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『ムンクの叫び』

2012年10月18日 | 映画(ま行)
『ムンクの叫び』
監督:葉山陽一郎
出演:中野淳史,亜矢乃,沖正人,黒田耕平,林田麻里,赤沼夢羅他

8月末にシアターセブンでの上映時に観そびれて。
2カ月待たずにDVD化されました。

監督は『ちびまる子ちゃん』の脚本家。
やはり常人の発想では人気番組の脚本家は務まらないのかも。

エドヴァルド・ムンクの名画『叫び』、あの顔そっくりに生まれた赤沼カズオ。
生まれたときにはあまりの醜さに両親が絶句したほど。
父親は息子に整形手術を施すことも考えたが、麻酔アレルギーのカズオには無理。
帽子にサングラス、マスクといういでたちで中学校に通うが、
登校すれば容赦ないイジメが待っている。
ただ一人、優しく接してくれるレイコにカズオは想いを募らせる。

カズオの父親はアパレルメーカーを経営する著名なデザイナー。
その血を引いたのか、カズオの持つ服飾デザインの才能が開花。
レイコのドレス姿を夢見て描いたデザイン画が父親の目に留まり、
父親は新コレクションにそれを採用、大評判となる。
しかし、あくまでも父親の作品として発表され、カズオの名前などどこにも出ない。
それでも父親のためにデザインを考案しつづけるカズオ。

あるとき、母親が二人目を妊娠。カズオに歳の離れた弟ツギオができる。
イケメンのツギオは溺愛されて成長、どら息子の王道をゆく。
大学を卒業したら本格的にデザインを勉強したいと言い出すが、
ツギオにその才能はないと見込んでいる父親は、
経営陣としての仕事を任せるから専念するようにと言い渡す。

その頃、33歳になったカズオは相変わらずの毎日を送っていたが、
ふとしたことからホームレスのカジモトと知り合う。
初めて友だちと呼べる相手ができたカズオは大喜び。
また、偶然レイコと再会し、心を躍らせるのだが……。

醜く生まれついた男の生涯を描く、切なくも美しいドラマ、
と言いたいところですが、キワモノ的な印象は否めません。
イジメのシーンは今時えげつないものがいくらでもあるので控えめなほうですが、
ツギオとお手伝いさんが結託しておこなうイジメのひとつにはオエ~ッ。

レイコだけは心根を見てくれる人だと思いきや、
これがなかなかのビッチで笑っちゃいます。
彼女が実はそうだったとわかった瞬間、キレたカズオが取る行動。
喜んで手を貸すカジモトとの友情はいいんですけれど。

老けメイクも含め、いわゆる特殊メイクには、コメディやホラーじゃないかぎり、
私は引き気味になってしまうからなのでしょうね。
おもしろいアイデアだとは思いましたが、
メイクにまず引き、甲高い声にもドン引き、テンション低め。

レイコ役の女優がバリ一重まぶたであることには親近感を感じます。
友情出演のカイヤには、「中村屋」を思い出してウケました。
5年以上前、アホほどくりかえし見て笑ったことが懐かしい。
「中村屋」はこちらにて。
http://pya.cc/pyaimg/pimg.php?imgid=22968
貼り付けたついでに聴いたら、阿部サダヲの声、やっぱりワラけます。

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