ある動物園で、ライオンの代わりにイヌを展示していたのがばれてしまった、というニュースがありました。
写真で見る限り、体の大きさはともかく、ちょっと見には小型のライオンのように見えなくもないのでしょうが、それにしても、『ワン、ワン』と鳴いたために見学者に分かってしまったというのですから、何とも苦笑いでもするしかありません。
少し離していて、薄暗くしておくのであれば、イヌではなく人間にでもそこそこ似ているご仁を見つけられるような気もするのです。人間であれば、少なくとも『ワン、ワン』と鳴くようなへまはしないでしょうから。
あるいは、わが国の落語には、トラの縫いぐるみを着てアルバイトをするという新作落語の名作がありますが、そういうことは考えなかったのでしょうか。
いずれにしても、当動物園の関係者の方は、それなりに苦労した上の対処だったのでしょうから、あまり茶化すのは失礼ですし、実際深刻な状態に追いこまれているそうですから、同情申し上げます。
やはり、今回の場合は、正直に「ライオンはただ今不在」とでも表示するのが正しいのでしょうが、さて、正直にありのままをさらけ出すということは、そうそう簡単なことではないようです。
「偽物」を辞書で調べてみますと、「にせてつくったもの。偽造品」と、説明されています。
つまり、本物とある程度似ていなければ「偽物」にはならないのです。
そういう意味からすれば、今回のイヌをライオンの「偽物」と表現するのは正しいかどうか微妙なところだと思うのですが、どうも人間というものは、「偽物」に限りなく興味や魅力を感じる動物のようです。
偽物作りの代表といえば、贋金作りと個人的には考えているのですが、この犯罪は貨幣の登場と同時に姿を見せ、いまだに健在だという息の長い犯罪の一つです。現在世界中で流通しているすべての国の通貨を調べることが出来るとすれば、かなりの比率の贋金が混じり込んでいる可能性があるそうです。
また、贋金作りといっても、「ゴールド」を作りだそうという研究は、ある部分では貴重な研究だったようです。現在の化学の発展のためには「ゴールドを生み出すための研究」が少なからず貢献しているという話を、何かで見たことがあります。
本来、人間の知識や文化の進化は、偽物作りとは言いませんが、模倣から始まっています。
絵画であれ、文学であれ、音楽であれ、あるいは大工であれ料理であれスポーツであれ、習得や技術の向上のためには模倣が絶対に必要な過程のはずです。
現在では、特許や著作権等々で、経済的な利害を調整する法律が沢山あります。
楽をして金儲けをしたり、人をだますための「偽物」はよろしくないとしても、ライオンの檻にイヌを入れていたなどというものは、笑って済ますわけにはいかないのでしょうかねぇ。
( 2013.08.20 )
写真で見る限り、体の大きさはともかく、ちょっと見には小型のライオンのように見えなくもないのでしょうが、それにしても、『ワン、ワン』と鳴いたために見学者に分かってしまったというのですから、何とも苦笑いでもするしかありません。
少し離していて、薄暗くしておくのであれば、イヌではなく人間にでもそこそこ似ているご仁を見つけられるような気もするのです。人間であれば、少なくとも『ワン、ワン』と鳴くようなへまはしないでしょうから。
あるいは、わが国の落語には、トラの縫いぐるみを着てアルバイトをするという新作落語の名作がありますが、そういうことは考えなかったのでしょうか。
いずれにしても、当動物園の関係者の方は、それなりに苦労した上の対処だったのでしょうから、あまり茶化すのは失礼ですし、実際深刻な状態に追いこまれているそうですから、同情申し上げます。
やはり、今回の場合は、正直に「ライオンはただ今不在」とでも表示するのが正しいのでしょうが、さて、正直にありのままをさらけ出すということは、そうそう簡単なことではないようです。
「偽物」を辞書で調べてみますと、「にせてつくったもの。偽造品」と、説明されています。
つまり、本物とある程度似ていなければ「偽物」にはならないのです。
そういう意味からすれば、今回のイヌをライオンの「偽物」と表現するのは正しいかどうか微妙なところだと思うのですが、どうも人間というものは、「偽物」に限りなく興味や魅力を感じる動物のようです。
偽物作りの代表といえば、贋金作りと個人的には考えているのですが、この犯罪は貨幣の登場と同時に姿を見せ、いまだに健在だという息の長い犯罪の一つです。現在世界中で流通しているすべての国の通貨を調べることが出来るとすれば、かなりの比率の贋金が混じり込んでいる可能性があるそうです。
また、贋金作りといっても、「ゴールド」を作りだそうという研究は、ある部分では貴重な研究だったようです。現在の化学の発展のためには「ゴールドを生み出すための研究」が少なからず貢献しているという話を、何かで見たことがあります。
本来、人間の知識や文化の進化は、偽物作りとは言いませんが、模倣から始まっています。
絵画であれ、文学であれ、音楽であれ、あるいは大工であれ料理であれスポーツであれ、習得や技術の向上のためには模倣が絶対に必要な過程のはずです。
現在では、特許や著作権等々で、経済的な利害を調整する法律が沢山あります。
楽をして金儲けをしたり、人をだますための「偽物」はよろしくないとしても、ライオンの檻にイヌを入れていたなどというものは、笑って済ますわけにはいかないのでしょうかねぇ。
( 2013.08.20 )
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