夜な夜なシネマ

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「脳みそが便秘なんじゃないの?」

2008年04月04日 | 映画(番外編:映画と邦題・字幕・台詞)
前述の『タロットカード殺人事件』
気になる日本語字幕がありました。

サンドラは、当初、真犯人はピーターにちがいないと確信しています。
しかし、ハンサムでスマートでリッチな彼に好意を寄せられて、
その疑念を払拭したくなります。

どんどんピーターに入れ込んでゆくサンドラの目を覚まさせようと、
シドニーはひとりで証拠集めに駆けずり回ります。
ピーター真犯人説に熱弁を振るうシドニーに対して、
サンドラのひと言がこうでした。
「脳みそが便秘なんじゃないの?」。

「脳みそが便秘」って、スゲェ訳。
聞き慣れない単語が耳をかすったので、
これはもしや戸田奈津子さんばりの超訳なのではと思い
(戸田さんのワラける誤訳or超訳についてはこちらこちらをご覧ください)、
巻き戻して英語字幕を見てみたら、
“What are you putting in your Metamucil?”。

直訳すると「Metamucilに何を入れていますか」なんですけど、
“Metamucil”って、なぁに?
ネットの英和辞書ではヒットせず、
普通に検索してみたら、“メタムシル”という便秘薬でした。
天然オオバコ繊維から成る、お通じ促進剤とあります。
わかってスッキリ。

アメリカではおそらく誰もが知っている商品等の固有名詞が
映画に登場する例としては、
“PROZAC(プロザック)”という抗うつ剤があります。
『私は「うつ依存症」の女』(2001)では原題がまさにそのものでした。

ハリウッド映画では、“Google”は今や「検索する」という動詞同然。
日本語でも「ググれ」という言葉が存在するぐらいですもんね。
ほかにも同様の単語があるのかなと興味を引かれます。

“メタムシル”の話のついでに。
職場にバオバブの種を持ってきた人がいます。
しがむと繊維が出てきて、それが便秘に効くんだとか。
どこかに植えようという話にまでなったので、思わず言いました。
「え、バオバブって育てるの、めっちゃ大変なのでは。
『星の王子さま』では、バオバブの根を引っこ抜かなかったばかりに、
王子さまの星が割れちゃいましたよ」。
自分でそう言ったものの、うろ覚えなので、
近々『星の王子さま』の本か映画で確認してみることにします。

さらに話のついでに。
「しがむ」って標準語じゃないんですね。
「噛む」や「吸う」や「舐める」とはちがう、
「しがむ」は「しがむ」でしか表せないと思いませんか。

話がそれ過ぎ。失礼しました。

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