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水の丘交通公園

鉄道メインの乗り物図鑑です。
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名古屋鉄道 デキ370形電気機関車

2008-09-20 09:40:14 | 電車図鑑・私鉄電車(中部)
名鉄の前身の一つである愛知電気鉄道が大正14年に導入した電気機関車である。

車体長約10mの凸型車体を有しており、このスタイルの機関車は
全国の地方私鉄などで、よく目にすることが出来た(同型に秩父鉄道デキ1形など)。
車体の塗装は黒である(イエローゼブラは入れ換え機になってから入った)。

最初の2両(デキ371・372)は、車体と台車をアメリカ・ボールドウィン、
機器類を同じくウェスティング・ハウスで製造された
輸入機関車である。
昭和3年に追加で増備されたデキ373~379は、機器類のみ輸入して
車体や台車は日本車輛で、最初の2機のものをコピーしたものを製造している。
基本的に1500V区間専用であるが、最初の2機は複電圧対応で600V区間への入線が
可能であり、瀬戸線、西尾線、渥美線(渥美線は現在の豊橋鉄道線。
現在はいずれの線も1500V化済)などに入線したことがある。

登場以来、沿線の貨物輸送に従事していたが、昭和40年代以降、貨物の取扱量が
大幅に減って、廃車が進められた。
昭和53年に瀬戸線の架線電圧1500V化でデキ376が転属し、喜多山車庫で
入換車になったほか、平成8年に工事列車用にデキ379が転属してきている。
本線系統ではデキ378が長く配属されていた新川工場から
平成9年に完成した舞木工場に転属になっている。

瀬戸線用のデキ379号は車体更新を実施し、車体塗装のブルー化、窓周り、
運転台の改修を行った。
他の2両は改修を行わず、名鉄最後の黒色機関車となった。

平成19年に喜多山車庫が尾張旭に移転し、閉鎖されたため、廃車となった。
舞木工場のものも老朽化が進行したため、同年廃車されている。

名古屋鉄道 3500系/3700系/3100系電車

2008-09-19 22:37:44 | 電車図鑑・私鉄電車(中部)
輸送力増強と、旧型車両の置き換えのため、平成5年に登場した車両である。
今回は、車体以外、ほぼ同一性能を有する平成9年登場の3700系電車、
同じく増結用の3100系についても紹介する。

3500系は平成5年から平成8年にかけて製造されたもので、4両固定編成の
3ドア車である。
全部で34本が投入された。
車体は鋼鉄製で名鉄標準のスカーレット一色塗りである(3700系・3100系も同じ)。
登場時はドアの上半分がグレーに塗られていた(3ドア車を示すため)。

名鉄で初めて運転台に1つのハンドルで加速とブレーキを操作できる
T字型ワンハンドルマスコンを採用した。
ブレーキには電気指令式を採用したため、電磁直通式空気ブレーキを
使用している在来車との併結は不可能である。
車体形状は6000系列の最終増備グループをベースとしており、
外見上の区別を付けやすくするため、「ECB(Electric Command Brake)」と
書かれたプレートを正面から見て右側(運転席のある方)のライトの上に
設置している。
また、正面下部にはスカートを設置したほか、車番を正面上部に表記している。
主制御装置はGTO素子のVVVFインバータ制御方式を採用している。
モーターに、高速運転に強いものを採用したため、通勤車ながら優等列車で
120km/h走行が可能となっている。
この足回りの構造は新鋭の2000系「ミュースカイ」等にも、改良されながら、
引き継がれている。

車内はオールロングシートで、乗客の集中しやすいドア付近の座席を1人分ずつ削って
乗り降りがスムーズに行くように工夫されている。
平成8年製造分からは、運転席背後の座席を廃止し、車椅子スペースとしたほか、
座席数が少ないとの指摘を受けたため、折りたたみ式の座席をドア付近に設置している。
車端部には名鉄の通勤用電車としては初めて、号車番号表示機とLEDスクロール式の
旅客案内装置を設置した。
これは1200系「パノラマSuper」一般車に使用しているものと同等のもので、
号車番号表示は分割・併合する列車の行き先確認や、列車よりもホームの短い駅での
降車位置確認などに便利な機能で、旅客案内装置には現在の速度が電車が走っている
イラストと共に表示される機能がある。
本形式の最終増備車の投入で、最後まで残っていた非冷房車のモ800形が引退し、
名鉄本線系の冷房化率100%を実現した。

