この道の果てまで・・・

ただ純粋に ただ一途に歩む時
突如として それまでとは まったく違う
次元の異なる大地が あなたの目の前に姿を現す。

★あなたの愛が 永遠の愛と成る為に 391★2

2007-11-05 11:34:02 | Weblog



◇人間物語のメール講座NO9(2)◇


(長すぎて2件になってしまいました
     続きです1の方から読んで下さい)






ところが 彼は立ち止まったまま
父親に近づこうとしない

1年もの長い間 逢っていなかった父親に 彼は飛び込んで
行けなくなってしまっていた。

だが そんな彼を見て父親は直ぐに気がつき
すっかりイジケテしまっている我が子に
父親だからこそ解かる
1年の間の苦しさに対する理解の為に

今度は 父親が 目にいっぱいの涙を溜めながら
「たかし こっちへおいで お父ちゃんだよ」
その声に 初めて彼は近寄る事が出来た。

まだ なんとなく ぎこちない気持で

だが その日は 親子水入らずだ
遊園地や動物園と色々な所に連れて行ってもらい
彼は実感で自分の父親を感じ取る事が出来る。

そして1日が終わり孤児院に帰り着く
彼は何となく近づいて来ている別れからか
父親の傍を離れようとはしない

そんな彼に父親は「たかし お父ちゃん 煙草を買って
くるから 大人しく待っていてくれ」と 言うそうだ。

彼は毎回の事で それが何を意味しているのか解かっている
彼は泣き出し 余計に父親から離れようとしない。
 
それを見かねて 保母さんたちが彼に
「たかしちゃん お父さんは直ぐに帰って来るから先生
と一緒に待っていようね」と なだめながら引き離す
嫌がる彼を 泣きわめく彼を 2人がかりだ
大人の力には勝てるわけもない・・・。

彼は ありったけの大声で叫び
ありったけの涙を流して父親に懇願する。
「帰らないで 帰るなら僕を一緒に連れて行って欲しい
お父ちゃんと一緒に行きたい」
父親は 彼が どんなに力いっぱいに泣いても
どんなに大声で叫んでも 決して振り返る事無く
帰って行ったそうだ。

いや
振り返る事が出来なかったんだ。
この時 父親は 振り返って 彼の元に戻り
もう1度泣き叫ぶ我が子を抱きしめて上げたかっただろう
そして「たかし一緒に帰ろう」とも言って上げたかったろう
それが出来ない自分を どんなに不甲斐無く思った事だろう
父親は 心を鬼にして振り向かなかった。

ところが その時の彼には そうする父親の態度が不思議
でならなかった。
「こんなに 大声で泣いているのに お父ちゃんは
僕の方を見てくれない なんで意地悪するんだ 僕が嫌いなのか
僕は もうお父ちゃんの子じゃないのか?」
その時の彼の理解は これぐらいだったと言う


そして煙草を買いに行くと云うのが
嘘だと解かりながらも 彼は その嘘の方を信じたい。
これは良く解かる 誰もが そう信じたいだろう
彼は待った・・・。

正面玄関でじっと待った。
ふと気づいた時 あたりは 既に真っ暗だ
そして独り彼だけが そこに居る
この時 彼は胸の中で つぶやいた
ほんの独り言だった「お父ちゃんは 僕に嘘をついた
先生達も 僕に嘘をついた。僕は もう誰にも本当の事を
言わないし 誰にも本当の僕を見せない」
この時 
この日を境に 
彼は鉄仮面を被ってしまった・・・・。

そして実際に彼は その通りに生きた
何もこれは 特に彼に限った事じゃない
あなたも その事の強弱は有れ これに似た様な体験を
しているだろう。
もう 今の あなたには忘れかかっているかも知れないが
まだ幼かった頃 何かによって それまでの自分とは
ガラリと違ってしまう。

周囲には なぜそうなったのかも解かりはしなくても
あなただけは全てを知っている。
いわゆる世間的な言葉で言うと殻を被ってしまうと
言う事になる

この殻は 何も 人とか その時の状況とかが 被せるんじゃない
本人が被るんだ。例え人が無理やり それをしたくても
当の本人が その気にならなければ絶対に不可能だ
この殻は その殻自体によって
周囲の心的な圧力から自分を保護する為の物だ
確かに それは 自分を守る
ところが同時に 自分への害をも 与えてしまいだす。
その殻を 
鉄仮面を被りだした彼へのマイナス作用はと言うと
その殻によって真実を外へ出さない代わりに
真実も外から入れなくなっていた。

あなたに伝えたいのは
今 あなたの被ってしまっている その殻は
彼のものより ずっと強固だ
だってそうだろう
二重にも三重にも成ってしまっている。
彼のは まだ薄い たったの1枚の殻だ
真実は その殻を通すために見えにくいが
霞んでボンヤリとくらいは見える。
これは彼が外側を見る時にも そうで有るし
外側から他の人が彼を見た時にも同じだ
霞んでいる
ぼやけている
しかし真実は見えている。

