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『バット・オンリー・ラヴ』

2016年06月13日 | 映画(は行)
『バット・オンリー・ラヴ』
監督:佐野和宏
出演:佐野和宏,円城ひとみ,酒井あずさ,蜷川みほ,芹澤りな,
   柄本佑,緒方明,川瀬陽太,工藤翔子,吉岡睦雄,飯島洋一他

ナナゲイで3本観るはずが4本になり、それで帰るつもりでした。
だけど4本目の『夢の女 ユメノヒト』の舞台挨拶を観たら、
なんとなく5本目を観ずに帰るのは惜しい気がしてきてしまい。
だって、4本目の好青年監督=坂本礼が5本目では助監督にまわり、
4本目の主演=佐野和宏が18年ぶりに監督復帰した作品だというのですから。
どうせへろへろ、あと1本観ても同じやろと5本目に突入。

ちなみに、“ピンク四天王”のうちの1人とされる佐野和宏監督。
『64―ロクヨン― 前編』瀬々敬久監督もそのうちの1人です。

『夢の女 ユメノヒト』はR15+指定でしたが、こちらはR18+指定。
こんなピンク映画を女ひとりで安心して観られる劇場はなかなかないでしょう(笑)。
ほぼ満席状態で、ものすごく楽しい雰囲気の中での鑑賞でした。

下咽頭癌を患い、手術で声帯を失った佐々木宏(佐野和宏)。
声は出なくなったものの、勤めていた頃の忙しさからは解放され、
妻の晴海(円城ひとみ)とゆったりとした時間を持てるようになった。

ところがある日、一人娘の久美子(芹澤りな)から衝撃の事実を告げられる。
不妊治療中の久美子が血液型を調べたところ、
宏と晴海の血液型からは久美子は生まれるはずがないことが判明。
いったい私は誰の子なのかと晴海に問い詰めようとする久美子を止め、
宏は自分の心の整理ができるまで晴海には黙っていてほしいと頼む。

晴海に問いただすつもりではあったが切り出せない。
過去の自分の浮気は棚に上げ、どうしても晴海を許せないと思う宏。
手術前まで関係のあった石堂綾子(蜷川みほ)に会いに行くと、
いまさら何なのよとキレられ、心が痛いと綾子は泣く。

家には帰らずに飲み歩くうち、山岡国夫(飯島洋一)という男と意気投合。
20歳下の水沢千絵(酒井あずさ)を内縁の妻とする国夫は、
宏と晴海、国夫と千絵の4人で温泉旅行に行こうと言い出し……。

声帯を失った人が監督も脚本も主演も務めるというのは
おそらく世界初ではないかとのこと。
それも含め、いろんな意味で興味深く観ました。

上映終了後の舞台挨拶では、プロデューサーの寺脇研氏が、
最近の日本映画がくだらないと、これこれの実名を挙げてぼやいていました。
私はどちらも大好きでしたし、くだらないとはまったく思いませんが、
寺脇氏の話はちょっぴりわかる気がします。
「映画を観て、その俳優の人となりや生き様が知りたくなるような作品が最近はない」。
確かにそうかもしれません。

充実の日曜日、5本ハシゴでした。
大好き、十三

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