平成9年から、3700系と3100系が投入された。

3700系は3500系の車体構造を変えたもので、同系と同じ4連を組む。
全部で5本しかない。
3500系が丸い卵型断面の車体であるのに対し、本形式では角ばった
断面のものになっている。
そのため、空調装置などに変更が見られる。
客席では折畳み席を廃止して、その部分まで座席を延長している。
また、パンタグラフが通常型からシングルアーム式のものに変更されている。
最終増備(平成10年製)の第3編成~5編成は、当初より、ローマ字入り字幕を採用し、
その分、行き先表示窓を大型化している(それ以前のものは平成17年までに交換)。
余談だが、本形式は車体がフラットで、編成も4連と名鉄では
長い部類に入るものなので、よくラッピング電車に使われる。

3100系は、3700系と同じ車体を持つ車両で、2両編成のものである。
全部で23編成が製造された。
主制御装置の素子がIGBTなり、加速時の騒音の低減を図っている。
本形式の登場は、「EBC」マーク車の運用範囲拡大や優等列車進出に
大いに貢献した。
平成12年製造の最終増備分(3120~23編成)では、平成11年登場の1600系特急用電車の
設計を一部に取り入れ、運転台モニターの設置とマスコンを逆L字型右手操作式に変更、
発車予告ブザーの採用、車外スピーカーの設置、連結部転落防止幌の設置、
客用窓のロールカーテンのフリーストップ化、多くの点で変更がなされた。
また、後に、このグループだけ、ヘッドライトをHIDに交換している。

本形式以降、名鉄の新車はステンレス製車体のものが主流となったため、
パノラマカー登場以来、長く名鉄のトレードマークでもあった「赤い電車」は
本形式が最後になった。
また、名鉄にとって、20世紀最後の新車でもある。

平成20年現在、優等列車の主力車種の一つとして、各線で使用されている。
特に3100系は2連という編成の身軽さから、2200系特急車と組んで、
特急の一般席車として運行される機会が増えている。


3100系+3700系の編成で運行される名古屋本線の快速急行豊橋行き。
右ライト上の平行四辺形上のプレートが「ECB」マーク。

名古屋鉄道 モ600形電車

2008-07-24 15:07:42 | 電車図鑑・私鉄電車(中部)
美濃町線の新岐阜駅(→名鉄岐阜)乗り入れのため、昭和45年に6両が製造された
車両である。

新岐阜駅は田神線と各務原線を介して乗り入れるため、架線電圧直流1500V区間と
在来区間の600V区間の両方で走行可能な複電圧車である。
名鉄では既に岐阜市内線-揖斐・谷汲線で路面電車タイプの車両を鉄道線に乗り入れさせる
直通運用を行っていたが、本形式の例を含めても世界に数例の珍しいものであった
(逆に普通の鉄道用の電車が路面区間を走る例は、福井鉄道などいくつかあった)。

車体は鋼鉄製で幅が狭く、正面も大きく絞られた独自の形態をしており、
「馬面電車」と呼ばれた。
正面は貫通型であるが、運転台機器が、この部分に配置されていたため、
このドアを使用することはなかった。
ドアは前後2箇所に2枚引き戸があり、ドア開閉時には連動してステップが出てくる。
車内は1-2配置のオール転換クロスシートで、車内中央部で左右対称になる。
窓は一段上昇式である。
屋根上にある箱は空調機器ではなく、複電圧用機器の搭載で床下に配置できなかった、
抵抗器である。
性能面では間接非自動制御(HL制御)の2個モーター釣り掛け駆動である。
台車やモーターなどは揖斐線・谷汲線で使用していたモ180形電車(昭和4年製。
元琴平急行電鉄の車両で戦時不要路線として廃線になった後、名鉄に来た。
形状的には熊本電鉄モハ71に近い)など、旧型車のものを流用している。
軌道線の車両ながら2両連結で運行することも可能であった。

