雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

西日本豪雨災害 ・ 小さな小さな物語 ( 1101 )

2018-11-19 13:50:18 | 小さな小さな物語 第十九部
西日本豪雨災害は、大変な惨状をもたらしてしまいました。
未だ行方不明の人が多数いる状況で、しかもそれが広範囲であるだけに、正確な災害規模さえ確定できない状況です。
被災された方々にお見舞い申し上げます。

この連休中には、多くのボランティアの方々が被災地に入っていると報道されています。
ライフライン、中でも水道の復旧が遅れている地域も多く、被災地の方々にとって復旧への作業の大きなネックになっているようです。
地域全体としては、大きな被害を受けている道路や交通機関の復旧、それに伴う流通の混乱、避難場所での生活の改善、大量の土砂や岩石や木材の処理、そして各家庭などから出される家財などは、各家庭にとっては断腸の思いでの廃棄でしょうが、地域全体の復旧には大きな障害になっていきます。
そうした中、土砂が流れ込んだ住居などの片づけには、どうしても人力が必要になってきます。ボランティアの方々の尽力が重要になってきます。暑さも記録的な猛暑が続いており、すでに熱中症で倒れる人も出ているようですので、くれぐれも体調に注意しながらの支援をお願い申し上げます。

すでに、国会辺りからは、今回の災害対策、特に初期動作について様々な意見が出始めています。残念ながら、その中には、被災者や被災地域に対して無神経だと思われるものや、自己アピールや政治的な材料に利用しているのではないかという発言もちらほら見えてきています。
今回の災害を、北九州三県に大雨特別警報が出された段階でさえ、これほどの大惨事になると予想した人は皆無に近いのではないでしょうか。そうだとすれば、東京の官邸に初期対処云々を責めるのは酷であり、ここは各自治体の対応に期待するしかなかったように思われます。

各自治体の対処については、これから様々な検証が行われるでしょうが、各自治体の職員、警察、消防、自治会などの組織も、懸命の努力を尽くして下さっている姿が報じられていましたし、大災害ごとに思うのですが、自衛隊の方々の活動には全く頭が下がります。もし、わが国に自衛隊の組織がなければ、少なくとも災害復旧には相当の遅れが考えられます。
しかし、それでも大災害が発生してしまいました。五十年に一度の大雨だったからでしょうか。防災工事などの設計が甘すぎたのでしょうか。避難指示などの連絡体制・実施体制に問題があるのでしょうか。予算的な問題があるのでしょうか。
五十年に一度の大雨というのは大変な事ですが、高齢の人なら多くの人が経験している可能性があることになります。
私たちがこの列島で生活させて頂いている限り、自然災害から完全に逃れることは不可能といえましょう。しかし、今少し、あとほんの少し、自然災害に強い国土を造ることは可能なのではないでしょうか。
多くの人の命を失い、多くの人に大きな負担を負わせてしまったこの災害から、私たちは何らかの教訓を得る義務があるように思うのです。

( 2018.07.16 )

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 少しばかり謙虚に ・ 小さ... | トップ | 小さな小さな物語  目次 »

コメントを投稿

小さな小さな物語 第十九部」カテゴリの最新記事