夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

今年観た映画50音順〈な行〉

2016年12月26日 | 映画(な行)
《な》
『ナイト・チェイサー』(原題:Night Fare)
2015年のフランス作品。“未体験ゾーンの映画たち 2016”にて上映。
イギリス人のクリスは、長くフランスで暮らしていたが、
2年前、悪友リュックとある出来事に遭い、恋人のリュディヴィーヌに黙って去る。
ほとぼりが冷めたころに戻ると、リュディヴィーヌはリュックとつきあっていた。
クリスはリュックに誘われて飲みに行くものの、気が乗らない。
帰ろうとするクリスをリュックが無理に誘い、タクシーに乗車。
リュックはタクシー料金を踏み倒し、つられてクリスも逃げるはめに。
ところがタクシーの運転手がどこまでもふたりを追いかけてきて……。
アクションかホラーかサスペンスと思いきや、意外にも「闇のヒーロー」誕生物語(笑)。
サイコなタクシー運転手は実は悪の根絶を目するヒーローで、
札付きの不良をリクルートしては次代のヒーローを養成するようです。
エンドロール半ばに挿入されるタクシーぞろぞろの様子が面白い。奇天烈。

《に》
『ニック/NICK ラスト・フューリー』(原題:Tatort: Fegefeuer)
2015年のドイツ作品。
かなり私のタイプ、ティル・シュヴァイガー主演のTV映画シリーズ第4弾。
親切なことに第3弾までのダイジェスト版が収録されているのですが、
それを観ずにいきなり第4弾を観ました。わりとついていけます(笑)。
チェチェンの過激派を名乗るテロ集団が、ドイツ・ハンブルグのテレビ局を占拠
多数の人質を取り、犯罪組織の首領フィラトの引き渡しを要求する。
単独で動いていた刑事ニックはフィラトの身柄を拘束することに成功。
しかしフィラトこそ前作でニックの愛妻を殺した人物。
憎き相手を煮るなり焼くなり好きにできる状況にあるが、
もしも復讐心のみでフィラトを殺せば、人質たちの命が危ない。どうするニック。
一方、本件の対策本部長を務めるハンブルグ州内務大臣は、
未成年少女との淫行画像をネタにフィラトから脅迫されていた。
スキャンダル発覚を恐れる大臣は、テロ集団と手を組んでフィラト抹殺を企んでいたのだが、
テロ集団が人質を取って立てこもるのは大臣の想定外で……。
男も惚れる格好よさだと思います、ティル・シュヴァイガー。
ダイジェスト版を観るひまがなかったのが心残り(泣)。

《ぬ》
『ヌケール・オブ・ロック』(原題:Groupie)
2005年のアメリカ作品で、なぜに今頃DVD化したのか不明ですが、
「ぬ」で始まるのはこれだけだもの、観ないわけにはいきません。
人気TV音楽番組『今週のロック・ストーリー』で特集を組んで取り上げる、
伝説のロックバンド、ジェスロ・ボールズ。
イギリス公演後、バックステージでメンバーにインタビューをした記者が、
グルーピーについて最もおもしろい話をしたメンバーに100ドルを進呈すると言い出す。
ドラム、ボーカル、ギター、ベースの面々がそれぞれSEX体験を話すのだが……。
モキュメンタリー風エロ作品ですが、観る価値まったくなし。酷すぎる。
話もおもしろくなければ、ポルノとしても超退屈。
いちばんイケてないメンバーが一番人気のメンバーの嫁とヤッていたことが最後に判明。
たった100ドルのせいでバンドは解散しましたというオチだけまぁまぁ。

《ね》
『猫なんかよんでもこない。』
2015年の日本作品。
同名のエッセイ漫画を山本透監督が実写映画化。
B級プロボクサーのミツオ(風間俊介)はあと1勝でA級。
漫画家の兄(つるの剛士)の部屋に居候、日々練習に励む。
ある日、兄が2匹の子猫を拾ってくる。そもそも犬派のミツオは大迷惑。
しかし居候の身では反対することを許されず、
締切に追われる兄から子猫たちの世話を押しつけられる。
“チン”と“クロ”と名付けられた2匹はとんだ暴れん坊。
ちっとも言うことを聞かず、呼んでも無視、呼ばないときに来る。
何を考えているのかわからない2匹にすっかり振り回されるミツオだったが……。
別れまで丁寧に描かれていて、猫好きにはたまらん。
最初ニタニタ、途中から涙。猫ってほんとにどうしてこうなのか。大好きです。

《の》
『の・ようなもの のようなもの』
2015年の日本作品。
2011年に61歳で急逝した森田芳光監督。
長編デビューは実家を抵当に入れてまで製作した『の・ようなもの』(1981)でした。
多くの森田作品で助監督を務めてきた杉山泰一が、その後として描いたのが本作。
30歳で脱サラして落語家となった出船亭志ん田(松山ケンイチ)は、
師匠・志ん米(尾藤イサオ)の自宅に住み込み修行中。
几帳面な性格がわざわいしてか、師匠からは「おまえの落語には遊びがないからつまらない」と言われ、
師匠の娘・夕美(北川景子)からも小学生が教科書を読んでいるようだと酷評される。
そんななか、志ん米の師匠・志ん扇の十三回忌に一門会をおこなうことになり、
大口スポンサー(三田佳子)がお気に入りの志ん魚(伊藤克信)を高座に上がらせろと言う。
しかし志ん魚は志ん扇が亡くなったときに落語家を辞めて行方知れず。
スポンサーの機嫌を損ねては大変と、志ん米は志ん魚の捜索を志ん田に命じるのだが……。
志ん田の兄弟子にでんでん野村宏伸
志ん田が志ん魚を捜して歩く先々にいるのが、ピエール瀧佐々木蔵之介
塚地武雅鈴木京香仲村トオル笹野高史、内海桂子。
さらには蕎麦屋の出前を墓に持ってきてくれるのが鈴木亮平と、実に楽しい面々。
松山ケンイチのキャラがいい感じで、落語も嬉しい平和な1本。

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