投入時は急行運用もあった為、名鉄標準色のスカーレットに白帯を巻いた姿で
デビューした。
また、2両連結で走ることもあったが、乗客が減り、急行運転がなくなった頃には
ほとんど見られなくなり、塗装もスカーレット一色になった。
後継の880形電車登場後も美濃町線直通車の主力の一端を担ったが、平成12年に
部分低床車の800形電車の登場で601~605の5両が廃車になった。
唯1両残った606号はワンマン化を実施し、他の電車に混じって運用され、
平成17年の美濃町線廃止とともに引退した。

引退後は、601号が旧美濃駅で展示されているのをはじめ、数両が岐阜県内の
レストランやキャンプ場に引き取られた。

名古屋鉄道 6750系電車

2008-02-15 23:02:55 | 電車図鑑・私鉄電車(中部)
廃車になった旧型電車の機器を流用して昭和61年と平成2年の
2回に分けて登場した、瀬戸線用の車両である。

足回りは、本線系統で廃車になった戦前~戦後にかけて登場した
5000系列以前の車両のものであり、モーターの駆動方式は釣り掛け式である。
カルダン駆動の高性能車両には負けるものの、カーブが多く速度の遅い
瀬戸線の車両としては十分な性能を有しており、当時の瀬戸線の主力だった
3730系(大正末期~昭和ヒトケタ世代の車両の機器を流用)などに比べると、
パワーや運転上の扱いの面で十分に優れていた。
なお、ブレーキは空気自動ブレーキである。

2回に分けて、登場しているが、それぞれが、その当時増備されていた
6000系列の車体を基本にしており、4年のブランクが空いたというのもあって、
まるで別形式のように外観に大きな差がある。

昭和61年登場分の車体は瀬戸線用6600系電車を基本にしながら、
標識灯の形状を変更したり、正面にスカートが設置されていないなど、
細かい点が異なる。
窓は2段窓で冷房は集約分散型が2基搭載されている。
車内はロングシートである。ドアは両開き3ドアで、より通勤輸送に適した
構造となった(先述の3770系は両開き2ドア)。
編成は2連固定で、2本登場したが、現在は、これを1本につないで
事実上4連で使用されている。
そのため、中間に入る運転台には列車無線などの保安装置がなく、
工場内などの入れ換え作業で使用される。
台車は機器を提供した電車の台車をそのまま流用しているが、
モーターやギアなどについては瀬戸線向けに改修されている。

平成2年登場分の車体(上の写真)は、逆に新設計のもので本線系6000系列の
最終増備車や3500系電車などのベースとなった、
軽快なデザインのものである。
ただし、これらが非貫通正面なのに対し、こちらは、東大手~栄町間で
地下区間を通過するため、安全基準に則り、貫通型である。
ヘッドライトと標識灯は角型2連を窓下に配し、窓下にシルバーの飾り帯が入る。
方向幕は正面のほか、側面にも設置されている。
これは瀬戸線所属の車両で唯一のものである。
窓は1段下降式で、車内は同じくロングシートである。
冷房は先述の昭和61年登場の車両で能力が不足していたことから、1基増えて
各車3基設置となった。
当初より4両固定編成であるが、栄町側から2両目の中間車の
尾張瀬戸側連結部分には、カーブにかかった駅が多い瀬戸線での
安全監視と無人駅での集札を兼ねて車掌室が設置されている。
また、この部分には喜多山工場のスペースに合わせて
2両ずつに分けられるように簡易運転台も設置されている。
台車は、元となった旧型車の台車の中でも、後年に交換された
比較的新しい台車を使用しており、カルダン駆動や電磁直通空気ブレーキへの
改修も可能な構造となっている。

しかし、平成20年以降、新型車の登場で改造されずに廃車となる可能性が
高くなっている。
特に昭和61年登場のものは、同時期に本線用に登場し、ほぼ同じ仕様の
3300系電車が一足先に全車引退しており、その公算が極めて高い。
平成20年代2月の時点で、大手私鉄の1067mm軌間以上の鉄道線で運行される
最後の釣り掛け駆動車(ナローゲージと呼ばれる762mm軌間であれば、
近鉄の内部・八王子線がある)となっており、その去就が注目されている。


昭和61年登場分。区別のため「6650系」と呼ばれることある。

名古屋鉄道 5500系電車

2008-01-08 14:07:39 | 電車図鑑・私鉄電車(中部)
名鉄が昭和34年に開発した汎用型電車である。
特別料金不要の電車としては日本で初めて製造当初より、冷房を搭載した車両である。
厳密には南海電気鉄道で昭和14年に登場した2000形電車で採用されたものが
最初であるが、あくまで試験的なものに過ぎず、あまつ戦争で使用停止に
停止になってしまったため、本格的に採用したものとしては
本形式が最初である。

