曇り。28-21℃
暑い日が続いています、こういう時こそ、冬の大掃除を始めるのが良いのでしょうが、相変わらず、腰が重いのですwww
夏のダメージが半端ないですし、歳を取るごとに、年々これが酷くなるのだと理解。まだ夏掛けで寝ているんですよ。毎年「どうにか暑さ対策を練らないとね」と言っているし。皆様は衣替え、寝具を換えたと言っているのに、まだ、こちらは夏です。
さぁ!、昨日届いた籠で、今日から時間をかけてインコの引っ越しをします。廃棄しない古い籠も大掃除して、全員一籠ずつ移動させる予定です。小鳥がパニックにならないように、時間がかかります。
最初は、いや、ウズラのモーセの引っ越しの次か、今日は、
ソデジロインコの旧ちゃん、新ちゃん、コイツラは手乗りインコっちゃー、手乗り、
いや、手噛みインコなので、手を噛みに来たところを捕まえて移動、でも新しい小屋が落ち着かないんですよね。
どことなくグリーンイグアナのような、恐竜を思わせる鳥です。ポケットバードと言われるほど人が大好きだし、教えれば喋ります、教えなくても私の口真似をします。
小屋の高さが半分になりましたが、籠は大きい方ではないでしょうか。
パニック中です、白い布をかけて放置。日本製の籠はしっかり出来ていて使いやすい、本当に感心した。ワゴン車を所有なら、この籠のまま動物病院にも、避難所にも行けるのではないかと。
お洒落なイタリア製の籠から、アクセサリーやおもちゃ、外せるものは外して洗います。
小屋も洗いたいのですが、鶏舎クラスだと、とにかく大きすぎて持ち運べない、拭き掃除しかない。
曇っていますが、その後、日光消毒をしています。時間がかかる鳥の引っ越し。
メトロノームのクリオネ先生と練習もして、禁断のジャンクフードも食べた、ああ早く紅玉が出回ってほしい。
わかっている、確実に、デブになる!確実に糖化する!!のは!!!
毎日、ダラダラと意味の無い個人の記録をつけていますが、何人かの方にはお役に立っているようで、嬉しい事であります。私も皆様の記事を楽しく拝見しております。
さて、9月4日に書いた「思い出の童話」ですが古本で手に入りましたので、今日から、ここに少しずつ書き写していこうと思います。やはり子供の頃読んだので、細かい所は忘れたり勘違いもありましたが。
この物語が猫を書いた物語で一番好きかな。出会ってから今日まで、忘れることが出来ませんでした。
【モモちゃんとあかね 椋鳩十】※第一回赤い鳥文学賞受賞作品
表紙 表
表紙 裏
子供向けなのでひらがなが多い、普通に漢字変換していきます。
我が家の「もじゃ公♀」に似ています。 では、はじまり、はじまり。
【モモちゃんとあかね 椋鳩十】①
私の家には、猫が七匹いました。
みんな真っ白のペルシャ猫でした。七匹の猫が、揃って一度に座敷に飛び込んで来る時には、白い牡丹の花びらが、風にはらはらと舞うような美しさでした。
モモとか、ポポとか、ミミ、ララ、キキといった、同じ字が二つずつ重なる、簡単な名前を付けておいたら、呼びやすいと思って、こんな名前を付けたのです。
ところがなんの意味もない同じ音を、二つ重ねるだけの名前は、かえって忘れやすくて、「おい、あの一番向こうの方にいる、あの猫、何だっけね。」とあかねに聞いたりして、「自分で名前つけたくせに、駄目ね」などと、良くからかわれるのでした。
猫好きのあかねは、この間違いやすい猫の名前を良く覚えていました。
うちの猫は一本の混じり毛もなく真っ白で、大きさも同じ位でしたので、ちょっと見たところでは、どれがキキか、ミミかわかりませんでした。
けれども名前を呼ばれた猫は、耳をぴーんと立てて、尻尾をぴくぴく動かして見せるので、おお、あれがキキだったのか、あれがミミだったのかと解るのでした。
うちの猫はみんな無精者揃いで、名前を呼ばれても、ニャーンと声を出して答える事はしませんでした。いかにも面倒臭そうに、尻尾を振ってみせるだけでした。
ところが、うちのあかねに名前を呼ばれた時だけは違うのです。
甘えた声でニャーンと声を出して鳴くのです。
あかねが座っている時には、どの猫かは必ず膝の上にうずくまっているし、どの猫かは肩の上に乗っかっていました。
膝の上の猫の頭や背中をさすっていると、肩の上の猫が、ぱくっとあかねの耳に、よく噛みつくのです。
血の出る程には、酷く噛みません。猫でも噛みつき方に注意して噛みつくのです。
「あっ、いたたたた……。」
あかねは顔をしかめて、猫を肩からおろし、膝に乗せて、頭をそっとなぜてやります。猫はあかねの顔を見上げて、ほんとに甘ったれた声で鳴くのです。
こんな猫を見て、妻は「人間臭くて気味の悪い猫」と、よく言うのでした。
七匹の猫のうちでも、モモが一番あかねに懐いていました。
モモはあかねの生まれた年に、オランダの水兵から貰った猫でした。
春でした。
私は生まれて四か月になるあかねを抱いて、鹿児島の波止場を、ぶらりぶらりと散歩していました。
小さな波止場ですので、南の島に行く船が出てしまうと、人通りがばったり無くなってしまうのです。静かな波止場で、あかねを抱いては、この辺りをよく散歩するのでした。
波止場のずっと沖に、たった一つだけ、大きな船が錨を下ろしていました。
オランダの軍艦でした。
船の上は人影一つ見えず、しーんと静まりかえっていました。
アメリカの軍艦は時々はやってきましたが、オランダの軍艦がこの波止場にやって来たのは初めての事でした。
私はヨーロッパを旅した時、オランダで五日ばかり過ごした事が有りました。
私はあの時の事を思い浮かべ、大変懐かしく思い、遠くオランダの船を眺めながら、春の海風に吹かれて、歩いていきました。
波止場のはずれまで来た時、そこの堤防の上に、一人ぼっちで腰かけている水兵を見かけました。
オランダの水兵でした。
まだ子供でした。若い水兵でした。
その水兵は、膝の上に子猫を抱いていました。
真っ白い猫でした。
その水兵は、子猫の頭をなぜたり、ひげを引っ張ってみせたりして、楽しそうに戯れていました。
私が近づいていくと、水兵は片目をつぶって、にこっと笑ってみせました。
ほんとに、人懐こい笑い方でした。
なにか私は、その水兵に親しみを感じて、彼を並んで座りました。
水兵の膝の上の猫は、水兵の目の色と同じような青い色でした。
真っ白い猫の青い目。春の雪と、春の湖、私はそんな美しさを感じるのでした。
つづく。