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東京急行電鉄 7600系電車

2010-03-20 22:48:31 | 電車図鑑・私鉄電車(関東)
大井町線から目蒲線(現在の目黒線目黒~多摩川間と多摩川線多摩川~蒲田間を結んでいた
路線。東京メトロ南北線・都営三田線との直通運転を控えた系統分離に伴い現在の
様になった)・池上線への移籍を進めていた7200系のうち、余った中間電動車や
モーターの無い先頭車両を有効活用するために登場した車両である。
昭和61年に2両×3編成=6両が改造されたのを皮切りに、平成元年2両、平成6年に1両が
それぞれ追加で改造されて最終的に3両編成×3本=9両となった。

車体は7200系のものを流用したステンレス車体で「ダイヤモンドカット」と呼ばれる
独自の正面形状もそのままである。
また、改造当初は帯もなく、ステンレス無塗装のままであった。

車内はオリジナルのままのロングシートで、この時点では冷房が設置された以外、
大きな改造や改装を受けていない。

一方で足回りは大きく改造を受け、主制御装置に当時最新のVVVFインバータ制御を
採用した。
ブレーキは回生ブレーキ併用電磁直通ブレーキで、この時点で運転台の改造も
実施しておらず、ブレーキ方式が同じ7200系との連結も可能であった。
台車は軸バネの無いパイオニア形と呼ばれる台車から、ペデスタル式ダイレクトマウント
空気バネ台車に交換している。

当初の構成形式はデハ7600形(空気圧縮機・補助電源装置搭載)とデハ7650形(パンタグラフ・
制御装置搭載)で2両ユニットを組んでいた。
配置は長津田と奥沢で長津田では第1・2編成が未改造のクハ7500形を組み込んで6連で
大井町線にて、奥沢では第3編成が同じくデハ7200形を組み込んで3連で目蒲線にて
それぞれ運用された。

その後、昭和63年に大井町線に8090系が移籍してくると第1・2編成で目蒲線・池上線への
転属が実施された。
この際、第1・2編成は編成を分割され、制御装置の改修とデハ7650形の電装解除と
クハ7600形への形式変更、6連時代に連結していたクハ7500形の電動車化を
実施し、デハ7650形60番台とする改造を実施している。
これは電動車の位置を蒲田側に揃えるためである。
編入のデハ7650形が60番台となったのは最初に改造されたデハ7650形とは異なり、
パンタグラフを搭載しない為である。
この頃、各編成先頭部分に太い赤帯を巻いている。

デハ7200形を連結していた第3編成については、しばらくそのまま運用されたが、
平成2年になり組み換えを実施した。
この改造はデハ7600形→クハ7600形と制御装置の改修までは同じ内容で改造されたが、
デハ7200形は別の編成に転用、変わりにクハ7500形7500号のアルミ試作車の
事業車化(デヤ7290形)に伴い、機器を供出した中間車のデハ7400形7402号を
本形式と同等品の機器に改造して組み込んだ。
車番は7673号に変更されたが、この時点ではデハ7400形の7673号で形式変更までは
行われていない。
なお、デハ7653号車とデハ7673号車はパンタグラフの位置が隣接するため、デハ7653号車の
連結側のパンタグラフが外された。
同時期にクハ7600形の台車もパイオニア台車から電動車と同じタイプのものに変更された。

平成6年に池上線のワンマン化のため、対応改造と車体更新を実施した。
主な内容は「歌舞伎」塗装化、運転台のワンハンドルマスコン化、ブレーキの回生ブレーキ
併用電気指令式ブレーキ化、自動放送装置設置、TASC、情報伝送装置設置、
車外スピーカー設置、デハ7661・7662号の運転室撤去と客室化(座席設置と
車椅子スペース)、内装張り替え、行き先表示のLED化と未設置だった側面行き先表示の
設置、座席の区画化とスタンションポール設置、デハ7400形7673号車の7600系化など
である。
平成8年にはワンマン化の本設改造が実施され、ホーム監視モニターの設置や
ドアスイッチの改造などが行われている。

上記の改造で3両編成3本=9両が全て7600系となると共に機器の変更によって
7200系との連結ができなくなった(但し、読み替え装置を持つ事業用のデヤ7200形
・デヤ7290形を除く)。
運転室が撤去されたデハ7661号・7662号は外観上は、先頭車の面影を残しているが
完全に中間車となったため、新形式のデハ7670形に編入され、外観の差から
デハ7681・7682に変更された。

これ以降は7600系の増備はなく池上線で運用され、平成12年からは目蒲線の分割に
伴い、多摩川線でも1000系や7700系と共に運用されるようになった。
平成19年に新7000系がデビューし、本形式を含めた多摩川線・池上線電車の置き換えが
開始された。
当初は1000系を中心に廃車が進められたが、平成22年になり7603編成が運用を離脱し、
廃車となった。
今後、7000系の増備に合わせて引退していくと思われる。


○クハ7603+デハ7673+デハ7653。正月早々に引退し、長津田に送られている。
 晩期はパンタグラフがシングルアームパンタに交換されていた。


○デハ7682号車。見た目は先頭車のままだが完全に中間車である。
 ヘッドライトが撤去されているのがわかる。


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