雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

孤高

2024-04-16 07:59:40 | 私の好きなフレーズ

 『 一本の大木の成長の陰には、成長過程で消えていった多くの仲間がいるというのです。』


大きな木はなぜ一本だけそびえ立っていることが多いのか、と言いますと、まだ小さい頃には周囲にも何本か仲間がいたはずなのですが、その中から一本だけ成長の早いものが仲間から抜きんでると、周囲の仲間たちには日が当たらなくなり、ますます成長に差が出て、そのうちに地中からの養分も独り占めするようになり、やがて仲間たちは消えて行くそうなのです。
一本の大木の成長の陰には、成長過程で消えていった多くの仲間がいるというのです。
「一将功成りて万骨枯る」という言葉もありますが、大木も一将もその存在の陰には大きな犠牲があるわけですから、その立場になった後も、仲間に頼ったり、大衆におもねるような態度は慎んで、「孤高」であり続けてほしいものです。

  ( 「小さな小さな物語」第十一部  NO.626 より )


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