夜な夜なシネマ

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『めまい』

2017年01月04日 | 映画(ま行)
『めまい』(原題:Vertigo)
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ジェームズ・スチュワート,キム・ノヴァク,バーバラ・ベル・ゲデス,トム・ヘルモア,
   ヘンリー・ジョーンズ,エレン・コービイ,レイモンド・ベイリー,リー・パトリック他

クリスマスイブ。
TOHOシネマズの1ヶ月フリーパスポートをつくるため、朝から西宮へ。
2日前まではタダで4本観るつもりでいたけれど、
1日前に『ヒッチコック/トリュフォー』を観てしまった。
ちょうど“午前十時の映画祭”で本作がかかっている。観ないわけにはいきません。
午前十時の映画祭は鑑賞料金1,100円にもかかわらず、フリーパス鑑賞の対象外。
急遽、タダで観るのは3本に変更して、1本目にはこれを有料鑑賞。

あえて言うまでもないヒッチコックの代表作で、1958年の作品です。
『ヒッチコック/トリュフォー』でインタビューを受けた現代の監督たちが
こぞって絶賛していたのは本作と『サイコ』(1960)でした。
さまざまな監督のの解説を聞いてから観ると、本作がまた一段と面白い作品に思えます。
特にデヴィッド・フィンチャーの言葉が可笑しかった。
「あれは変態の映画だよ。美しき変態のね」。

原作はフランスのミステリー作家ボワロー=ナルスジャックの『死者の中から』。
ヒッチコックは舞台をサンフランシスコに移して描きました。

スコティことジョン・ファーガソンは有能な刑事だったが、
犯人を追う途中、ビルの上から落ちかけ、彼を助けようとした同僚が代わりに転落してしまう。
同僚が落ちてゆく姿がまぶたの裏にこびりついて離れず、高所恐怖症に。
高いところにのぼるとめまいを感じるようになり、辞職する。

そんな彼のもとへ、学生時代の友人エルスターから久しぶりに連絡が入る。
エルスターの妻マデリンの行動がこのところ不審らしく、彼女を調べてほしいという。
スコティがさっそく彼女の尾行を開始すると、確かにおかしなことばかり。
彼女の訪問先やそぶりをエルスターに報告すると、意外な事実を聞かされる。

それはマデリンの先祖で不遇の死を遂げた女性カルロッタの存在。
マデリンの髪型や首飾りがカルロッタのそれとそっくりで、
エルスターはマデリンがカルロッタに取り憑かれたのだと推測している。
カルロッタは26歳のときに自ら命を絶ち、マデリンも今まさに26歳。
彼女が自殺を図るのではないかとエルスターは心配しているのだ。

ある日の尾行中、突然海に飛び込んだマデリンをスコティが救う。
自宅で介抱するが、マデリンには飛び込む前の記憶がない様子。
これを機会にスコティとマデリンは会うようになり、惹かれ合うのだが……。

『ヒッチコック/トリュフォー』を観たおかげで、
新鮮な気持ちで鑑賞することができました。
ヒッチコック監督は、『間違えられた男』(1956)で起用したヴェラ・マイルズを
当初はマデリン役に考えていたそうです。
ところがヴェラ・マイルズが妊娠、お腹が目立ってきたので降板。
監督は「あのバカ女」とえらいお怒りようでしたが、
現代の監督は口を揃えて「いや、ヴェラにはあの役は無理だっただろう。
キム・ノヴァクだからマデリンを演じられたのさ」と話していました。
そんな会話も思い出し、スコティの変態ぶりも楽しんで、言うことなし。

よくよく考えてみると、ヒッチコック映画を劇場で観たのは初めてです。
もっと観たい!

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