つれづれなるまま(小浜正子ブログ)

カリフォルニアから東京に戻り、「カリフォルニアへたれ日記」を改称しました。

山中さんのノーベル賞受賞によせて―ちょっと母校自慢

2013-01-05 13:21:26 | 日記
正月休みに書類を整理していたら、「山中伸弥さんにノーベル賞」の記事が出てきた。で、昨年の話題になってしまったが、やはりこのことに触れておこう。
山中さんはとは直接の面識はないが、間接的にはかなり近しい人だ。というのは、彼は中学・高校の4年後輩で、同じ学校で3年下だった弟とは柔道部で一緒に投げたり投げられたりしていた仲だったので、我が家では昔から「山中君」だった。
そういうこともあって早くから山中さんの仕事には注目していた。彼を立派だな、と思うのはiPS細胞の社会的意義(医療の進歩への可能性)をわかりやすい言葉で発信し続けてきたことだ。いってみれば研究に哲学があり、それを開示し説明している。そうして多くの同伴者を獲得し、その人たちを高い目標でまとめている。さらには研究の進歩にともなって必要となる社会的なルール作りが遅れ気味な点についても、それを進めるべく行動している。
私には、このような専門バカではない広い視野と高い志をもって研究に取り組み、それを広く共有しようとする山中さんの姿勢には、母校での教育が大きく与っていると思える。
私たちの母校では、勉強・クラブ・自治会活動の全てに取り組むことが当然で、また遠泳・富士登山・学園祭・音楽祭・百キロ徒歩などなどのさまざまな学校行事・自治会活動に皆で取り組む中で幅広い経験を積んできた。何か特異な得意なものがある「変わった」人は尊敬された。山中さんには、若い時期にそのような時間を共有してきた人への共感がある。(同期の間では数年前から「ストックホルムで山中を胴上げする会」ができているとか。たぶんホントに何人も授賞式を見に行っただろう)
最近の同窓の著名人にはもう一人、福島第一原発の吉田前所長がおられる。こちらは3年先輩にあたる。原発事故の際、彼が上からの命に背いて海水注入を継続したことが事故のさらなる拡大を防いだのはすでに周知だが、専門的知見と良心に基づいて自分で判断する吉田前所長の行動にも、母校で培われた自主的な精神を感じる。(病気で退任されたが、ご回復を祈る)
もちろんそのような開かれた心と広い視野に基づく責任感を育む教育は私たちの母校の専売特許ではなく、多くの場所で実践されていると思う。ただ私にとっては、山中さんたちの活躍は、母校で培ったそのような志を確認し、自分も頑張ろう、と思わせてくれるものだ。まだまだ困難の多いだろう新しい年の念頭に、誇るべき後輩と先輩について記して、自分への激励としたい。
私たちの母校は、大阪教育大学附属天王寺中学・同附属高校天王寺校舎という。

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