昭和32年に登場した5200系電車(※)がベースになっており、
正面は貫通式で窓にはパノラミックウィンドウを採用、
客用窓は戸袋を除いて2連ユニット式の2段窓となっている。
この窓は冷房使用時に遠隔で施錠できるようになっていた。
車内は戸袋部分以外、全て転換クロスシートとなっている。

冷房の搭載に伴い、電動発電機が大型のものになったため、
制御装置のコンパクト化を図った他、走行性能の向上も図られ、
高速域からの発電ブレーキの使用も可能にしている。
これらの技術は昭和36年に登場する7000系パノラマカーへも継承されており、
実質的にパノラマカーの技術的なプロトタイプとも言え、
機器の互換性もあった。
実際に、パノラマカーが事故で破損したり、車体更新で先頭車が工場入りした際には、
代わりに連結されて運行されたこともあった。

台車は名鉄の鉄道線車両としては最後のコイルバネ台車ではあったが、
乗り心地は良かった。

編成は2連と4連があり、支線の鈍行列車から本線の特急列車まで
幅広く運用された。
昭和39年に新川工場の火災により、モ5509号が車体を全焼してしまったため、
車体を新製の上、復帰している。
この時、踏切事故対策で運転台を高運転台に変更しており、独自の顔つきとなった。

昭和55年以降、車体更新が行われ、先頭車貫通扉にあった幌の撤去、
内装の無塗装化、座席の張替え、照明カバーの撤去と蛍光灯半減、
クロスシートの一部撤去とロングシートの延長などの変化が見られた。

この昭和55年には5505編成の中間車に5555号車(5500系の中間車はモ5550形)が
存在したことから、昭和55年5月5日にイベント列車に使用された。

先述の通り、短編成の機動力と冷房付クロスシートの高い接客設備、
パノラマカーとの機器の互換性などから、40年以上に亘って活躍した。
しかし、平成12年に発生した東海豪雨で新川検車場に留置中だった
5505編成が冠水し、廃車になったのを皮切りに、新型車との置き換えが
開始され、平成17年までに全車が引退した。

引退を控えた平成15年からは、最後まで残った2連3本を、登場時のマルーンとクリーム、
昭和40年代の標準色だったクリームに赤帯、同後半で採用されていた
スカーレットに白の細帯の3種類に塗り分け、事実上のさよなら運転を
実施した(運行最終日には特にイベント無し)。

名古屋鉄道 2000系電車「ミュースカイ」

2007-10-04 13:59:56 | 電車図鑑・私鉄電車(中部)
平成17年に中部国際空港へのアクセス特急用電車として登場した車両である。
中部国際空港発着の全車特別車の快速特急、特急に、ほぼ専属で用いられる。

愛称は公募で決められ、名鉄特急の特別車を示す「ミュー」と
空を意味する「スカイ」を合わせて、「ミュースカイ」と命名された。

車体の色は白をベースに空を示すブルーであり、赤主体の名鉄電車の中で
かなり、目立つ存在である。
正面の貫通扉と側面部に中部国際空港の愛称である「Centrair(セントレア)」の
ロゴが入る。
また、中間車の側面部には形式を示す「Series 2000」と書かれた金色の
楕円形エンブレムが付けられている。

扉は両開きで大きな荷物を持って出入がしやすいようになっている。
デッキのドアも同様に開口部を広く取っている。
客室内デッキ寄りには大型荷物置場が設置されている。
座席は回転リクライニングシートで基本的に左右2列ずつの配置であるが、
デッキ側は1列ずつの配置になっており、車椅子への対応も兼ねている。
また、座席下のヒーターを吊り下げ式にしたため、足元の空間が広がり、
従来車よりも居住性が向上している。

客室照明は天井の間接照明と荷棚のLEDスポットライトの2系統とし、
後者は中部国際空港駅が近付くと、ゆっくりと点滅する仕掛けを装備している。
カーテンは、車体傾斜装置を採用している関係で、従来のプリーツカーテンから
フリーストップ式のロールブラインドを採用している。

