つれづれなるまま(小浜正子ブログ)

カリフォルニアから東京に戻り、「カリフォルニアへたれ日記」を改称しました。

バスケットボール観戦

2012-02-25 17:52:03 | 日記
バスケットボール観戦


隣の部屋の住人がチケットをくれたので、スタンフォード大学とユタ大学の女子バスケットの試合を観戦に行った。好カードだとのこと。
キャンパス内のバスケットコートは広いスタンドのある本格的な試合場だ。著名銀行のWARLS FARGOや電話会社のAT&Tなどがスポンサーについて、テレビカメラも入るプロ並みの設営。観客は大入りで、ほぼ客席が埋まっている。多くの人がStanfordのカラーのエンジ色のシャツを着ていて、電光掲示板にはGO STANFORDの大きな文字。アウェーのユタ大学にはちょっと気の毒な雰囲気。
Stanfordの女子バスケットはかなり強いということで、ハイレベルのテクニックを楽しめた。試合は一方的なゲームで、ダブルスコアに近い結果でStanfodの勝利。
驚いたのは、ハーフタイムの間のさまざまな出し物。ブラスバンドに合わせてStanford名物のdancing tree(校章のレッドウッドの樹をもじったもの)が踊るだけでなく、Tシャツの発射台が出てきて観客席に景品をサービスしたり、はては昔々の選手たちのシニアゲームが始まったり(6枚目の写真、よく見るとおばあさん達-1950年代の選手!-です)。はては掲示板が[make some noise]といって、にぎやかに盛り上げることを要求する。一瞬たりとも観客を飽きさせない仕掛けは、ショーゲームの世界だ。
こちらでは、土曜は大学の試合、日曜はプロの試合と棲み分けてるとか。な~るほど、こうやって皆でスポーツ観戦を楽しむわけだ。

中国の木偶たち

2012-02-20 23:43:56 | 日記
中国の木偶たち


間借りしているお家の主人のお宝です。彼女のお母さんが戦後、中国から帰ってきた宣教師からもらったとか。今では手に入らない貴重な精巧な人形たちです。大きさはそれぞれ10センチ弱。内容からすると、上海で手に入れたものでしょう。刑罰の道具に「上海」「松江府」の字の見えるものがあり、米作の道具・ジャンクなどは江南の風景を思わせます。この人形たちは、彼女のお母さんの名前を受け継いだ孫娘に譲られました。孫娘はチャイニーズの血も引いており、きっと大切にすることでしょう。

Stanfordの授業

2012-02-14 01:54:46 | 日記
Stanfordの歴史学部の親しくしているS先生の授業に参加させて頂いた。学部生対象の中国女性史の授業。
留学生向けのものや市民講座以外の、正規の学生向けの授業は、昨年の春学期にミラー先生の中国近代史の講義に出て以来になる。ほんとはもっとたくさんの授業に出てみたかったのだが、Stanfordで開講している私の専門にかかわる授業は意外と少ない。
この授業は、人文系の学部生対象の、日本でいうと特講のような感じになるのだろうか。シラバスを見ると、指定されている文献の量に圧倒される。「必読図書」として、10冊ほどのこの分野の代表的な研究書が並び、それと重複しながら、毎週の授業の前に全員が読んでくるべき論文が3~4本(時には見るべき映画も)指定されている。学生は、これをこなして授業で討論に参加し、さらに10週間のうちに小レポート3本と最終のまとめのレポートを提出しなくては、単位がもらえない。「学期中の学生は寝る間もないくらい勉強させられる」と聞いていたが、こういうことなのだ。
授業では、最初に当番の学生が、今週の文献の内容紹介をして、それから先生の提出した質問をめぐってのディスカッションで進んでいく。3本それぞれの論文について議論したあと、それらを比較して何が言えるかを考える。
出席している学生は10人。女性が8人、男性2人。アジア系の容貌の人が6人、白人3人、アフリカ系1人。みな礼儀正しいので、喧々諤々という感じではないが、多くの学生が発言して、ほとんど途切れない。みな内容に興味を持って授業に参加していることがわかる。S先生によると、この授業は毎回、熱心な学生が多いので楽しいが、そうでないと教えるのがツラい授業もある(日本と一緒)。
レポートの採点もあるので、教える方も負担が大きくが、一学期に担当する科目数は日本の大学よりかなり少ない(だから私の専門の授業がいつもあるわけではない)。学生も、一学期に4~5科目が精一杯だ。このように、少数精鋭の授業をしっかりやって学生を鍛えるのがここの流儀なのだ。
「来週の必読論文」は、先生からメールの添付ファイルで送られてくる。書籍はStanford Book Storeで古本を買うか(終わったらまた本屋へ売る)、図書館の「2時間貸出し」で借りるかする。授業中は、パソコンを広げている学生が半分くらい(ほとんどMac!)だが、画面を見るためで、ノートは歴史学部では紙で取る掟だという(授業によっては、パソコンでメモしている学生もいるが)。
単位の認定は厳しいので学生は必死だし、教員の方も授業評価もあるので気が抜けない。システムが違うので、同じことをするのは無理だとしても、「授業でしっかり学生を鍛える」ことの重要性をあらためて感じさせられる。

気候変動とカリフォルニアの青い空

2012-02-10 15:52:11 | 日記

事情で予定より遅れたが、カリフォルニアに戻ってきた。
まず感じたことは、暖かい!
厚いコートなど全然いらなくて、セーターで汗ばむ日もある。
20年ぶりという寒波に襲われている日本から来ると、嘘のよう。
本来、今は雨季でカリフォルニアでは毎日のように雨が降るはずらしいのだが、今年はこの30年来はじめての雨の少ない年だとかで、青空が広がる日もある。サングラスが必要な太陽に誘われて散歩に出ると、この季節の花の水仙や沈丁花だけでなく、桜まで早くも花をつけていた(写真の白い花。後ろの黄色いのはミモザ)。dishesとよばれるハイキングコースとして人気の高い裏山では、リスがたくさん土の中の巣から顔を出していた。暖かさで緑の草も芽吹いている。そしてなんと、白鷺まで見た!(カメラを持っていなかったのが、とても残念)
そういうわけで、目下はとても過ごしやすい気候の日を送っているのだが、こちらでは夏の渇水が心配されている。雨の少ない冬でも、山の上のタホ湖のスキー場の周辺ではしっかり雪がつもって、このあたりの水甕になってくれるはずなのだが、今年はそちらでも降っていないらしいのだ。
どこでもこれまでにない気候変動が起こって、人間は振り回されている。
日本ではまだ厳しい寒さが続いているようだ。東京も氷点下が珍しくない冬だが、仙台のあたりではマイナス10℃くらいまで下がるとか。防寒対策が不充分な仮設住宅に住む人たちは、今を生きることに精一杯な毎日を送っておられるという。早く皆がホッとできる春が訪れますように。