『 間もなく閉会式 』
北京五輪 いくつかの問題点を 浮上させながらも
まずは 無事に閉会式を迎えようとしている
わが国選手団の活躍は メダルの有無はともかく
それぞれに 多くの感動を与えて下さった
ただ オリンピックそのものについては
改善すべきことが 多いのではないだろうか
大会が終れば 浮上している問題も
消えてしまうような 気がしてならない
それともう一つ 北京五輪の閉会が
ウクライナ情勢に 影響を与えないか
実に心配される・・・
☆☆☆
『 うらかえす葛の葉 』
作者 平貞文
秋風の 吹きうらかえす 葛の葉の
うらみてもなほ うらめしきかな
( 巻第十五 恋歌五 No.823 )
あきかぜの ふきうらかえす くずのはの
うらみてもなほ うらめしきかな
* 歌意は、「 秋風に 吹かれて裏を見せる 葛の葉のように 私を見捨てたあの人を 恨んでも恨んでも 恨めしさは消えない 」と、つれない人を責めている歌なのでしょうか。ただ、作者が下記するような人物だとすれば、恋の手管のようにも見えてしまいます。
* 作者の平貞文(タイラノサダフミ / サダフン)は、平安時代前期の貴族です。生年は 872 年 ? 、没年は 923 年、行年五十二歳と考えられています。
父は、平好風(従四位下)です。好風は桓武天皇の曽孫にあたる人物ですが、貞文は誕生間もない 874 年に、父と共に臣籍降下して「平朝臣」の姓になっています。
* 官位は、従五位上・佐兵衛佐が最高位ですから、せいぜい中級の貴族といった人物です。
ただ、歌人としては、紀貫之・壬生忠岑・凡河内躬恒といった古今和歌集の撰者など当地一流の歌人との交流があり、歌合を数度にわたって主宰したとも伝えられています。古今和歌集には九首選ばれており、勅撰和歌集全体では二十六首が選ばれていて、歌人として高い評価を受けていたようです。
* しかし、貞文の名を高めたのは、世の好色者(スキモノ)という評判からだと思われます。「平中物語」は、貞文を主人公とした歌物語ですが、若干スケールは劣るかも知れませんが、在原業平の「伊勢物語」を連想させるともいわれ、少なくとも、両者が当時の好色者の代表者ともいえる評価はあったようです。
「今昔物語」には、少々眉をひそめたくなるような好色者として描かれている作品がありますが、近代においても、芥川龍之介や谷崎潤一郎なども作品に登場させています。
桓武天皇からまだ近しい血統でありながら、官邸においては高い地位を得ることが出来なかったようですが、現代に通じるような人間味あふれる人物ではあったようです。
☆ ☆ ☆