主制御装置はVVVFインバータ制御を採用している。電動車を減らして、
空転を多発させた1600系電車(3連で1両だけが電動車)の反省から、
3連中2両を電動車とし、そのままでは出力過剰になるため、
中間車の台車のうち、片方の台車をモーター無しにしている。
平成18年に4連化を実施した際にも、同じ仕様の中間車を組み込んでいる。
したがって、形式上は4連中3両が電動車であるが、実際のモーターの数は
2両分しかなく、電動車と付随車の比率は1:1になっている。

台車はヨーダンパー付きのボルスタレス台車を採用している。
この台車には、車体傾斜装置が組み込まれている。
この装置は台車の空気バネの圧力を左右で増減させて、カーブを通過する際、
車体をカーブの内側に傾けて、遠心力を減衰させるもので、
カーブの連続する名鉄常滑線での速度向上に寄与している。

ブレーキは電気指令式で、3500系電車以降の電気指令ブレーキ装備車であれば
連結できる。ただし、その場合は、車体傾斜装置が使えなくなるので、
営業列車では実施しない(回送列車などでは、行われる)。

正面は貫通式で連結時の通行が可能で、かつ迅速な連結が可能な
半自動幌装置を採用している。
この装置の採用を優先したため、名鉄の特急用電車の伝統ともいえる
前面展望はできなくなったが、運転室にCCDカメラを設置し、
各客室デッキ側の通路ドア上にあるモニターから、映像を流している。
このモニターには、停車駅の案内、ニュースなどのほか、
現在、どこを走っているのかという地図まで表示される。

ミュージックホーンは、そのまま引き継がれ、メロディーは同じながら、
トランペット調の少々勇ましいものになっている。

先に軽く触れたとおり、当初は3連で登場したが、空港開港直後、
利用客が多く、常時2本つないだ6連での運行を実施した。
また、この年は愛・地球博の開催などの大型のイベントもあったことから
本来なら2000系を使用する快速特急に「パノラマSuper」を充当して、
どうにか凌いだ。
このため、平成18年に全車4連化を行うことになり、中間車1両を各編成に
挿入したほか、新製車も2本追加されている。
この際に初期車については増備車に仕様を合わせるため、デッキ側の
大型荷物置場を拡大し、一人用座席を一部撤去したほか、
パンタグラフが増備された方の中間車に移設されている。
なお、このとき撤去された座席は一般販売された。

平成17年にグッドデザイン賞を受賞し、それを記念したラッピングが行われた。
翌年には鉄道友の会から、ローレル賞を受賞している。
その他、様々なイベントに合わせて、ラッピングを施している。

運用は中部国際空港発着の全車特別車の特急、もしくは快速特急で使用される。
原則的に豊橋側には乗り入れず、名鉄岐阜、犬山、新鵜沼、新可児方面からの
運転となる。
全車特別車なので乗車券のほか、座席指定券「ミューチケット」が必要である。


3連時代に、2本つないで6連で走っていた頃の姿。

名古屋鉄道 8800系「パノラマDX(デラックス)」

2007-09-08 09:41:05 | 電車図鑑・私鉄電車(中部)
昭和59年に犬山、内海などへの観光輸送を目的として登場した
特急用電車である。

登場時は2連で後に中間車を挟んで3連になった。

それまで、赤一色だった名鉄の電車の中でアイボリーのボディに
赤帯を巻いて車体の下の部分をグレーに塗った大胆な塗装で目を引いた。
展望席をパノラマカーとは逆に、運転台を低くして客席を上にした構造を
日本で初めて採用した。
この構造は後に登場するJRのジョイフルトレインや私鉄のリゾート列車などに
大きな影響を与えた。
展望席の座席は固定クロスシートである。
先頭車の平屋部分の客席はセミコンパートメントになっており、
4人用のボックスタイプと2人用の回転クロスシート(一部はリクライニングシート)と
なっている。
中間車は、やはり、コンパートメントがあり、更にラウンジも設けられていたが、
平成4年に津島線・西尾線特急に転用された際に団体用に残された
1本を除いて跳ね上げ式フットレスト付きの回転リクライニングシートに
改造されている。

