夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

女なら、言われてみたいこんな台詞。

2006年04月25日 | 映画(番外編:映画と邦題・字幕・台詞)
ここ数ヵ月の間に観た映画で、グッときた台詞はいろいろ。
そんななかで、おそらく既婚の女性なら、
夫から言われてみたいであろう台詞ふたつ。

詳しい台本を用意しないことで有名な
マイク・リー監督の『ヴェラ・ドレイク』(2004)。
そろそろレンタル店の新作棚から落ちる頃。
1950年代のイギリスを舞台にした作品です。

労働者階級に属する中年主婦、ヴェラは、
化粧っけのまるでない、慎ましく優しく朗らかな女性。
家族を何よりも大切にし、家政婦として働くかたわら、
困っている隣人にも無償の愛を注ぎます。
そんな彼女には家族にも言えない秘密がありました。
望まれない妊娠をした女性たちに、
ヤミで中絶手術を施していたのです。
あるとき、それが世間に知れ渡ることになり……という物語。
中絶の是非よりも、家族のありかたがテーマになっています。

グッときた台詞は夫とその弟の会話のなかで。
「ヴェラの心は黄金だ。兄貴は幸せだよ」と言う弟に対し、
ヴェラの夫は「いや、ダイヤモンドだ」。

もう1本は『トラブル IN ベガス』(2004)。
ピンクレディ化粧品のカリスマ販売員、ハーモニー。
幼い頃からエルヴィス・プレスリーには特別の想いを抱いています。
美のスーパー・アドバイザーとして講演するために
彼女がピンクのキャデラックで全米を巡っていると
行く先々で遭遇するエルヴィスのコスプレをした人びと。

彼らはもうすぐラスベガスで開催される、
エルヴィスのそっくりさん大会の出場者。
そしてハーモニーと関わるエルヴィスのそっくりさんが
なぜか彼女の前で次々と不慮の死を遂げます。
口紅が額に突き刺さったり、郵便箱が脳天を直撃したり。
自分が疫病神だと思ったハーモニーは
次に出会ったコスプレ男との恋もあきらめようとしますが……。

映画としては至って並みの出来のコメディですが、
メンフィスのバーベキューにはイカレました。
久々に帰郷したハーモニーを母は食事に誘います。
メンフィスでいちばんのバーベキューを食べさせる店。
そのバーベキュー・バーガーを食べながら、
母と娘が交わす会話。

母「ほんとに罪な味よね」。
娘「パパがいつも言ってた。
  このバーベキューとママの腕の中は
  この世の天国だって」。

これらの台詞のポイントは、2作とも
「本人のいないところで口に出された言葉」だということ。
いないところで言われたと後で知ったら、
そりゃもう涙。

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