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『聖なる犯罪者』

2021年02月24日 | 映画(さ行)
『聖なる犯罪者』(原題:Boze Cialo)
監督:ヤン・コマサ
出演:バルトシュ・ビィエレニア,エリーザ・リチェムブル,アレクサンドラ・コニェチュナ,
   トマシュ・ジェンテク,レシェク・リホタ,ルカース・シムラット他
 
京都シネマにて3本ハシゴの2本目。
 
実際にポーランドで起きた事件が基になっているそうです。
第92回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされたポーランド/フランス作品。
 
少年院を仮釈放となった20歳の青年ダニエル。
院内で出会った神父を慕い、熱心なキリスト教徒となった彼は、
神学校に入学を希望するが、前科者は聖職者になれない。
 
仮釈放されて向かったのは、少年院を出た者を多く受け入れている製材所。
きっと一生ここから出られないにちがいない。
鬱々とした思いを抱えながら町の教会に立ち寄ると、
そこにいた若い女性マルタから「どうせ製材所の人でしょ」と嘲笑われる。
 
ムキになったダニエルは、咄嗟に「僕は司祭だ」と嘘をつく。
少年院から持ち出した司祭服を見せると、マルタは狼狽。
すぐに本物の司祭に紹介され、新任の司祭だと勘違いされてしまう。
 
逃げそこねて、司祭のふりをせざるを得なくなったダニエル。
開き直ってミサに出ると、意外なことにその説教が村人の心を掴み……。
 
村では1年前に7名が死亡するという交通事故が起きていました。
事故現場に手向けられた花の中に、犠牲者6人の写真が飾られています。
なぜ1人だけ写真がないのかと疑問に思うダニエル。
それを調べると同時に、事故によって傷つけられた村人の心を癒やそうとします。
 
酒もタバコも女も好き。
こんな田舎の村におとなしくおさまっていられるはずもなさそうだったのに、
最初は真似事だった司祭の役柄が天職に見えてくるから不思議。
 
事故の真相は如何に。
加害者呼ばわりされて村八分に遭っていた運転手の妻に会う辺りから
サスペンスの要素も含まれていて見応えがあります。
 
前科者には更生の機会が与えられているように見えてそうではない。
根っからの悪人もいるとは思うのですが、こんな若者はどうすればいいのか。

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