この道の果てまで・・・

ただ純粋に ただ一途に歩む時
突如として それまでとは まったく違う
次元の異なる大地が あなたの目の前に姿を現す。

★あなたの愛が 永遠の愛と成る為に 110★

2006-10-21 09:00:36 | Weblog


◇ 人間物語 の メール講座   NO10 ◇





彼の話しに再び戻ろう
彼が10歳の時に 父親の元に引き取られたそうだ。

それからの彼の生活は
孤児院の生活以上に大変だったと言う

兄弟達は一番大切な時期に離れ離れになっていた所為か
まるで他人の様な感覚で有ったと言うし
父親は 仕事を余りせずに お酒を飲んでは
賭け事に埋没して お金に困り 

その挙句
お酒を飲んでは 酔った勢いで暴力を振るわれ
自然に彼は 父親を憎み 
こんな人間にだけは 絶対に成るまいという
思いを彼の心の中に育てていった。

この様な環境に育った彼で有ったが
彼には友達が沢山居た
とても人気者だった。

と言うのは
彼は とても陽気で明るかった
彼の内側に潜む悲しさや寂しさを
彼は もう既に この頃には
完璧に外側には出さなかった
幼い頃に そんな事まで 彼は身につけてしまっていた。

ところが彼は言う
「僕には沢山の友達が居るけれど 本当に僕の事を
解かっている友達は1人も居ない」

彼は とっても淋しかった。
何故か?

本当は当然の結果だった
と言うのも
彼が本当の彼を見せない様に
明るく振舞えば 振る舞うほど

本当の彼自身から
自らの努力によって 
人を遠ざけてしまっていた。

これが彼にとっての最大の悩み
「いつも僕が寂しいのは どうしてなんだろう?」

簡単だよ
その明るさは 
寂しさを隠す為に 作り上げた 彼の姿だからだ。
本物の彼の姿では無いからだ。
そこに 幾ら多くの人に接して貰ったところで
誰かと触れ合っていると言う 満足感など感じられる筈は
無い場所だからなのだ。


だが彼自身 
その事に まだ気づいて居なかった・・・。 






そして 彼が丁度16歳になった頃
彼は一大転機を迎えようとしていた。
なぜだと思う・・・?
彼は恋をしていた。
それもかなり情熱的な恋だ。
それは 彼自身もビックリするほどの恋だった。
自分の中に それほどの情熱が有るなんて
彼自身にも信じがたかった。

だって それは それまでの自分をも圧倒してしまうほどだったからだ・・・。

彼が ずっと長い間 持ち続けなければ成らなかった その
淋しさを 初めて理解してくれる人が
自分の目の前に現れたのだ。

あの大好きだった母と別れて以来の淋しさ
そして 孤児院で鉄仮面を被って以来 隠し続けて来た
自分を ようやく 鉄仮面を外して 化粧抜きの素顔で
接する事が出来る相手が現れた・・・・。

この時 彼は気づいていなかった事実が
もうひとつ有った。

それは もう 仮面を被り続けて居る事の
限界が来ていたのだ。

自分の内側は淋しい 
そして自分の外側である
彼を取り巻く周囲の人のする事や 
その環境の中で起こる事が
余りにも過酷過ぎて 
彼は その一切に嫌気がさしていた。
何もかもから抜け出したい
そんな時期だった・・・。


そんな彼が恋に落ちたのは当然の事だった。
ごく自然の成り行き。
もしも そう成らないとしたら
彼自身が破壊されてしまう
狂人と化してしまう・・・。

彼は その何もかもから抜け出したいと言う
一切のエネルギーを 
その彼女に 
その恋に注ぎ込んだ

そして それは 彼にとって今迄に経験したことの無い
余りにも素晴らしい彼女との出会いだった。
今迄の 悩みや苦しさも 何もかもが吹き飛んだ。

彼女の事を思い描いただけで 1日が素晴らしい。
訪れてくる 朝が 昼が 夜が 楽しくて 美しい。
何もかもが一変してしまった。

自分の人生が
こんなにも素晴らしいもので有るのを
今迄 どうして気づかなかったのか?
まるで世の中全体が
起こる物事の一切が
彼自身を祝福しているかの様に感じられた。

彼女と ただ一緒に居るだけで楽しい。
それ自体に喜びを感じられる。

そして まったく ひとつに
溶け合ってしまっている 彼と彼女の間には
時間も空間も作用しない。
またたく間に時がすぎる。
ホンの5分と感じていたものが
二人が見つめ合っているだけで
実際には6時間もの時が過ぎている。
たとえ離れていても
いつも一緒に居る彼女を感じられている。
彼にとっては 素晴らしいなどと言う言葉などでは
言い表せない程の事が起こっていた。

そりゃそうだ
彼は 気づいていないけれど
彼に起こった事は 素晴らしいはずだ。

何故なら 彼の殻を 彼の鉄仮面を
彼女が完全に打ち破ってくれた。

いや そうじゃない
正確に言うと 完全に打ち破らせる
手伝いをしてくれた。

それによって 彼は 殻の外に出る事が出来た。
だから それ程の事を感じる。

まるで世の中全体が
祝福してくれているかの様に
感じられるのは 当然だ。

一見 愛によって 
全てが 成されている様に感じられるけれど
それは正確じゃない。

そう確かに愛する事によってだけれど
それによって 彼が 殻から抜け出たからこそ
鉄仮面を脱ぎ捨てたからこそ
世界が一変した

ただ単に人を愛しただけでは
彼の体験した様な事は起こらない。


言うならば
彼の愛に対する姿勢が良かった。
それでこそ愛は起こった。

何も そんなつもりは無かったけれど
そうなってしまった・・・。

これが起こる事であり

最初から ”こうしよう”と計算してやったもの・・・。
これが起こしたもの

前者は自然であり 
後者は作り出したものだ

あくまでも
本当の愛は起こるものであり
起こすものじゃない。

そして愛は 自然を好み
自然の上に 落着する・・・・。 



今日の講座は 
ここまでで 終わりにしたいと思います。 


それでは 
明日の人間物語のメール講座を どうぞお楽しみに










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