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『いつまた、君と 何日君再来(ホーリージュンザイライ)』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の11本目@西宮)

2017年07月04日 | 映画(あ行)
『いつまた、君と 何日君再来(ホーリージュンザイライ)』
監督:深川栄洋
出演:尾野真千子,向井理,岸本加世子,駿河太郎,イッセー尾形,野際陽子他

前述の『フィフティ・シェイズ・ダーカー』のあまりのしょうもなさに愕然とし、
しかもまだ続編あるのかよと呆れながら、本作上映のシアターへ。
こっちのほうが客の入りはかなり良し。
年輩のお母さんと娘さんといった二人連れも複数見かけ、
私の前列にお座りになった方は、お母さんの手を娘さんが引いていました。
なんかいい感じでした。

向井理が実の祖母の手記を映画化することを企画して主演も務めています。
監督はまだ40歳なのに還暦を余裕で過ぎていそうなイメージの深川栄洋
そのイメージが私から抜けないのは、たぶん『60歳のラブレター』(2009)のせいでしょうね。

80歳を過ぎても一人で暮らす芦村朋子(野際陽子)。
その日、孫の理(成田偉心)が様子を見に行くと、朋子が倒れていた。
慌てて救急車を呼び、病院へ。
幸いにして命に別状はなかったが、しばらく入院することに。

朋子の留守宅へ寄った理は、電源が入ったままのパソコンを見やる。
どうやら朋子は自分の手記をパソコンに打ち込んでいた様子。
そこには彼女とその亡き夫・吾郎(=理の祖父)との思い出が綴られていた。
理は朋子に打ち込みを手伝うと申し出るのだが……。

南京で新婚生活をスタートさせた吾郎(向井理)と朋子(尾野真千子)は、
やがて移り住んだ上海で終戦を迎えます。
一旦は朋子の実家に身を寄せたものの、朋子の父親(イッセー尾形)と折り合い悪く、
このままでは吾郎の心が壊れてしまうと感じた朋子は、実家を出ることを決意。
いろいろアイデアを巡らせては商売を始める吾郎にどこまでもついてゆきます。
長男と次男を抱えての生活は決して楽ではないけれど、朋子はとにかく前向きです。

やがて長女も授かった夫婦でしたが、吾郎が病に罹って亡くなったときも、
朋子は実家に帰ることを選ばずに、仕事を探します。
まだ幼かった長女の世話だけは実家に頼るしかなく、
そのせいで何十年経った今も長女・真美(岸本加世子)は
母親から捨てられたという思いがぬぐえません。

あのときの母親の気持ちがわかるとき、泣かずにはいられない。
高畑充希が歌うエンディング曲にも心洗われます。

こんなおばあちゃんのそばにいたならば、
向井理くんが素直に育たないわけがないですよね。

野際陽子さんの遺作となりました。ご冥福をお祈りいたします。

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