これらの設備や外観デザインが評価され、昭和60年度の
鉄道友の会ブルーリボン賞を受賞している。

走行機器はパノラマカーの廃車発生品を利用しており、パノラマカーは
もちろん、旧型車とも連結が可能であった。

登場時は、そのデラックスな車内から「デラックス特急」に充当され、
パノラマカー使用の座席指定席特急より格上の扱いをされていた。
主に新鵜沼~内海間の特急に用いられ、指定席料金は一乗車500円であった。
しかし、平成4年に西尾線~津島線特急に転用されることになり、
この別格扱いは無くなった。

その後は平成12年の東海豪雨により1本を冠水させた以外(後に復旧)は
大過なく、運用に就いていたが、特別仕様の車内が災いし、一般利用客の
評判も芳しくなく、走行機器も先述の通り、パノラマカーと同じということもあって、
最高速度が110km/hまでと性能上の問題も抱えたことから、平成17年に
「ミュースカイ」2000系、2200系電車の大量投入によって廃車となった。
全車が解体されたが、モ8803の先頭部分(展望室周り)は保存された。

名古屋鉄道 7700系電車

2007-09-06 18:17:46 | 電車図鑑・私鉄電車(中部)
昭和48年に、パノラマカーの増結用と車体の大きさの関係でパノラマカーの
入線できない支線区間の列車のサービス向上を兼ねて登場した車両である。

途中駅での分割・併合を考慮して、展望室を廃止した通常型の運転台を
採用しているが、車内や側面の連続窓などは、7000系パノラマカーのものを
そっくり引き継いでいる。
基本的な機器についても、同様である。
当初より、座席指定特急への投入が考慮されていたため、ミュージックホーンも
装備されている。
運転台は踏切事故対策として高運転台を採用し、さらに助手席側の正面窓も
大きさをあわせたため、前面展望は望めないが、機器構成が近く、
車内も凡そ一緒であることから、「セミパノラマカー」と呼ばれる。

当初は4連と2連があったが、平成2年に座席指定特急専用車になった際、
中間車を7000系に渡して、全編成が2連に組み替えられた。
同時にグレードアップ改造も施され、ヘッドレスト付の転換クロスシートと
ソファ調のロングシートを採用し、高級感を持たせたものとなっている。
また、岐阜側の先頭車にはカード式の公衆電話が設置された。
外観では座席指定席車を示す白帯が巻かれた。

平成5年に一部特別車タイプのパノラマSuperが出揃うと、
本線特急の運用からは外れ、犬山線から各支線への特急列車の増結車として
運用されるようになったほか、一部の急行列車や普通列車に使用された。
平成11年にパノラマカーが座席指定特急から外れると共に、順次、白帯を
撤去した他、カード式公衆電話も撤去されている。
なお、座席は特急専用車改造時のままで、通常型の車両より
豪華な仕様のままである。
平成13年にワンマン対応改造を実施して以降は、
三河線での運用が主体となっているが、時折、本線急行などで
名古屋口に顔を見せる時もある。

名古屋鉄道 5700系・5300系電車

2007-08-12 14:11:57 | 電車図鑑・私鉄電車(中部)
老朽化した初期高性能車両の5000系・5200系電車を置き換え、
名古屋本線急行・特急の冷房化を推進するために、昭和61年に登場した。

競合する国鉄東海道本線で117系電車が営業を開始し、分割民営化後は
さらなる攻勢が見込まれたことから、車内設備については、パノラマカーなどを
基本としながらも、より洗練されたものとなった。
5700系は完全な新車であるが、5300系は廃車になった5000系や5200系の
機器流用車である。

車内は連結部を除いて転換クロスシートで、運転席後方のものは、
幅をやや広めにとって2,5人分あり、家族3人で座れるように
なっている。
運転台部分は踏切事故への対策から、高くなっているが、右半分は客室からの
展望に配慮し、窓を大きくとっている。
ドア付近には座席との仕切りをかねて、補助席が設置されている。
ドアは乗降の便を図るため、両開きであるが、片側2箇所となっている。
運転席の客席側ドア上に速度計を設置した他、側面の窓は連続窓となっており、
パノラマカーからの意匠を受け継いでいる。
編成は5700系が6連と4連。5300系が4連と2連である。

