雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

びろうげは

2015-01-27 11:00:47 | 『枕草子』 清少納言さまからの贈り物
          枕草子 第二十九段  びろうげは

檳榔毛は、のどかにやりたる。急ぎたるは、わるく見ゆ。
網代は、走らせたる。
   (以下割愛)


びろうの葉で飾った立派な牛車は、ゆっくりと進ませているのがいい。急いで走らせているのは、見劣りしてしまいます。
網代の実用本位の牛車は、走らせているのが似つかわしい。

人の家の門の前などを通って行くのを、ふと目をやる間もなく通り過ぎて、供の人だけがあとから走っているのを、今の車の主は誰かしらと思うのは、なかなかおもしろいものです。
網代の車がゆっくりと時間をかけて通って行くのは、あまりよろしくありませんねぇ。



高級車は、ゆったりと走らせるのがよろしいと、少納言さまは千年前に申されています。これ、現在にも通じると思いませんか。
せっかくの高級車を、タイヤをきしませて走らせているは、全く見苦しいですものね。
コメント
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