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『ミッション:8ミニッツ』

2012年06月07日 | 映画(ま行)
『ミッション:8ミニッツ』(原題:Source Code)
監督:ダンカン・ジョーンズ
出演:ジェイク・ギレンホール,ミシェル・モナハン,ヴェラ・ファーミガ,
   ジェフリー・ライト,マイケル・アーデン,キャス・アンヴァー他

タイムスリップといえば、本作はわずか8分間のそれ。

3月末にDVD化され、すぐに観て書いていたのですが、
『ピンク・スバル』同様、劇場鑑賞作品を優先していたらアップが今頃になっちゃいました。

監督はデヴィッド・ボウイの息子で、
長編デビュー作の『月に囚われた男』(2009)が話題になったダンカン・ジョーンズ。
本作はハリウッド進出の第1作。
もしかすると息子は親父の上を行く、非凡な才能の持ち主です。

列車の中で目を覚ましたコルター・スティーヴンス大尉。
自分は戦場にいたはずなのに、なぜこんなところにいるのかわからず混乱する。
向かいに座る若い女性が親しげに話しかけてくるが、
コルターのことを誰か別人とまちがえているらしい。
当惑してトイレに駆け込むと、鏡に映るのは別人の顔。
ほどなくして列車内で大爆発が起こる。

再び意識を取り戻すと、カプセル状の容器の中。
どうやらここは軍の研究室で、コルターは特殊プログラムに参加中。
彼が体験したのは、シカゴ郊外で起きた列車爆破テロ事件の直前8分間。
この事件では乗客全員が死亡したが、
犠牲者の意識の世界にコルターが入り込むことによって、
列車内にいるはずの犯人を見つけ出し、次のテロを阻止するのが目的だ。

コルターが列車内にとどまることができるのはわずか8分間。
この極秘ミッションを完遂するため、
コルターは何度も爆破8分前の世界に送り込まれる。
同じ8分間を繰り返すうち、向かいの女性の名前がクリスティーナであると知り、
やがて彼女をどうしても救いたいと思うようになるのだが……。

何度も同じ時間に戻るというのは『恋はデジャ・ブ』(1993)と似た設定。
『恋はデジャ・ブ』はそう願っているわけではないのに戻ってしまい、
本作も最初はミッションとして半ば無理やり戻らされてしまいます。
片やコメディ、こちらはSF・テクノスリラーなので、ずいぶん風合いはちがいますが、
両者とも嫌々戻らされながら、状況を打破すべく、毎回自分の行動を変えてみます。

コルターを演じるのはジェイク・ギレンホール
この人、好青年の印象なのに、女優の元カノたちからは
ナルシストだなんだのとえらい言われようみたい。
だけど、私はやっぱりカワイイと思います。
過去に戻れても競馬に走ることなく(笑)、彼女を救おうとする役が似合っています。

彼を過去に送り込む軍人役にヴェラ・ファーミガ
綺麗でスタイリッシュな奥様役のイメージが強く、
軍服を着ると一気におばちゃんくさくなる印象は否めませんが、
『縞模様のパジャマの少年』(2008)や『エスター』(2009)、
『約束の葡萄畑 あるワイン醸造家の物語』(2009)とはちがうたくましさ。

かなり難解ではあります。
現実に起こっていることとパラレルワールドで起こっていることを
整理して観なければワケがわからなくなるかもしれません。
ラストの意味がわかるとなんだか幸せ。
パラレルワールドであっても、こんなふうに生きられるのなら。
何度も観たいと思わせてくれる作品でした。

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