つれづれなるまま(小浜正子ブログ)

カリフォルニアから東京に戻り、「カリフォルニアへたれ日記」を改称しました。

映画と講演の集い<天安門事件25周年によせて-活動家たちは今>

2014-05-29 01:29:07 | 日記
 1898年の中国の民主化運動と、その結果の六四天安門事件からまもなく25年になります。
 日本大学文理学部では、映画と講演の集い<天安門事件25周年によせて-活動家たちは今>を開催し、当時の民主運動にかかわった活動家の方にお話を伺い、現在の中国社会について考える企画を行いました。
 (プログラムは以下の通り。)
日時:2014年5月29日(木)14:45~17:30
会場:日本大学文理学部 3号館3507教室
主催:日本大学文理学部人文科学研究所総合研究「近現代におけるナショナリズムと歴史認識への各国の対応に関する研究」班(代表:小浜正子・文理学部教授)
第一部 14:45~16:10
 主旨説明(小浜正子)・講演者紹介(及川淳子・文理学部非常勤講師)
 翰光監督講演「越境者・亡命者が語る近現代中国」(日本語)
 映画『亡命 Outside the Great Wall』上映(ダイジェスト版、40分)
第二部 16:20~17:30
 陳破空氏講演「My Story~民主化運動から亡命まで」(中国語、逐次通訳)
 質疑応答、討論
◆講演者プロフィール◆
翰光(Han Guang)……映画監督、作家。1958年中国東北部生まれ。1987年に留学生として来日。
 著書『亡命――遙かなり天安門』(岩波書店、2011年)ほか。
陳破空(Chen Pokong)……作家。1963年中国四川省出身。上海同済大学在学中に民主化運動に参加。
 2度の投獄を経てアメリカに亡命。現在はニューヨーク在住。
 邦訳著書『赤い中国消滅――張り子の虎の内幕』(扶桑社新書、2013年)。

 多数の学生が参加してくれただけでなく、学外の方の関心も高く、少なくないマスコミ関係者(取材はご遠慮いただいたにもかかわらず)を含む一般の方もみえて、熱の入った会になりました。現在およびこれからの中国社会の民主のあり方をどう考えるのか、が皆の関心の焦点だったと思います。学生にとっても貴重な機会だったでしょう。
 それにしても、中国のよい点を紹介してもあまり誰も飛びつかないけれど、中国政府批判となるとたくさんの方が関心を持ってくださるのはどうしてなのか。よい点も悪い点も含めて(というか、そんな単純なものではないことをわかって)中国を多元的に理解してゆくことが、隣国として付き合ってゆかざるを得ない私たちに必要だと思うのですが。

『歴史を読み替える-ジェンダーから見た世界史』刊行しました

2014-05-27 01:02:37 | 日記


 三成三保・姫岡とし子・小浜正子編『歴史を読み替える-ジェンダーから見た世界史』(大月書店、2014年5月)が刊行されました。
 高校世界史のジェンダー史の教材集にと編集したもので、各地域の古代から現代までのジェンダーに関するトピックが見開き2ページごとに取り上げられています。ジェンダーからみると、歴史はさらに豊かに興味深く見えてきます。
 私はアジア史関係の編集と、中国史関係の執筆の大部分を担当しました。正直、ほぼ2年かかったこの本の執筆・編集は本当に大変でした。アジアのジェンダー史研究がまだまだ不十分なことを痛感しながら、それでもなんとかこれだけのラインナップにして、欧米だけでなく、アジア各地やアフリカなどの女性の姿を一冊でこれだけ多彩に展開しているものは他にないとは自負しています。とはいえ(明清については新進のジェンダー史研究者である五味知子さんに執筆をお願いした以外は)中国4000年の古代から現代まで私が書いたのですが、「瓦を投げて玉を引く」とはこういう時のためにある言葉だとしみじみ。これを読んで、「自分はもっと良いものが書ける」と思う方たちに、どんどん中国ジェンダー史に参入してほしい。

ワークショップ<現代中国のフェミニスト・ムーブメント>

2014-05-25 01:18:24 | 日記
ワークショップ<現代中国のフェミニスト・ムーブメント>を開催しました。
(プログラムは次の通り) 
日時:2014年5月25日(日)(プレ企画12:00~)14:00~17:00
場所:東洋文庫7階会議室(文京区本駒込2-28-21)
主催:東洋文庫現代中国研究資料室ジェンダー資料研究班&科研基盤C「歴史的視点による中国のジェンダー秩序に関する総合的研究」(代表:日本大学文理学部・小浜正子)
☆プレ企画:12:00~13:50
<来自陰道>[制作:同志亦凡人(Queer Comrades)]
鑑賞・ディスカッション
☆ワークショップ:14:00~17:00 
・報告1:大濱慶子(神戸学院大学教授)
「1995年以降中国女性学創設のムーブメントとそのメカニズム:NGOから学科建設へ」
・報告2:遠山日出也(立命館大学客員研究員)
「中国の行動派フェミニストと社会的マイノリティ」
・討論

 中国のフェミニストたちは、今、とても元気です。とてもエネルギッシュに研究や運動を展開し、わくわくする活動ぶりです。このワークショップでは、その最前線の動きを紹介しました。活発な議論が展開され、とてもエキサイティングなワークショップになりました。秋には、ここで紹介された中国のフェミニスト研究者を招いて、国際シンポジウムを開催する予定です。