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『JUNK HEAD』

2021年04月14日 | 映画(さ行)
『JUNK HEAD』
監督:堀貴秀
声の出演:堀貴秀,三宅敦子,杉山雄治他

シアタス心斎橋に行った折に予告編を観て、こりゃなんか凄そうだと思っていました。
どう考えてもミニシアターでかかりそうな作品で、
そのとおり、十三の第七藝術劇場でも上映中。
しかし時間が合わないなぁと思っていたら、どんどん公開劇場拡大。
大阪ステーションシティシネマでも公開となりました。

 堀貴秀監督は独学で映像表現を学んだそうです。
まずは本作の短編版を製作し、それから7年という歳月をかけて長編を完成。
各国の映画祭で上映にこぎつけて、さまざまな賞を受賞。
このたび日本での劇場公開が実現したという逆輸入のストップモーションアニメです。

長寿になったのと引き換えに生殖能力を失いつつある人間たち。
地下世界には独自に進化した人工生命体マリガンがいる。
マリガンの遺伝子を調べて人類存続の参考にしようと、
政府は地下世界に赴く調査員を募集。
あるダンス講師が名乗りを上げ、地下世界へと向かうのだが……。

世界は何層にも分かれていて、そのいちばん上で生活しているのが人間。
そこから下の世界を目指した主人公ですが、
下の世界の者たちは敵が来たかと勘違い、主人公は撃墜されてしまいます。
頭と胴体はぶった切られ、目を覚ますとベッドの上。

手術を施してなんとか人型にしてくれた博士は、
人間など見たこともない地下世界の者たちに、
人間こそが自分たちを創造した神だと教えます。

さて、このあと主人公はどうなるのか。
不思議な世界観に圧倒されましたが、決して難解ではありません。
地下世界の者たちがどのように生まれたのかも最後まで観ればわかります。

何もかもが手作り。
登場人物の声のほとんどを堀監督自身が担当しています。
日本語でも英語でもない、謎の言語を喋るから、字幕付き。
人工生命体のほとんどがグロテスクで少々気持ち悪いけど、
それも含めて何もかもが面白かった。
エンドロールでは制作過程も映し出され、ただただスゲェ。

ウイルスだとか共存だとか、今のご時世にもピッタリ。
先見の明も感じます。いやはや、凄い作品でした。
ちょっとグッと来たりなんかもして、もう一度観たくなっています。

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