ところが あなたのときたら
もう それは「真実」のしの字も見えないどころか
その殻自体に色付けをし デザインまでして偽性格を作り 
ひとつの人格とやらを与え 
殻が自分だと錯覚してしまっている。

それどころか
外側の人達からも真実を
真正な あなたを見出そうと
することも不可能であるどころか
あなた自身 真実の あなたを 
もうとっくの昔に忘れてしまっている。
悲しい事に こうなったらお終いだ。

だって あなたは 
あなたで無い者を握り そこに腰を落ち着けようとするから
落ち着けない 落ち着ける訳がない。
すると あなたは その落ち着きの無さを 
あれや これやと何かをやって解消しようとする。
動いている時の方が落ち着いていて
静かに動きを止めると 何かしら落ち着かなくなる
これは どういう落ち着き方だろう・・・?
きっと 何をやっても落ち着かないよ・・・。

だって
そこに腰を落ち着けようと
居場所を見つけ出そうとする事自体が間違っているのだから。
それは 不可能だよ。

あなたは 決して出来ないことをしていて
出来ない 出来ないと 悩んだり嘆いたりしている。

それは無理なんだ。

例え 出来たとしても一時的に無理矢理作り出したもの
だから 崩れる運命に有る。

だから それが出来ないと言って
或いは 居場所が見つからないと
言って悩む事自体が おかしいんだよ。

それらが出来ないと言って悩んでいる人は
まだ それが可能だと思い込んでいるからなんだよ。

それは あなたじゃない 
あなたの殻だよ
昔に作り上げてしまった 
あなたの殻だよ。

それを あなただと思い込んでしまっている事に
気づいて欲しい・・・。


殻とは
ふりの機能
演技の機能をする「偽装」だ。

それは あくまで作り出したもので有って
その殻自体には
生命など宿っていない
使われるべき道具の方であって
あなたじゃない。

道具自体を あなたは
あなたと思い込んでしまっていた。

その道具を使いこなす主人の方は 
他にちゃんと居るんだと言う事を忘れてはいけない。  





今日の講座は 
ここまでで 終わりにしたいと思います。

明日の人間物語のメール講座を どうぞお楽しみに 










★あなたの愛が 永遠の愛と成る為に 391★1

2007-11-05 11:32:59 | Weblog


◇人間物語のメール講座NO9(1)◇





昨日 お伝えした通り
今日からは 私の若い頃に 書いた本から
お伝えして行きます。

講座の内容が 今迄のメール講座とは違う形なので
昨日までは解り難かったという人達にも
受け容れる事が出来るかも知れません。


若気の至りで 解ったことを
大上段に構えて生きていた頃の
ものですから・・・・

鼻につくところが
多々有るかも知れませんが許して下さい
当時と 今現在では講座の伝え方は変化しましたが 
ただ ファースト・セカンドに関しての 講座自体の真髄は
この頃から 変化していませんし
むしろこの頃の方がセカンドまでの魂は 
解りやすく 伝えているかも知れません





あなたが 
20歳なら20年前 
30歳ならば30年前
40歳ならば40年前
50歳ならば50年前に
60歳ならば60年前に
70歳ならば70年前に
 
あなたは 母親の 胎内で 
途方も無い安らぎと安心感の中
それ以上無い 大きな幸せ感に包まれて
満ち足りて眠っていた。

それなのに 
この世に産まれ落ちた時から

それまでは
あなたの物であったはずの 
あの途方も無い安らぎも
 
居心地の良かった安心感も 
あなたを包んでいた それ以上はない大きな幸せ感も全てが壊されてしまう。

そして そんな物が何処かに消え去ってしまった時
あなたは その日から暗闇の中を歩き出す・・・。



母親の 胎内に居る時
そして 産まれ出てからの
ほんの ひと時のあいだ
全ての赤子は1枚の真っ白な紙の様に 
いいや それよりも更に美しい 透明感と
透き通る程の純粋さに包まれている。

あなたも かっては そうだった・・・。

あらゆる条件付けは まだ一切 成されていない

だが 親によって 近親者によって
赤子の あなたに あなた以外の全ての人達の手によって
ひとつ ひとつの条件付けが 成され始める
真っ白な紙の上に 様々な人達が
様々な色を塗り付けて来る

その時 あなたは無抵抗 無防備
そして何が起きているのかも解かる筈もない。

やがて あなたは育ち 学校 社会と 通過し
更に多くの条件付けが成された中に成長して来た あなたは
確固たる者に出来上がる。

今 此処に この話しを聞くあなたは
その様な過程を経てきた あなたであって
本来の純粋無垢な 透明な あなたでは無い・・・。

だから どうか
一切の条件付けを それらから得た知識を
ちょっとだけ どかしてから
この話しに耳を傾けて欲しい。

私は あの生まれたての
一枚の真っ白な紙に向かって話したい・・・。 


私は 
本当の あなたを知っている。
あなたでさえ 知らない 
本当の あなたを知っている。

あなたが どこから来たのかも
そして 何処へ消えて行くのかも 知っている。

何故なら
私は ある一人の人間が
産まれてから死ぬまでを
その人間の誕生の瞬間から
死への瞬間までを この目で見た。
その人間が この世の中に現れてから
その人間が この世の中を去るまでを・・・。

