夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『フォーカス』

2015年05月14日 | 映画(は行)
『フォーカス』(原題:Focus)
監督:グレン・フィカーラ,ジョン・レクア
出演:ウィル・スミス,マーゴット・ロビー,ロドリゴ・サントロ,ジェラルド・マクレイニー,
   B・D・ウォン,アドリアン・マルティネス,ロバート・テイラー他

連休最後の日はちょうどレディースデー。
大阪ステーションシティシネマで2本ハシゴすることに。
1本目は8:20から。めちゃ早いやないかい。

客の入りは良いようだけど、最近信用していいのかどうかわからないウィル・スミス
ハズレでもいいやと適当な覚悟をして観に行きました。

超一流の詐欺師ニッキー。
そうとは知らずに彼に近づいた新米の女詐欺師ジェスは、
上手くニッキーを騙したつもりでいたのに、
ニッキーに声をかけたときにはすでに見破られていたと知って呆然。
一流の詐欺師になりたいと、弟子入りを志願する。

ニッキーは30人もの凄腕詐欺師を束ねる犯罪集団のリーダー。
アジトを設けて短期間に集中的に稼ぎ、皆で山分け。
ジェスも試用に見事パスして、彼らの仲間に。
と同時に、ニッキーとも深い仲になってゆく。

荒稼ぎした彼らは、ただちにアジトを閉鎖。
ニッキーとジェスは儲けを大事に抱えてアメリカンフットボールの観戦に。
本当はアメフトに興味はないのだと打ち明けるジェスに、
ニッキーは観戦そっちのけで賭けをしようと言う。
お尻のかたち抜群の女性客が階段をのぼりはじめたとき、何人の男が振り返るかと。
ニッキーとジェスの賭けを聞いていた別の客が面白がり、
自分もその賭けに加わりたいと言いだして……。

監督のグレン・フィカーラとジョン・レクアが面白いのは「ラブ・アゲイン」(2011)で証明済み。
このコンビはもともと脚本家で、『バッドサンタ』(2003) 、『がんばれ!ベアーズ ニュー・シーズン』(2005)、
私はどれもそこそこ面白いと思った作品の脚本も彼らによるもの。
だから、このごろ外すウィル・スミスといえども期待はそこそこだったのですけれども。

「クライム・ロマンティック・コメディ」だという触れ込みです。
この「ロマンティック」の部分がものすごく中途半端で。
恋に落ちるところから自然な流れは感じられず、
これってどちらかが騙しているの?という疑念が絶えずつきまといます。
結局そんなこたぁないのですが、ならば甘くなり具合がハンパすぎて、消化不良。

詐欺の手口は華麗で、見ていて楽しい。
特にジェスが加わって最初の集団スリは、芸術的だと思えるほど速やかで艶やか。
相手の視線すなわち“フォーカス”の引きつけかたがミソだそうで。

ニッキーのいちばんの仲間であるファーハド役のアドリアン・マルティネス、
この特徴的な容貌はどこで見たんだっけと考えていたら、
『LIFE!』(2013)のヘルナンド役の人でした。
デブでくりんくりん頭って、『インターンシップ』のヘッドホン男といい、憎めなくてかつ重要な役。

ロマンティックな要素があるのはいいけれど、本作にベッドシーン(しかも中途半端な)は不要。
もうちょいキレ味がほしかったところ。

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