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映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『フラガール』

2007年04月11日 | 映画(は行)
『フラガール』
監督:李相日
出演:松雪泰子,豊川悦司,蒼井優,山崎静代,岸部一徳,富司純子他

こんな大ヒット作をわざわざここで取りあげることもない?
でも、やっぱり好きなんです。文句なしの娯楽映画。

ご承知のとおり、本作も「実話に基づく」。
今から約40年前、石炭の採掘会社であった常磐興産が、
石油にシェアを奪われつつある石炭に見切りをつけ、炭坑を閉山。
温泉を売りにしたレジャー施設を建設することに。
まさにテーマパークのハシリです。

しかし、当時の住民にとっては想像しづらい世界。
特に、解雇される炭坑夫たちにしてみれば、
「東北にハワイを」なんて、大真面目に言われても、
「何がアロハ~やねん」っちゅう感じだったでしょう。

実際、住民じゃなくても驚きました。
私も度肝を抜かれました。
家族旅行で初めて訪れた福島県の印象は、ハワイにはほど遠し。
けれど、一歩、足を踏み入れれば、そこはホントに常夏の島。
中でも、小学生だった私の目を釘付けにしたのは、
熱帯植物に囲まれた園内に光り輝く黄金風呂。
金ピカの浴槽に何の意味があるねんと思いましたが、
その金ピカ度は衝撃的で、今も忘れることはできません。
それが「常磐ハワイアンセンター」。

昭和40年、福島県いわき市の炭坑町では、
町の存続を賭けたレジャー施設、
「常磐ハワイアンセンター」の建設が計画される。

目玉となるのは、フラダンスショー。
東京から元SKDのダンサー、まどかを講師として招き、
地元の女性たちにダンサーとして募集をかける。

しかし、フラダンスを裸踊りと紙一重だと思っている女性たちが
そんな話に乗るのは無理。残ったのはわずか4名。
プロのダンサーになって町を抜けだしたい早苗、
その早苗に誘われた紀美子、子持ちの初子、
踊り好きだからと父親に連れてこられた小百合。

ワケありで嫌々ここへやってきたまどかと
ズブの素人4名の特訓が始まる。

映画としてのツッコミどころはあります。
ワケありのわりに、どんなワケありなのか
さっぱり書き込まれていない、まどか。
そのまどかにどやされる早苗の親父も、
熱い娯楽映画なら「スマン」ぐらい言ってもいい。

でもそんなことは気にせずに、楽しむのが正解。
紀美子の母親を演じる富司純子はやっぱり凄い。
娘を見つめるその表情は、言葉なんて必要なし。

現在は「スパリゾートハワイアンズ」と今風に改称。
30年ぶりに行ってみたくなりました。

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