その人間を通して
あなたに 本当のあなたを 
あなたとは一体誰なのかを伝えよう。



この彼は幼い頃に母を亡くしている・・・・・。

丁度 彼が5歳になったばかりの頃に
彼の母は4人の子供を残して この世を後にした。
だが まだ5歳の彼には 
何がなんだかわからなかった

母が静かに息を引き取った ベッドの周りを皆が囲んでいて
彼の父親が その母にすがる様にして泣いている
そして その周りの人達も
何やら 悲しそうな顔をしている

彼が判断出来たのは
「これは決して嬉しい事じゃない だから僕も悲しそうに
しなくちゃいけない」と
幼い彼には これくらいにしか映らない。
まだ幼さの残る あどけない彼には
それくらいでも 精一杯だった。

やがて 通夜が行われ 葬儀が行われて
その上 火葬場で母親の遺骨を拾うことまで
彼は父親に言われるまま 懸命にやった

それでも彼には まだ何が起きているのかが
理解できていなかった。

全て その場の中を通っていて 
実際に自分で 全部を体験しているのにもかかわらず
自分が何をしたのかは 全て憶えていて 
その意味の理解が出来ていない。

だから彼にとっては その事が別にショックな事でも
悲しい事でも 無かった。

だが・・・もしも彼に死と言うものが理解出来ていて
母親が もう二度と帰って来れないと解かっていたら・・・

この拾った骨は まぎれもなく 
自分の大好きな あの母の
変わり果てた姿なんだと解かっていたら 
彼は5歳であっても号泣した事だろう それどころか
狂っていたかも知れない・・・。

けれども それらの事を理解するには 幸か不幸か
彼は 余りにも幼かった・・・。



その日を境に彼の生活環境は急変して行った。
彼は ある孤児院に入る事になる

彼の父親は 母親の死後 サラリーマンを辞めて
ある程度は 時間の自由がきく 職人と成って働いたが
4人の 幼い子供達を 育てて行く事は 
並大抵の大変さでは無かった。

そこに不幸は続き7歳に成る長男が小児結核と
兄弟は 嫌でも離ればなれに孤児院で暮らす事になった。

彼の体験する孤児院での生活
これは彼にとって 良い意味でも 悪い意味でも
大きく影響を与えた。

孤児院での生活には様々な事が有ったが
中でも より大きく影響を与えたのは
彼の父親が 彼に面会に来てくれた時に起きた事だった。

彼の父親が面会に来てくれるのは
丁度1年に1度だけ・・・。
5歳の子が 親と離れて暮らさなければいけない時
その子は 一体 どうやって 自分を保護するかと云ったら
遊びや その他の色々な 目の前の物事に熱中することだ。
目の前の物事に埋没してしまう事だ。
独りで居れば 当然のごとく 寂しさが襲ってくる
その寂しさを紛らわせるには 他には何も無い
今ならゲームだけれど その頃にはゲーム機など無かった。

誰に甘えたくても 
父や兄弟と云った家族に会いたくなっても それは叶わず
自分で全てを解決しなければ いけない日々
こんなに幼い頃から 人は悲しさや苦しさの中を歩いて
行かなければならない。


その苦しさの中には 親が知らず知らずの内に
与えてしまっているものが沢山有る。
親が未然に防いで上げられるものが沢山有る。

愚かな事に その親自身が幼い頃に
似たような体験をしていて「俺が あたしが 親になったら
こんな思いだけは絶対にさせない」と誓って育てたのに
かかわらず・・・。

これが世に有る 最も 愚かしい事実
まさしく カルマ(業・或いは繰り返し)

そして彼も又 その業を受け継いでしまう事になるのだが
その事は 後に話そう。

さあ そうやって寂しさを懸命に遊びに熱中することで
誤魔化していた彼に 
年に1度の 父が面会にやって来た。

いつも自分の気持を我慢をし押し殺していて
胸の奥で いつも いつも逢いたくて仕方が無かった人が
待ちに待っていた父親が やっと逢いに来てくれた。

この孤児院は 男女合わせて100人位の子供達が
入園している とても広い孤児院だった。

だから 家族が面会に来たことを園内の放送で知らせる。
「たかしちゃん お父さんが面会に来ていますから
正面玄関まで 来て下さい」

さあ もう 彼は たまらない
その一言で 一生懸命に押し殺して来た 今日までの辛い想いが 
込み上げて来る 涙で目が潤んでくる



彼は 夢中で 正面玄関を目指して走る
その途中 彼の胸の中では 何度となく呟いている
「お父ちゃんが来た お父ちゃんが来た 僕 ずっと我慢
してたんだ。お父ちゃんに逢ったら抱きついて ずっと
寂しかったって言うんだ もう我慢なんかしないで
泣いたって良いんだ 誰にも怒られないんだ・・・」と
そして正面玄関に着いた彼

玄関には
待ちに待った父親の姿が有る。




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