性能面では5700系では界磁チョッパ制御を、5300系では界磁添加励磁制御を
採用しており(後者は私鉄電車で初)、いずれも回生ブレーキが可能である。
5700系では電動車が編成あたり半々の比率であるが、5300系は全車電動車である。
そのため、電動車比率の高い5300系の方が若干、起動加速度が高い。
ただし、高速運転中の再加速などについては5700系の方が上である。
また、5700系の4連車は120km/h運転が可能である(他は110km/hまで)。
台車は5700系がダイレクトマウント式の空気バネ台車で
5300系はタネ車の台車をそのまま流用している。
しかし、台車の老朽化が進行し、騒音と振動が激しくなったことから、
一部の編成で新しい空気バネ台車に交換している。

登場時は主に名古屋本線の高速(全車自由席の特急列車)や急行に使用され、
「パノラマSuper」の一般座席車1200系電車が登場するまでは、一部自由席の特急にも使用された。
1200系登場後は、急行や支線でのローカル輸送が徐々に主体になり、
後続の3500系電車の登場などで、一線からは引いた感がある。
ただし、6連固定編成のものは、パノラマカーなどと同じく、本線の急行などでも
運行されているほか、早朝の全車自由席の一宮発中部国際空港行き特急列車でも
運行される。
5300系については、機器の老朽化が進んだことから、平成21年度までに、
全車引退する予定である。

名古屋鉄道1000系・1200系・1800系 「パノラマSuper」

2007-08-02 22:33:09 | 電車図鑑・私鉄電車(中部)
昭和63年に特急のネットワークの充実と増発のために登場した車両である。

当初は特別車のみの4連で登場した。8800系電車「パノラマDX」の流れを汲んで
展望室を運転席の上に設けている。
デザインは曲面を主体とした、優美なものとなっている。
車内は展望室以外が、回転リクライニングシートで、デッキ側の2列は
車椅子対応で1列席になっている。
展望席は運転台向きに固定されたリクライニングシートで、背もたれを低目にとり、
ヘッドレストを回転させるものになっている。
また、客席は後方に向けて少しずつ高くなっている。

7000系パノラマカー以来のミュージックホーンも取り付けている。

平成3年から、1000系と他の形式の一般車を併結して運転されていた、一部特別車の
特急の輸送力の効率化を図るためと、スピードアップのために
一般座席車の1200系が登場した。
走行機器は座席指定車と同じだが、ドアは3ドアの両開き、車内は運転室後方の
座席を除いて、オール転換クロスシートになっている。
ドア付近には折りたたみ式の補助席がある。
この車両の登場で1000系の一部は4連を半分の2連にして、展望車を豊橋側に統一して
方向転換させた上で、1200系と連結している。
編成を分割した絡みで、トイレと乗務員室の位置の違いから、
トイレが特別車側にあるものをA編成、一般車側にあるものをB編成としている。

同じく昭和63年に増結用で2両編成の1800系がデビューしている。
基本的な構造は1200系と同じだが、「パノラマSuper」のヘッドサインがなく、
ミュージックホーンが無い。

機構面では、界磁チョッパ制御(1800系は界磁添加励磁制御)を採用し、
ブレーキを改良して120km/h運転を可能としている。

一部の車両は、7500系の機器を流用したものがある。
1000系と1200系に準ずるものは30番台、1800系に準ずるのは50番台を名乗る。
編成はB編成と同等で、特別車の台車が異なる。

電気指令ブレーキ装備の3500系よりも前の形式であれば、大概の車両と
併結できるが、現在は定期列車でそれを行うことは無い。
警笛は1000系と1200系が、タイフォン、電気フォン、ミュージックホーンの
3種類で1800系は、ミュージックホーンを装備していない。

事故で特別車2両が廃車となり、一般車は改造の上、別形式になっている。

平成18年9月末に特急列車を全て一部特別車のものに置き換え、全車特別車の
特急を「ミュースカイ」以外、廃止する計画が発表され、
1000系の特別車のみで構成される15編成は廃車になることになっている。
平成19年に入って特別車1本が廃車になり、6月末のダイヤ改正で犬山線・河和線特急などが
一部指定の1200系が入るようになり、全車特別車の編成はほとんどが
休車になっている。
1800系・1850系電車は今まで通り、ラッシュ時は名古屋本線系の特急の増結運用に、
閑散時間帯は羽島線などの支線で運行されている。


一部特別車の一般席車両1200系電車。


増結用の一般席車両。ヘッドサインが無い。