水の丘交通公園

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東武鉄道 9000系電車/9050系電車

2011-10-03 21:51:28 | 電車図鑑・私鉄電車(関東)
東武東上線の営団(→東京メトロ)有楽町線との直通運転開始に伴い登場した
車両である。
9000系は昭和56年~平成3年にかけて10両編成×8本=80両、9050系は平成6年に10両編成
×2本=20両の合わせて10両編成×10本=100両が製造された。
製造を担当したメーカーは東急車輛、アルナ工機(→アルナ車両)、富士重工である。
編成の組み方は東上線池袋・有楽町線・副都心線方面側から以下の通り。

・9000系:クハ9100形+モハ9200形+モハ9300形+サハ9400形+モハ9500形+※
※+モハ9600形+サハ9700形+モハ9800形+モハ9900形+クハ9000形

・9050系:クハ9150形+モハ9250形+モハ9350形+サハ9450形+モハ9550形+※
※+モハ9650形+サハ9750形+モハ9850形+モハ9950形+クハ9050形

東武鉄道で初めての10両固定編成となった。
集電装置と主制御装置は9000系がモハ9200形、モハ9500形、モハ9800形、9050系が
モハ9250形、モハ9550形、モハ9850形に搭載されている。
エアコンプレッサーは9000系がモハ9300形、モハ9600形、モハ9900形、9050系が
モハ9350形、モハ9650形、モハ9950形で9000系9101~9107編成はモハ9600形に2基
搭載した。
補助電源装置はエアコンプレッサーと同じ車両に搭載しているが、9000系9101~
9107編成はモハ9600形への搭載がなくコアレスブラシ式のMG(電動発電機)、
9108編成は素子をGTO方式の静止型インバータ、9050系はIGBT式の静止型インバータを
それぞれ搭載している。

車体はオールステンレス製で東武鉄道で初めての採用となり、8000系以来18年ぶりの
新形式となった。
当時最新技術の軽量構造のものとなっているが、当時はメーカーの東急車輛が
ステンレスカーの製造特許を独占していたためと他の2社は初めてのステンレスカーで
あった関係で工作のしやすさを優先し、同時期に製造された東急8090系と比べると
コルゲートの多い、やや古いスタイルとなっている。
正面はFRP製の飾り枠を設け、縦に「く」の字に折れた2つ折となっており、貫通扉を
左側に寄せている。
帯色はマルーンで、以後登場した東武鉄道のステンレスカーでも標準採用されている。
行き先表示と種別表示は字幕式で正面と側面にあり、正面のものは種別と行き先が
別個となっている。
また、試作車である9101編成は車端部、9102編成以降は車体側面中央部と設置されて
いる位置も異なる。
9050系の行き先表示は設置位置は9000系9102編成以降と同じだが、当初よりLED式
(但し3色式)となった。

車内はオールロングシートで試作車の9101編成は8000系ベースの定員割としたのに
対し、9102編成以降と9050系はドアの位置や座席の一人当たりの占有幅の見直し、
営団7000系と揃えられた関係で変更されている。
車椅子スペースは9050系から設置され、9250形と9950形にある。
ドアは片側4箇所、全て両引き戸で9101編成と9102編成以降で位置が異なる。
ドアの開閉チャイムや旅客案内装置は9000系では採用されなかったが、
9050系ではドアチャイムの他、通勤形電車としては日本で初めて液晶モニター式の
旅客案内装置を採用した。
この案内装置は車掌をモチーフにしたキャラクターによるアニメーションも
流れるなど好評であったが、バックライトの劣化により表示が見づらくなったことから
平成11年に撤去され、以降は広告枠となった。

主制御装置は9000系がAFE(自動界磁励磁)チョッパ制御、9050系がGTO式のVVVF
インバータ制御方式である。
ブレーキは9000系、9050系とも回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキである。
台車は9000系、9050系とも軸バネ方式をSUミンデン式とし、9000系はダイレクト
マウント式空気バネ台車、9050系はボルスタレス台車となっている。
モーターの駆動方式は中空軸平行カルダン駆動方式である。
運転台は他の車両と同じツーハンドル方式とされた。
この他に9050系では100系「スペーシア」や日比谷線直通用の20050系と
同じ自動放送装置を搭載している。

