夜な夜なシネマ

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『スリーデイズ』

2011年10月04日 | 映画(さ行)
『スリーデイズ』(原題:The Next Three Days)
監督:ポール・ハギス
出演:ラッセル・クロウ,エリザベス・バンクス,ブライアン・デネヒー,
   レニー・ジェームズ,オリヴィア・ワイルド,タイ・シンプキンス他

『モテキ』や『セカンドバージン』と同じ日に公開され、
何を観ようか迷った私が選択したのは、前述の『僕セカ』とこれでした。
どちらも興行的には上の2作品に差をつけられているようで、ワロてしまいました。
これもオススメなんだけどなぁ。

お盆休みに観て興奮した(笑)、『この愛のために撃て』(2010)。
その監督による『すべて彼女のために』(2008)をハリウッド・リメイクしたのが本作で、
オリジナルの公開時のタイトルは“ラスト3デイズ”。
このリメイク版の原題が“The Next Three Days”であるのがおもしろい。

大学教授のジョンは、妻のララと息子のルーク、3人暮らし。
幸せで穏やかな毎日を送り、笑いの絶えない家庭。
上司と合わないらしいララは、クビになるかもしれないと笑顔でぼやく。

そこへ突然警察が押しかけてくる。
何事が起きたのかわからないまま、ララが逮捕されてしまう。
昨晩、ララの勤務先近くの駐車場で、上司が殺されたらしく、
駐車場から車を出すところを同僚に目撃されたララが犯人と断定されたのだ。

妻の無実を信じ、奔走するジョン。
しかし、圧倒的に不利な証拠ばかりが並び、裁判でララの有罪が確定する。

刑務所で自殺を図るララを見たジョンは、脱獄させることを決意。
綿密な計画を練り始めるのだが……。

『この愛のために撃て』は、拉致された妻を救うために命を懸ける夫の話でした。
本作も拉致されている理由と場所はちがえども、
妻を救いたい一心で必死のぱっちになる夫という点でほぼ同じ。

ジョンが教えを請う脱獄のスペシャリストとして、
リーアム・ニーソンがほんの少し顔を出しているのが嬉しい。
とにかく観察せよと言われて、注意深く見ていれば、隙はあるもの。
脱獄してから何分間で包囲網が敷かれるかという話が非常におもしろかったです。

この話のミソになっているのは(単にいいなぁと思ったことですが)、
ジョンがララのことを一瞬たりとも疑わないということではないかと。
ララのコートに付着した被害者の血液、凶器である消化器に付いた指紋。
これだけ決定的な証拠をつきつけられても、
ジョンがララのことを犯人ではないかと疑うシーンは皆無です。
そういう表情すらないものだから、観ている私もその疑念を抱きませんでした。
冒頭ではちょっぴり激情的なララの一面を見せられていたにも関わらず。
ララから「殺したのかどうか、なぜ一度も聞かないのか」と泣きながら言われて初めて、
「え、犯人の可能性があるの?」とビビりました。

これで「本当は犯人でした」で終わったら、ごっつ嫌な話です(笑)。
けれど、実際にどうだったか、はっきり明かされるわけではありません。
こうじゃないかな的な示唆があるのみ。そうだったらいいなぁ。

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