『フォーカス』(原題:Focus)
監督:グレン・フィカーラ,ジョン・レクア
出演:ウィル・スミス,マーゴット・ロビー,ロドリゴ・サントロ,ジェラルド・マクレイニー,
B・D・ウォン,アドリアン・マルティネス,ロバート・テイラー他
連休最後の日はちょうどレディースデー。
大阪ステーションシティシネマで2本ハシゴすることに。
1本目は8:20から。めちゃ早いやないかい。
客の入りは良いようだけど、最近信用していいのかどうかわからないウィル・スミス。
ハズレでもいいやと適当な覚悟をして観に行きました。
超一流の詐欺師ニッキー。
そうとは知らずに彼に近づいた新米の女詐欺師ジェスは、
上手くニッキーを騙したつもりでいたのに、
ニッキーに声をかけたときにはすでに見破られていたと知って呆然。
一流の詐欺師になりたいと、弟子入りを志願する。
ニッキーは30人もの凄腕詐欺師を束ねる犯罪集団のリーダー。
アジトを設けて短期間に集中的に稼ぎ、皆で山分け。
ジェスも試用に見事パスして、彼らの仲間に。
と同時に、ニッキーとも深い仲になってゆく。
荒稼ぎした彼らは、ただちにアジトを閉鎖。
ニッキーとジェスは儲けを大事に抱えてアメリカンフットボールの観戦に。
本当はアメフトに興味はないのだと打ち明けるジェスに、
ニッキーは観戦そっちのけで賭けをしようと言う。
お尻のかたち抜群の女性客が階段をのぼりはじめたとき、何人の男が振り返るかと。
ニッキーとジェスの賭けを聞いていた別の客が面白がり、
自分もその賭けに加わりたいと言いだして……。
監督のグレン・フィカーラとジョン・レクアが面白いのは「ラブ・アゲイン」(2011)で証明済み。
このコンビはもともと脚本家で、『バッドサンタ』(2003) 、『がんばれ!ベアーズ ニュー・シーズン』(2005)、
『フィリップ、きみを愛してる!』(2009)など、
私はどれもそこそこ面白いと思った作品の脚本も彼らによるもの。
だから、このごろ外すウィル・スミスといえども期待はそこそこだったのですけれども。
「クライム・ロマンティック・コメディ」だという触れ込みです。
この「ロマンティック」の部分がものすごく中途半端で。
恋に落ちるところから自然な流れは感じられず、
これってどちらかが騙しているの?という疑念が絶えずつきまといます。
結局そんなこたぁないのですが、ならば甘くなり具合がハンパすぎて、消化不良。
詐欺の手口は華麗で、見ていて楽しい。
特にジェスが加わって最初の集団スリは、芸術的だと思えるほど速やかで艶やか。
相手の視線すなわち“フォーカス”の引きつけかたがミソだそうで。
ニッキーのいちばんの仲間であるファーハド役のアドリアン・マルティネス、
この特徴的な容貌はどこで見たんだっけと考えていたら、
『LIFE!』(2013)のヘルナンド役の人でした。
デブでくりんくりん頭って、『インターンシップ』のヘッドホン男といい、憎めなくてかつ重要な役。
ロマンティックな要素があるのはいいけれど、本作にベッドシーン(しかも中途半端な)は不要。
もうちょいキレ味がほしかったところ。