雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

清水などにまゐりて

2014-07-09 11:00:50 | 『枕草子』 清少納言さまからの贈り物
          枕草子 第二百十二段  清水などにまゐりて

清水などにまゐりて、坂もとのぼるほどに、柴炊く香の、いみじうあはれなるこそ、をかしけれ。

清水などに参るとて、坂下から牛車でのぼっていますと、夕餉の準備でしょうか、柴を焚く匂いがしてくるのが、しみじみとした情緒を感じさせてくれるのもまた、いいものです。


前段の泊瀬観音からの連想で、清水寺となったのでしょう。
少納言さまは、清水寺もお気に入りのようで、第百十五段には、長文を残しています。
それに比べて、この章段はきわめて簡潔で、和歌として表現されてもいいような気もします。
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