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水の丘交通公園

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東京都交通局 8500形電車

2009-03-16 21:54:38 | 電車図鑑・路面電車
老朽化した在来車両の置き換えと荒川線のイメージアップのために登場した車両である。
平成2年に8501号、平成4年と5年に8502~8505号が製造され、計5両が導入された。
都電用の新車としては昭和37年登場の7500形電車以来28年ぶりのものである。

車体は鋼鉄製で、窓をこれまでのものよりも大きくし、軽快なデザインとしている。
塗装はホワイトに窓枠が黒、車体下部にグリーンの帯が入るシンプルなものである。
8501号と8502号以降で車体のデザインが異なる。
主な変更箇所は正面と側面のスカートの形状及び塗装、ヘッドライトとテール
ランプの設置位置、運転席右側面窓の開放化(8501は固定窓)、ステンレス製の
イチョウマークの取り付けなどである。

ドアは前中式で、前ドアは縦長の窓ガラスが2枚並んだ片引き戸、中ドアは
同じデザインの両引き戸である。
中ドアには安全確認用の監視カメラが設置されている。
行き先表示は正面が字幕式、側面がLED式である。
車内案内装置はマップ式とLEDスクロール式のものを中ドア上に設置しているほか、
運転席裏上部にも設置されている。
なお、マップ式のものは、現在は撤去されている。

座席配置は2種類あり、8501と8502が在来車と同じ半分がロングシートで
優先座席がクロスシート、8503~8505がオールクロスシートである。
中ドア付近に折りたたみ式のクロスシートを2つ設置しているが、
滅多に使用されることは無く、8501号については撤去している。

主制御装置はGTO式VVVFインバータ制御で、ブレーキは回生・発電併用電気指令
ブレーキである。
運転台は8501号が登場時、1軸両手操作式ワンハンドルマスコンを採用していたが、
併用軌道での取り回しに難があり、8502号以降は通常型の2ハンドルとなっている。
8501号も「さよならワンハンドル」号の運行後、平成4年度中に2ハンドルに
改修されている。
台車は空気バネ台車で、軸箱周りを弾性ゴムで囲い、乗り心地の向上を図っている。
駆動方式はWNカルダン駆動で、都電の電車としては5500形PCC車と6500形(※)電車
以来、3例目の採用である。
集電装置はZパンタで、8501号のみ、後にシングルアーム化されている。

当初は本形式で7000形、及び7500形の全車を置き換える予定であったが、
交通局の財政難で5両で打ち切られ、廃車となったのは7000形の非冷房車のみで
あった。
以降、荒川線への新車の投入はなかったが、平成19年にレトロ調電車9000形が、
平成21年より8800形が投入され、主に7500形を置き換えを進めていく予定である。


8501号車。導入時はワンハンドルマスコンを採用していた。
平成21年3月現在は「とでんギャラリー」号のヘッドマークを付けて運転されている。

8502号車。8503号車と共に登場した。車体のデザインが変更された。
8503号車はオールクロスシートだが、こちらは8501号車に準じたロングシート
主体の車内となっている。

8505号車。8504号車と共に登場。8503号車に準じたクロスシート車である。

(※)・・・都電6500形
昭和29年に登場した電車である。当初は6000形のラストナンバー6291号と
なる予定であったが、機器や車体があまりに異なるため、別形式となった。
車体は6000形をベースにしながら、正面を2枚窓とし、窓枠やドアなどが
金属製になっている。
当初の計画では付随車を牽引する連結車として登場するはずであったが、
信号や道路事情の問題から中止になった。
また、車体の製造が遅れたため、車体だけ先に出来上がっていた5500形5502号車に
機器を譲って、更に登場が遅れるというハプニングもあった。
先述のとおり、機器が特殊であったため、他の特殊車と三田車庫に所属し、
1系統(上野駅~銀座~品川駅)をメインに使われた。
昭和42年の三田車庫と共に廃車されている。


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