あなたが人よりも
優れた者に成りたかったり
或いは 人以上に
誰かに認めて貰いたかったり
するのは
本当は自分が
大した事など無い
人並みの人間でしか
無い事を あなたは既に
知っているからです。
だから
必死になって
あなたの出来の悪さや
大した事の無い 実力を
誰にも悟られない為に
人以上に
お洒落で 優れた
借り着を身に着ける事で
本来の あなたの姿を隠して
しまおうとしているのです。
あなたが
歩む方向は
いつもそうです。
本来の
あなたの姿から
どんどんと遠ざかり
その姿を隠してしまおうと
する事ばかりの歩みでした。
何かで
覆い隠したり
逃げ回ったりする方向の
歩みが どんなに凄くたって
どんなに勢いが 有った所で
それは全部 単なる逃避にすぎません。
間違っても
それを積極性などと
勘違いをしたら駄目です。
あなたは怖いから
勢い良く逃げているだけです。
あなたは単に
弱虫で臆病者なだけです。
本当の勇気を
持った人は歩む方角が
そもそも違います。
隠したり
逃げ回る事を
散々して来て そんな事では
何の解決もしないと見破ってしまった人は
それまでの歩みと全く逆の方角へと
歩み出します。
この場に居る
何の力も持たない
既に無くなってしまっている
過去の実績など背負う事のない
無力で何者でもない あなたを直視し
受け容れてしまいます。
何故なら
あなたに出来る事は
他には何も無いからです。
他の方向は
既に歩んで来てしまい
何も無い事を あなたは身を持って
知ってしまっています。
あなたの
出来る事で
残されていたのは
出来損ないの何の力も持たない
あなたと向き合い その姿を
自分の姿として受け容れてしまう
事だけでした。
何者でもない
何の力も持たない
弱くて 駄目で 情けなくて
出来損ないの あなたを受け容れてしまうと
あなたは何色でも無くなります。
そこには
無色透明な
あなたが広がり出します。
俺が 俺がと言う
私が 私がと言う
我など 何処かへと
吹き飛ばされてしまい
何ひとつとして誇れるものなど
残されていないのです。
そこには
俺や 私など
無くなってしまった
何者でもない 何色でもない
透明な空間だけが残されます。
それは
無私の空間です。
あなたの周り中に
あなたを包み込む様にして
在る続けているのも透明なままで
私など これぽっちも含まれていない
無私の巨大な空間です。
その空間に
あなたが怖れずに
身を任せてしまえば それだけで
あなたも巨大な空間の一部と成り
巨大な空間の中に溶け込めてしまいます。
この場には
その巨大な空間だけが
静かに佇んでいるかの様にして
在り続けています。
そして
あなたも
その一部として
溶け込めてしまっているのです。
そうです
あなたは本当は
その場の巨大な空間そのものなのです。
その空間は存在感など
強調したりしないまま
静かに在り続けています。
けれど それは
本当は圧倒される位に
大きく透明で純粋な存在なのです。
あなたが
何処か他の事ばかりを
見ている為に見えないだけです。
人は誰しも
見る必要の無い
幻想ばかりを見続けていて
本来ならば普通に
見えているはずの現実の風景が
全く見えなくなってしまって
いるだけです。
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