08 23:48:24 | 日記

 8月8日午後、「安保関連法案廃案を求める日本大学教員の会」のプレス発表をアルカディア市ヶ谷で行いました。私は司会をつとめるとともに呼びかけ人の一人として自身の意見を述べました。発表の内容は、「日大教員の会」のホームページでお知らせするとともに、IWJで視聴することができます。(http://iwj.co.jp/wj/open/archives/256883)
また9日の『東京新聞』朝刊でも紹介されました。
 安保法案をめぐっては、「安全保障関連法案に反対する学者の会」(HPは、http://anti-security-related-bill.jp/)をはじめとして、各大学で反対の声が挙がっています。「日大教員の会」は、そうした中で比較的に穏健な幅広い立場からの反対の声を結集しようとするものですが、日本大学でこのような活動が行われることは画期的だ、という声も聞かれました。廃案へ向けて、「学者の会」などと連動しながら活動をすすめてゆきます。

「歴史教育の明日を探る-「授業・教科書・入試」改革に向けて」シンポジウム

2015-08-01 23:18:56 | 日記

 日本学術会議史学委員会ジェンダー史分科会の主催で、「歴史教育の明日を探る」シンポジウムを行った。世界史の未履修問題発覚いらい歴史教育の行き詰まりが自覚され、先ごろ新学習指導要領に「歴史総合」という新科目の創設も謳われて、歴史教育の改革は待ったなしである。
 私たちは新たな歴史教育がジェンダー視点が当たり前に盛り込まれたものになることが、歴史教育の再生に必須だと考え、授業・教科書・入試の三位一体改革でどのようにそれを実現するかを考えるシンポジウムを開催した。とりわけ昨今、歴史認識が問題になる際に大きくクローズアップされる「慰安婦」問題を題材として、どのような歴史教育があり得るかを議論し、私も報告した。
 歴史教育の改革は、日本社会の焦眉の課題である、ジェンダー史がこれにうまく噛み合うことが歴史教育の再生につながると信じる。

【プログラム】
趣旨説明  井野瀬久美恵(第一部会員・甲南大学文学部教授)

第一部 授業・教科書・入試――歴史教育改革を三位一体で考える
 報告1 歴史教科書をどう書き換えるか?―ジェンダーの視点から 
     三成美保(第一部会員・奈良女子大学教授)
 報告2 高校歴史教育のあり方をめぐる議論
     久保亨(第一部会員・信州大学教授)
 報告3 制度の壁か思考の壁か?――暗記オンリーでない歴史の試験を目ざして 
     桃木至朗(連携会員・大阪大学教授)
 コメント 現場の声をつなぐ 小川幸司(長野県長野高等学校教頭)

第二部 教材実例としての「慰安婦」問題―日本史と世界史をつなぐ現場のために
 報告1 長志珠絵(連携会員・神戸大学教授)
 報告2 小浜正子(連携会員・日本大学教授)
 コメント ドイツとの比較から 姫岡とし子(連携会員・東京大学教授)
 
総合討論 
閉会の辞 久留島典子(第一部会員・東京大学教授)

主 催:日本学術会議史学委員会「歴史学とジェンダーに関する分科会」
共 催:日本学術会議史学委員会「歴史認識・歴史教育等分科会」
後 援:ジェンダー史学会・日本教育学会・日本史研究会