『サウスポー』(原題:Southpaw)
監督:アントワーン・フークア
出演:ジェイク・ギレンホール,フォレスト・ウィテカー,レイチェル・マクアダムス,
ナオミ・ハリス,カーティス・“50 Cent”・ジャクソン,ウーナ・ローレンス他
『デッドプール』を観た翌日も仕事帰りに1本。
どちらかと言えばミニシアター系と思われる本作、
TOHOシネマズ伊丹で上映とは嬉しい想定外。
孤児院で育ったボクサー、ビリー・‘ザ・グレート’・ホープ。
彼に「ディフェンス」という観念は存在せず、
打たれれば打たれるほど怒りのパワーが増し、
劣勢からたちまち逆転して相手をぶちのめすのが彼のスタイル。
無敗のまま世界ライトヘビー級の王者へとのぼり詰めた。
悲惨な状況から這い上がってきた己の人生を映し出すようなスタイルに観衆は熱狂。
向かうところ敵なしの状態で、大人気を博している。
彼の妻は同じ孤児院で育ったモーリーン。
ビリーのおかげで何ひとつ不自由のない生活をしていることは間違いないが、
エージェントを務めるジョーダンの言うがままに試合を続けていけば、
数年後にパンチドランカーとなってしまうのが目に見えている。
ひとり娘のレイラのためにも、どうかしばらく試合は控えてほしいと懇願する。
そんなある日、ビリーをライバル視するミゲルが挑発行為に出る。
相手にしてはいけないというモーリーンの忠告を聞かず、ミゲルに殴りかかるビリー。
辺りが騒然とするなか誰かが発砲、モーリーンが流れ弾に当たって命を落とす。
深い悔恨と哀しみの念に駆られるビリー。
愛娘のレイラがいるというのに、自暴自棄の日々を送るように。
金を稼ぐためにリングに立っても、以前のビリーはどこへやら。
その結果、家も車も差し押さえられ、
裁判所命令でレイラはしばらく施設に預けられることになってしまう。
どん底まで落ちたビリーは、小さなジムを営むティック・ウィルズを訪ねる。
無敗を誇る勝負のうち、1試合だけ偽りの勝ちがあった。
判定に持ち込まれた試合にジョーダンが手を回して勝ちを手に入れたのだ。
審判を買収しなければ負けていた試合。
その試合で相手のトレーナーを務めていたのがティックだった。
トレーナーの依頼をするとともに、職がほしいとビリーは頼むのだが……。
『遠い空の向こうに』(1999)以来、ジェイク・ギレンホールのファンです。
ナルシストとやらなんとやら言われていますが、役者としては完璧でしょう。
善人も悪人も変質者に至るまで、何でも演じられる人。
都合4回出てくるボクシングの試合は、戦い方がすべて異なります。
本能のまま野獣のように戦う1戦目。
妻を亡くして抜け殻になっている2戦目。
ティックの指導を受けて生まれ変わった3戦目。
そして因縁の相手ミゲルとの4戦目。
ボクサーとして、そして人間として変わってゆく様子が凄い。
練習の様子も大きな興味を惹きます。
母親を失い、父親も心を失ってしまったと悲しむレイラが、
精一杯の抵抗を見せる姿がけなげです。
彼女を思いやる施設の女性職員アンジェラも○。
もっと泣ける展開にも持ち込めたはずですが、
お涙頂戴に徹していないところに好感が持てます。
やっぱり泣ける映画といい映画はちがう。
事実、これだけ何を観ても泣く私が、本作ではほんの少し目が潤んだだけ。
だけどとてもいい作品でした。
『サウスポー』と聞けばついつい頭の中はピンクレディー。
本作にはおよそ似合わない曲ですけどね(笑)。
監督:アントワーン・フークア
出演:ジェイク・ギレンホール,フォレスト・ウィテカー,レイチェル・マクアダムス,
ナオミ・ハリス,カーティス・“50 Cent”・ジャクソン,ウーナ・ローレンス他
『デッドプール』を観た翌日も仕事帰りに1本。
どちらかと言えばミニシアター系と思われる本作、
TOHOシネマズ伊丹で上映とは嬉しい想定外。
孤児院で育ったボクサー、ビリー・‘ザ・グレート’・ホープ。
彼に「ディフェンス」という観念は存在せず、
打たれれば打たれるほど怒りのパワーが増し、
劣勢からたちまち逆転して相手をぶちのめすのが彼のスタイル。
無敗のまま世界ライトヘビー級の王者へとのぼり詰めた。
悲惨な状況から這い上がってきた己の人生を映し出すようなスタイルに観衆は熱狂。
向かうところ敵なしの状態で、大人気を博している。
彼の妻は同じ孤児院で育ったモーリーン。
ビリーのおかげで何ひとつ不自由のない生活をしていることは間違いないが、
エージェントを務めるジョーダンの言うがままに試合を続けていけば、
数年後にパンチドランカーとなってしまうのが目に見えている。
ひとり娘のレイラのためにも、どうかしばらく試合は控えてほしいと懇願する。
そんなある日、ビリーをライバル視するミゲルが挑発行為に出る。
相手にしてはいけないというモーリーンの忠告を聞かず、ミゲルに殴りかかるビリー。
辺りが騒然とするなか誰かが発砲、モーリーンが流れ弾に当たって命を落とす。
深い悔恨と哀しみの念に駆られるビリー。
愛娘のレイラがいるというのに、自暴自棄の日々を送るように。
金を稼ぐためにリングに立っても、以前のビリーはどこへやら。
その結果、家も車も差し押さえられ、
裁判所命令でレイラはしばらく施設に預けられることになってしまう。
どん底まで落ちたビリーは、小さなジムを営むティック・ウィルズを訪ねる。
無敗を誇る勝負のうち、1試合だけ偽りの勝ちがあった。
判定に持ち込まれた試合にジョーダンが手を回して勝ちを手に入れたのだ。
審判を買収しなければ負けていた試合。
その試合で相手のトレーナーを務めていたのがティックだった。
トレーナーの依頼をするとともに、職がほしいとビリーは頼むのだが……。
『遠い空の向こうに』(1999)以来、ジェイク・ギレンホールのファンです。
ナルシストとやらなんとやら言われていますが、役者としては完璧でしょう。
善人も悪人も変質者に至るまで、何でも演じられる人。
都合4回出てくるボクシングの試合は、戦い方がすべて異なります。
本能のまま野獣のように戦う1戦目。
妻を亡くして抜け殻になっている2戦目。
ティックの指導を受けて生まれ変わった3戦目。
そして因縁の相手ミゲルとの4戦目。
ボクサーとして、そして人間として変わってゆく様子が凄い。
練習の様子も大きな興味を惹きます。
母親を失い、父親も心を失ってしまったと悲しむレイラが、
精一杯の抵抗を見せる姿がけなげです。
彼女を思いやる施設の女性職員アンジェラも○。
もっと泣ける展開にも持ち込めたはずですが、
お涙頂戴に徹していないところに好感が持てます。
やっぱり泣ける映画といい映画はちがう。
事実、これだけ何を観ても泣く私が、本作ではほんの少し目が潤んだだけ。
だけどとてもいい作品でした。
『サウスポー』と聞けばついつい頭の中はピンクレディー。
本作にはおよそ似合わない曲ですけどね(笑)。