奈良女子大学で、先ごろ出版した私の編者の一人である『歴史を読み替える-ジェンダーから見た世界史』の書評シンポジウムを開催した。
たいへん内容の濃い議論が展開されたシンポジウムとなった。
評者の井田久美子さんはフェミニストの視点からこの本が西洋近代の性別二元論の成立過程を明らかにしたことの意味を、高嶋航さんはアジア史の歴史認識(現在問題となっている歴史認識問題はアジアのことだ)の上でのジェンダー視点の重要性を、小川幸司さんは高校歴史教育の上でのジェンダー主流化の必要を、それぞれ明快かつ情熱的に語って下さった。
コメントも、フロアからの発言も、それぞれの実践を踏まえた大変興味深いもので、この本を手がかりに歴史研究・歴史教育におけるジェンダー主流化の必要と意味が共有されたと思う。
ところで、「ジェンダー主流化」とは何のことだろう? さまざまな場面で(この場合は歴史を見る際に)ジェンダー視点を(当然のこととして)備えていることだ。最後にそれを確認した、充実したシンポだった。
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