Dr-Hの船外機のお話

船外機のメンテナンス

BF90AとBF2Dとトラブルで部品が届かないから、どうにもならない。

2013-03-01 11:54:26 | ブログ

皆様、ご機嫌はいかがですか。

私は月末のいろいろとたくさんの修理とトラブルがいっぺんにやってきて・・・・

まずは先週、出張修理でBF90Aの2基掛けの定期点検に・・・

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初日は、各部診断し状態や必要な部品をピックアップしていきます。

よく、「今日来て、今日治るか?」と聞かれますが、

部品の必要がない故障で無いと、無理な場合が多いです。

分解診断のついでに、PTTオイルの補充も・・・

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思ったより多く入ったので、ひょっとしたらやばかった?

これで、しばらくは問題ないでしょう。

でも、このBF90A君は、しばらく分解整備していなかったり、

前の前の設計というか、私の嫌いな「生のステンレスボルト」が

極わずかな部分ですが使われていて・・・・

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8mmのボルトが・・・・折れました(泣)

ほかにも、サーモスタット周辺(ここは生ステンではないですが)

とか、あぶったり、たたいたりしましたが・・・・無駄な抵抗の末・・・

「ポキッ・・・」テンション下がります。

8mmのボルトは・・・・・

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何とか抜けまして、ヘリサートのお世話にならずに済みました。

これだけで30分ぐらいロスです。

お客様の「片方のエンジンが掛かり辛い」とのことでして、

チョーク弁の動きが悪いところまでは当日説明していましたが・・・

(画像をクリックすると、拡大できます)

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エアクリーナーの金網が割れて、4番キャブレターの

チョーク弁に引っかかっていました。

私はこんなの見たの、初めてです。

このせいで連動する1番~4番のチョーク弁はみんな全閉できず、

やはりキャブレターモデルは、チョークが無いと、エンジンは

すこぶる掛けづらいです。

やはり定期的な点検は大切です。

オーナー様は2年前にも点検に出されていたとのことで、

こういった良い考え方が、トラブルを最小限に回避できると

思います。

(全部業者に頼まなくても、ご自分で出来る部分も多いです。

取扱説明書を見ながら、各部をチェックするだけで全然ちがうと思います。

自分で出来ないややこしい部分だけプロに頼むのも良いと思います)

さて、忙しいならブログなんか書く暇あるのかと思われそうですが・・・

本日、このBF90Aの部品が・・・・・運送便のミスでまだ届きません。

2つの梱包を紐でくっ付けて出荷したとのことですが・・・・

途中でバラけたのか?片方しか、届いておりません。

BF2Dの部品だけ届きました。

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今回はロワケースの修理でした。

最終、組み立てます。

バーチカルシャフトの先端には、必ずグリスを塗布してから、

組んでください。

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ノックピンにも、グリスを塗っておくと、次回分解が少し楽です。

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ロワケースの組み付けボルトには、ロックタイトもしくは

グリスなどを塗って、塩害の対策を必ずしましょう。

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このネジは「生のステンレス」ではない、海水での使用を考えた

ネジですので、アルミの電気腐食を誘発しにくいですが、

それでも、隙間に塩水が入って中で固まると、ネジが緩みにくくなります。

(ステンレスとアルミニウムは海水中ではお互いに相性が悪いのか、

電気的に刺激をし合うようで・・・アルミニウムの電気腐食が早く進む

傾向があると個人的には感じています。)

必ず塩害対策を!!

このエンジン・・・・

エンジンオイルの補給をしようと・・・入る・・・・入る・・・・・入る・・・・・

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かなり、足りていなかったようです。

非常に戦慄を感じました。

ギリギリ・・・・やばかったかも・・・

運がよかったです。

ああ、まだBF90Aの部品は、問い合わせの返事すらありません。

この分では・・・・今週も、休みが取れないのか・・・

上架して一等地を占有しているマリーナの所長にも電話で話をして、

「部品が届かなくて・・・・」と

しなくても良い言い訳をいたしました。

専用工具が無くても、なんとか工夫して切る抜ける可能性はありますが、

部品が来ない私は、たとえるなら

鉄砲は持っているが、弾丸のない兵隊さん?

燃料のない戦艦大和?

飛行場を造った途端に占領された?・・・・これは違うか?!

早く届いて、部品よ、今はどこにあるのか?

辛いぃぃぃぃぃ~。