『リバー・オブ・グラス』(原題:River of Grass)
監督:ケリー・ライカート
出演:リサ・ドナルドソン,ラリー・フェセンデン,ディック・ラッセル,
スタン・カプラン,マイケル・ブシェミ他
シネ・ヌーヴォにて、前述の『今年の恋』の次に。
ケリー・ライカート監督、私は初めて聞く名前です。
インディペンデント映画の雄と称えられる女性監督らしく、
昨秋、東京と京都で開催された“秋の文化芸術週間 2020”では、
同監督の特集が組まれたそうです。連日満席だったとか。
このたびシネ・ヌーヴォでは1日限定で3作品を一挙に上映。
3本とも観るのは時間的に無理だったから、この1本のみ。
座席の間隔を空けての販売ではありますが、満席です。
本作はライカート監督初の長編で、1994年の作品。
警官が落とした拳銃を偶然拾った男リー。
あてもなく家出した主婦コージー。ふたりが出逢う。
ふたりの逃避行が始まります。
銃拾って、撃っちゃって、こりゃマズイということで逃げた男。
そんな男と一緒にいたら、自分だって家を出てきた身、
捜索願が出ているだろうから逃げなきゃと思う女。
でも実は誰からも追われていなかったりするこの悲しさ。
一文無しになって、食べるもの着るものを調達するついでに強盗を働こうとする。
でも「金を出せ」となかなか言い出せずにいると、
後から入ってきた男に強盗という行為そのものを横取りされちゃったり。
有料道路の通行料も持ち合わせていない。
普通の映画なら、そのまま車でぶっちぎるでしょう。
でもその勇気もなくてバーの前で急停車。
職員に路肩に寄るように指示され、おとなしく待つ。
これも普通ならそのまま逃走するでしょう。
待ちつつも、あぁ絶対バレたな、捕まるなとふたりでドギマギしているのに、
戻ってきた職員は、「金がないならUターンしなさい」。
ハイとこれまたおとなしく元来た道を帰って行くんですよね。
いろいろとバカでマヌケで、シュールな笑いはありますが、
絶賛する人が多いなか、私はそれほど好きじゃない。
なぜでしょう、もしかするとリー役のラリー・フェセンデンがタイプじゃないからか(笑)。
どうせ一緒に逃げるなら、好みのイケメンじゃないと、心が躍りません。
ま、コージーとリーの間にロマンスのかけらもないのは面白いところですが、
相手がイケメンじゃないうえにおかしい男ならロマンスも生まれないほうがいいや。
上映後にこの特集開催者によるトークショーがありました。
最初、片方の人があり得ないほど緊張されていて、敬語もしどろもどろ。
見ているのがつらくなるぐらいだったので、
もう少しスムーズなトークが聴けたらよかったなぁ。
頑張っているのは伝わってきました。
玄人受けはするんだろうと思います。バリバリ素人ですみません。
でも、日本では今まで観ることのできなかった作品を観られるのは嬉しいです。
引っ張ってきてくれてありがとう。