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『インターンシップ』

2015年05月06日 | 映画(あ行)
『インターンシップ』(原題:The Internship)
監督:ショーン・レヴィ
出演:ヴィンス・ヴォーン,オーウェン・ウィルソン,ローズ・バーン,マックス・ミンゲラ,ディラン・オブライエン,
   ティヤ・シルカー,ジョシュ・ブレナー,トビット・ラファエル,アーシフ・マンドヴィ,ジョシュ・ギャッド他

“ナイトミュージアム”シリーズで人気監督になったかと思いきや、
ほかの作品はまだまだDVDスルーの憂き目に遭う確率も高いショーン・レヴィ監督。
本作は「コストパフォーマンスの高い俳優」、ヴィンス・ヴォーンが脚本・製作・主演、
相棒役にはオーウェン・ウィルソンと、実に楽しそうなのに劇場未公開。
4月初めにレンタル開始となりました。

ビリー(ヴィンス・ヴォーン)とニック(オーウェン・ウィルソン)は、腕時計販売会社のトップセールスマンコンビ。
この日も顧客にあらたに営業をかけようと食事の席に着き、なごやかに雑談。
いい感じに酒が回り、ここぞとばかりに商品を見せようとすると、相手は驚いた顔。
「お宅の会社は倒産したじゃないか。昔のよしみで食事に誘われたのだとばかり思っていた」。
びっくりして社長(ジョン・グッドマン)のところへ駆けつけると、
今の時代、みんな携帯で時間を確認するから腕時計は不要。会社は畳んだとあっけらかん。

四十半ばになって無職になってしまったふたり。再就職先はなかなか見つからない。
自力で仕事を探すことをあきらめたニックは、姉の恋人(ウィル・フェレル)が経営するマットレス販売会社へ。
それもできないビリーは、「手に職なし」の自分ができそうな仕事を探す。

そんなビリーの目にふと止まったのが、「Google」が募集しているインターンシップ(就業体験)。
ニックを無理やり呼びつけて、ネット面接に挑む。
デジタル時代に取り残されているふたりにはわからない言葉ばかり。
はちゃめちゃな回答に面接官は呆れ顔。
インターンシップを担当するGoogleの社員たちもふたりを不合格にしようとするが、
ただひとり、ああいう変な奴ほど試してみるべきと主張し、合格となる。

優秀な成績をおさめれば、あのGoogleの社員になれる。ただしほんの数名だけ。
インターンシップに参加するのはほとんどが若い学生で、いずれも天才や秀才。
中年コンビを最初から見下した態度のグレアム(マックス・ミンゲラ)なんて奴もいるし、
インターンシップを仕切る社員ロジャー(アーシフ・マンドヴィ)には呆れられっぱなし。

参加者は5人ずつチームを組むことになるが、
グレアムはさっさと偏差値の高い者に声をかけ、一流チームを編成する。
ビリーとニックは、同じようにあぶれた3人と組むことに。
コミュニケーション能力に欠けるスチュアート(ディラン・オブライエン)、
イケイケ娘のネーハ(ティヤ・シルカー)、マザコンのヨーヨー(トビット・ラファエル)。
この5人を真面目な変わり者の社員ライル(ジョシュ・ブレナー)が担当するのだが……。

デジタルの知識なくGoogleの社員になれるわけはないと思うけれど、これは楽しい。
チームで参加することに意味があるから、ひとりだけ能力が高くても駄目。
それぞれの能力が高くなくても、ときには発想の転換で凄いアイデアが生まれることもある。
手に職なく、得意なのはしゃべることだけのビリーが、
無茶苦茶しながらもみんなを鼓舞し、いつのまにか最高のチームに。
ありがちなストーリーだと思いつつも、乗せられて笑いました。

ちなみに、実は重要な登場人物のヘッドホンを付けっぱなしの男は、
『アナと雪の女王』のオラフの声を担当したジョシュ・ギャッド、
嫌な奴を演じていると、本当に底意地が悪い奴に見えてくるマックス・ミンゲラは、
アンソニー・ミンゲラ監督の息子なのだそうです。

Googleの共同創業者のひとり、セルゲイ・ブリンが本人役で出演していたりして、
企業イメージの向上にも役立つ作品かと思われます。
てな計算はあまり入っていなさそうなところがいいのですけれど。

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