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映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『歌謡曲だよ、人生は』

2008年01月08日 | 映画(か行)
『歌謡曲だよ、人生は』
監督:磯村一路,七字幸久,タナカ・T,片岡英子,三原光尋,水谷俊之,
   蛭子能収,宮島竜治,矢口史靖,おさだたつや,山口晃二
出演:青木崇高,松尾諭,大杉漣,正名僕蔵,宮史郎,余貴美子,
   武田真治,マモル・マヌー,妻夫木聡,高橋惠子,瀬戸朝香他

新年はこてこての邦画から。
「これぞ昭和」という歌謡曲を選りすぐり、
11人の監督がそれぞれに撮った、一貫性まるでなし、
てんでんばらばらのオムニバス作品。

オープニングは『ダンシング・セブンティーン』。
以降、第1話から第11話まで、使用される曲は下記のとおり。
『僕は泣いちっち』、『これが青春だ』、『小指の想い出』、
『ラブユー東京』、『女のみち』、『ざんげの値打ちもない』、
『いとしのマックス』、『乙女のワルツ』、『逢いたくて逢いたくて』、
『みんな夢の中』、『東京ラプソディ』。

字数の都合で全話のあらすじを書くのは無理なので、印象に残ったものを。

第5話『女のみち』。
銭湯のサウナで友人と我慢比べする少年、正治。
熱さにめげた友人と入れ替わりで登場したのは
ド派手な入れ墨のオッサン。
退散しようとする正治に、オッサンは「おい、この歌詞の続きは何や?」。
思い出すまで出られなくなった正治。
しょうもな~と思いつつ、演歌に似合わぬ爽やかなオチ。
実際にこの曲を歌っていた宮史郎がオッサン役。

第6話『ざんげの値打ちもない』。
海沿いの寂れた町で、部屋を貸す女。
そこへ昔の男が訪ねてくるのだが……。
歌詞を最も忠実に映像化したと思えるのが本作。
北原ミレイの“捨て節”で歌われる「愛というのじゃないけれど~」、
映像になると凄みがパワーアップ。
余貴美子は昭和がめちゃくちゃ似合う。

第9話『逢いたくて逢いたくて』。
アパートに引っ越してきたばかりのまだ若い夫婦。
夫が粗大ゴミ置き場から拾ってきた文机の引き出しには、
届け先不明で返送された手紙が数十通入っていた。
どうやら前の住人が、好きな女性に宛てて書いたものらしい。
ストーカーかと思いきや、
したためていた想いがむくわれる展開に思わずニッコリ。
若夫婦役に妻夫木聡と伊藤歩。

青春もの、恋愛もの、コメディ、サスペンス、何でもあり。
ターゲットは私より上の世代かと思われますが、
誰かと観て、これが好き、それは嫌いと話すのも楽しいかも。
本作鑑賞中は家の中がカラオケスナックと化すこと、必至。

追悼、阿久悠さん。

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