雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

プチ政権交代か? ・ 小さな小さな物語( 1810 )

2024-09-30 08:06:57 | 小さな小さな物語 第三十一部

接戦というより乱戦と表現したいような自民党総裁選挙は、劇的な逆転により石破茂氏が勝利し、自民党新総裁に就任しました。これにより、よほどの事がない限り、10月1日には内閣総理大臣に指名され、時をおかず新内閣が始動を始めることになります。
今回の自民党総裁選挙は、これまでとはかなり違う動きが見られたようです。
まず、立候補者の多さと、麻生派を除き派閥が解消されたという状況がどう影響を与えるのか読むのが難しかったことが、これまでにない選挙模様を演出したように思われます。
さらに、並行して行われ立憲民主党の新代表に野田佳彦氏が選出されたことが、どの程度影響を与えるのか、ということもあったでしょう。
さらに、九人もの立候補者がいて、第一回での決着は無理で決選投票が必死だということは、三位以下の支援者たちがどう動くのかは、上位二人の組み合わせによっても変化し、なかなか予想するのは難しかったようです。

第一回目の投票結果は、高市さんが予想以上の健闘を見せたことから、多くの人が高市さんの勝利を予想したようです。これまでの経験から、国会議員票では、石破氏は常に劣勢であったことから、今回は、かなりの差での高市氏勝利と確信したらしく、安倍元首相の経済路線を踏襲すると言われていたことから、市場は敏感に反応し、為替相場は対ドルで円安に動き、株式市場の終値は日経平均が900円ほども値上がりしました。
ところが、結果は多くの予想に反して、石破氏が逆転の勝利を掴みました。すると、為替相場は円高に動き、日経平均の先物は2000以上の下落になっています。

市場関係者と言われる方のコメントの中に、「投資家は、悪材料、好材料といわれる物に敏感に反応するのは当然だが、先が読めない状況を最も嫌う」と言ったものがありました。
石破氏は株式投資関係の税制を強化させる意向を持っている、と発言している人もいますが、早々に市場を凍らせるような政策をとるとも思えませんし、当面は岸田首相の経済路線を踏襲するような声も聞こえています。
ただ、投資家の多くは、石破政権に対して、直感的に「先が読めない」といった不安を抱いたのかもしれません。
つまり、投資家ばかりでなく、一部の人は、石破政権に、前政権からの引き継ぎではなく、「プチ政権交代」が起ったと考えたのかもしれません。

今回の決選投票の二人は、事前予想や第一回目の投票から見て、議員支持があまり強くない人同士の戦いになりました。とりわけ、勝利した石破氏の場合は、そうした声は外野席の私などにもはっきり伝わってきています。それどころか、ご本人でさえ、挨拶の中でその点を意識して詫びておられました。
党内基盤が強いとは言えない石破氏にとっては、党内融和、挙党態勢作りがまず重要課題になることでしょう。
岸田首相との関係良化や、菅前首相の副総裁就任、麻生元首相との交渉など、明るいニュースと共に、高市氏が党役員への就任を固辞したというニュースもあります。
いずれにしても、苦節を重ねて遂に上り詰めた総理総裁の座ですから、どうぞ、目標達成ではなく、ようやく私たち国民のために働ける場に就いたと考え、実行して下さることを切に祈りたいと思います。
総裁選に勝利した直後から、石破氏の奥様が再三テレビに登場しています。明るく、実にすばらしい雰囲気をお持ちで、何か期待を抱かせて下さっているような気がします。
党内融和も大事、しかし、プチ政権交代の心意気も失うことなく、この国を輝かせて下さることを期待したいと思っています。


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