Dr-Hの船外機のお話

船外機のメンテナンス

60FETOと悪夢の結末

2012-06-23 17:37:35 | ブログ

みなさま、ご機嫌はいかがでしょうか?

私は仕事中、FMラジオを聴くともなく、聴かなくともなく流しております。

今は「サントリーサタデーウェイティングバー、アバンティー」が、流れています。

長寿番組ですね。必ず毎週聴いております。

ウェイティングバーといえば、昔シカゴに出張で行ったとき、お手伝いしていただいていた

通訳の方が、

「おいしいロブスターの店があるのですが、行きませんか?」と

予約無しで入ったら、店の人が

「少し、時間下さい」とウェイティングバーで、文字通り待たされました。

ウエイター「〇▲※□♪A-B-C-!」

通訳の人「Hさん、何を飲みますかとのことですが・・・」

わたし「バドワイザー!!」

Relay

ウエイター(少し、にやけたがさすがプロ、)「Hi,OK!」

通訳「※※▲□」言ってとウエイターを待たして・・・

 「Hさん、ミラーにしましょう!ミラーライトもあります!」

この時点で、いつものように空気の読めない君になっていた私、ウエイターに直接、

「バドワイザー」

通訳さん「ああぁ・・・・・・・・・っ・・・」

そのあとテーブルに案内された私は、通訳さんに説教をされたのでした。

通訳「Hさん、アメリカではビールにランクみたいな慣習があります」

私「たとえば」

通訳「バドワイザーは家で飲むようなビールです」

私「ミラーは?」

通訳「たとえば、少しかしこまった場所で飲むものであったり、ステータスの

ある人が飲むビールです。」

私「では私はバドワイザーを飲むのが、理に合っている、うん」

通訳「・・・怒・・・怒・・・怒・・・・」

私「でも、話は面白い、ではクアーズは?」

通訳「(大人の事情で、カット)」

私「ありゃ・・・では、ミラーより上はあるの?」

通訳「う~ん、たとえばHさんが家のパーティーに招かれたとして、

わざわざキリンやアサヒなど日本のビールがあったとしたら、マジ友として

歓迎されているとか、そういうのはあります」

私「そのときバドワイザーが出ていたなら?」

通訳「(大人の事情で、カットします)」

私「怖いー!」

通訳「だから・・・これからは、私の言うことは守ってください!」

私「は~い・・・・・・」

(上記は過去の私の単なる体験談です。どこまで本当かどうかのご判断はお任せします)

さて、以前少し書きました、焼きついた60FETOがやってきました。

60f5

オーナーには電話で、シリンダーヘッドをはずしてみたらと言って、焼き付きを

確認してから送ってきていますから・・・

ああっ、確かに・・・・・でも・・・・少し違和感を感じつつ・・・・

60f6

あっと、その前に、60FETOのシリンダーにもアノードが入っていますので、

お見せします。

60f7 60f8 60f9 60f10

ヤマハ2スト60馬力、70馬力のオーナー様、特に係留保管の方、たまには交換

することをお勧めします。

60f11

さあ、パワーユニットをはずします。

クランクケースを2つに分離して・・・・・・・「ギャアァァァァ(大げさですが)」

60f2

2番ピストンのコネクティングロッドのが、折損しています。

アップにすると・・・・・

60f4

ニードルベアリングは1つも生き残っていません。

ひどいものです。

4ストローク船外機は、エンジンオイルがなくなった場合、(オイルキャップの

締め忘れや、抜いて、入れるのを忘れたとか)ここから焼きつくことが

多いですが、2ストロークはベアリングが入っているからか、ピストンと

シリンダー壁面の油膜切れ焼付き(オーバーヒートとか・・・)が多いのですが・・・

どうも、先にベアリングから逝ったような感じです。

で、ベアリングやコンロッドの破片が燃焼室に入って、ピストンなども

壊した・・・・

60f1

電話して説明すると・・・・絶句されていました。

聞けば、そういえば、少し前からエンジンがゴロゴロ言っていたとか。

2番ピストンはスカートもどこかにはだけていってしまって、

1番も、3番も、軽く焼きついています・・・

原因は何なのか?

60f3

オイルタンクの中に、ミルクコーヒー色のオイルが残っていました。

オーナーはヤマハSSオイルを使っていたそうなので、本来はブルーのはずです。

水の混入で乳化していると思われます。。

過去に、ジェットスキーで同じパターンでの焼き付きを診断したことがあります。

5年とか、2ストオイルを継ぎ足しだけで・・・・結露や雨水などでオイルタンクに

水分が入ったのでしょうか?

下の方に、乳化したオイルが溜まっている場合があります。

水ではピストンも、シリンダー壁面も、クランクシャフトも潤滑できません。

これが原因の可能性が高いと思います。

あと、過去に水没やキャブレターから水を飲んで、ベアリングが錆びて発症し、

長年かかって壊れた可能性もあります。

私は分離給油の2ストローク船外機を中古再販する場合、タンクをはずして

傾け、底がトロ~ッと怪しい場合は全部捨てて、タンクを洗って、新しい

オイルを入れておきます。

あっと、その場合オイルポンプ付近のエアヌキも忘れずに・・・・・

4スト全盛期になって、やらなくなったなあぁ、オイルポンプのエア抜き。

昔は新品の船外機をセットしたときとか、オイルタンク、オイルホースを

点検修理したあと、生唾のみながら行ったものです。

オイルタンクの底に怪しいとろみ成分がある方、早めにプロに

点検を依頼しましょう。

オイルラインのエア抜きが出来ていない2スト船外機は・・・・悪夢です。

絶対、いつもお世話になっているプロに見てもらってください。

2ストの中古ボートを購入する方は、試乗のとき、エンジンカウルをはずしてみて、

「ゴロゴロゴロ」というのが聞こえたと思ったら、慎重に判断しましょう。

さあ、このエンジン・・・悪い夢なら早く覚めて・・・無理のようです。

Fさま・・・・お悔やみ申し上げます。

仕方ないので、家に帰って、バドワイザーでも飲んで寝るとします。

おやすみなさい。