昭和62年に計画されていた営団地下鉄有楽町線への直通を控え、乗務員の教習や
直通開始時にスムーズな運転が出来るように試作車である9101編成が昭和56年に
登場した。
登場後、東上線での各種試運転の後、同年年末より営業運転を開始している。
9101編成は東急車輛、アルナ工機、富士重工の3社合作で車体の作りなどに若干の
差が見られる。
昭和62年の営団有楽町線和光市乗り入れにより相互直通運転が開始され、それに合わせ、
9102編成~9107編成が登場し、平成3年の有楽町線新木場延長に合わせて車体を10030系
と同等とした9108編成が投入されている。
平成6年には現在の東京メトロ副都心線に当たる有楽町新線小竹向原~新線池袋間の
開業に合わせて9050系が登場し、全編成が出揃った。

平成9年に9101編成のチョッパ制御器を9102編成以降と同じものに更新する改造が
行われた。
以降は平成15年ごろに7人席にスタンションポールを追加した程度で大きな改造は
なかったが、平成18年~平成20年にかけて東京メトロ副都心線開業に伴い、
9000系9102編成~9108編成と9050系を対象に同線対応の改造とリニューアルが
施された。
主な内容は運転台のワンハンドル化、ATO対応ワンマン運転用機器及びホームドア
対応機器の設置、タッチパネル式車両モニタ装置の設置、乗務員室仕切り戸への
電気錠設置、ワン・ツーマン切替え装置設置、ワイパーの電動化、日除けの変更、
座席の張り替え及びバケット化、座席肘掛の大型仕切り板化、車内貫通路扉交換
及びドアクローザー設置、車椅子スペース設置(9000系のみ。9050系は既設)、
対話型非常通報装置設置(9000系のみ。9050系は既設)、内装張り替え、
客用ドア交換、ドアチャイム設置(9050系は既設。但し、開放中もサイン音が鳴動する
タイプへ変更)、LEDスクロール式旅客案内装置設置(千鳥配置)、自動放送装置設置
(9050系は更新。50000系と同じもの)、ドア手すり・床面の黄色塗装化、ヘッドライトの
HID化、行き先・種別表示のフルカラーLED化、正面下部へのスカート設置などである。
9101編成についてはドアの位置が異なるため、これらの改造は見送られ、しばらくは
有楽町線専用直通車を示す「Y」マークを正面向かって左側の窓に掲示していたが、
小竹向原駅にホームドアが設置されて以降は原則的に乗り入れておらず、東京メトロ
有楽町線地下鉄成増~氷川台間のホームドア設置工事が開始された平成21年の
年末には「Y」マークも外され、正式に東上線専用となっている。
それ以外の9000系、9050系は有楽町線、副都心線直通列車を中心に運行されている。


○有楽町線直通運用に就いていた頃の9101編成。
 下の9105編成と比べるとクーラーの形状や側面の行き先表示器の位置、
 車体の裾周りの処理の仕方などが異なる。


○副都心線との直通運転開始に伴い有楽町線直通車を示す「Y」マークを
 掲示していた頃。


○9101編成の現在の姿。「Y」マークは外されたが、地下鉄への直通は無くなった。


○9101編成車内。副都心線対応改造前の他の編成は床が茶色くなったのと
 天井にラインデリアが設置された以外、ほぼ同じ(9050系は白系の化粧板に
 ブラウン系のモケットの座席であった)。


○副都心線直通対応前の9105編成。字幕時代の有楽町線直通列車の行き先表示は
 黄色地に青文字だった。


○副都心線直通対応後の9103編成。正面にスカートが付いたのと行き先が
 フルカラーLED式になったのが目立つ。


○クハ9103号拡大。


○第8編成。見づらくて申し訳ないが、側面のコルゲートがビードプレスとなった。


○副都心線直通改造後の9108編成。


○副都心線直通対応前の9050系。当初から行き先表示がLED式であった。


○副都心線直通改造後の9152編成。地下鉄直通車でも一部はこのように東上線の
 地上運用に入る事もある。


○9000系。副都心線直通改造後の車内。50070系を意識した車内となった。






○9000系側面見付けやクーラー配置の違い。上からクハ9101、モハ9803、
 モハ9808、モハ9852。


○思い出の一コマ。池袋駅に停車する副都心線直通対応前の9102編成。
 森林公園のプールの宣伝車になっていた。


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