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『君の名は。』

2016年09月04日 | 映画(か行)
『君の名は。』
監督:新海誠
声の出演:神木隆之介,上白石萌音,長澤まさみ,市原悦子,谷花音,
     成田凌,悠木碧,島崎信長,石川界人他

TOHOシネマズ梅田にて3本ハシゴの2本目。
早起きできたから観に行った『傷物語 II 熱血篇』の次に。
これがこの日の本命です。

好きで好きでたまらんかった新海誠監督。
しかしいったいいつのまにこんなに人気が出たのか。
あちこちのシネコンで上映され、回数もめちゃくちゃ多い。
しかもどの回も満席あるいは満席寸前ってどーゆーこと?

まだ空席がじゅうぶんにあるときにオンライン予約したので、
いつもどおりに端っこの席にしてもよかったのですが、
『傷物語 II 熱血篇』と同じシアター1での上映だったので、
まったく同じ最前列のド真ん中に座りました。
そう、この日のこの席は私の席(笑)。

監督自身によるノベライズはすでに読了。
そのとき“ブクログ”に書いたレビューはこちら

山深い田舎町に暮らす女子高生・三葉(みつは)は、
千年ぶりだという彗星の接近が1カ月後に迫ったある日、
自分が東京の男子高生になった夢を見る。

妙にリアルなその夢に三葉は最初は驚くが、
代々神社を守りつづける家系と、町長を務める父親のことが鬱陶しく、
一刻も早くこの町を出て東京に行きたいと思っていたから、
たとえ夢の中でも都会暮らしを満喫できることが嬉しくてたまらない。

東京に暮らす男子高生・瀧(たき)。
彼もまた山奥の町の女子高生になった夢を見る。
祖母と妹の三人暮らし、親しい友だちとのんびり過ごす日々。
都会では考えられない光景に、まぁこれもいっか。

ところが、三葉も瀧も夢だと思っていたのに、
ふたりが実際に入れ替わっていたことが判明。
夢から覚めたときに夢の記憶が薄れてしまうように、
目覚めたつもりのふたりには入れ替わっている間の記憶はまったくなく、
周囲の人から見ると心配になるほどおかしなことをやらかしていたらしい。
そりゃそうでしょう、入れ替わっているのは外見だけ、
家族も友だちも何もかも、初めて見るひと出会うことばかりなのだから。

眠りに落ちたと思ったら急に入れ替わる身体に最初は戸惑っていたが、
やがてそのときを楽しむようになるふたり。
入れ替わっている間にやらかしたことがちゃんとわかるよう、
お互いに日記やメモを残すようになる。

会ったこともないふたり、会えるとは思えないふたりは想いを募らせる。
次に入れ替わったときには会いたいと言おう、そう思う瀧だったが、
ある日を境にぴったりと入れ替わりがなくなってしまい……。

満席状態にワクワクしているうちにオープニング。
だけどなんだかこれまでの新海監督作品とちがう。
あれ、いつもこんなに万人受けしそうな感じだったかなぁなどと思い。

メジャーな監督になったせいか、これまでの作品よりスケールの大きさは感じます。
大好きだった『秒速5センチメートル』(2007)や『言の葉の庭』(2013)よりずっと大きい。
けれどなんとなく人物描写が薄いから、ふたりがどこに惹かれあったのかわからないし、
そもそもなぜこのふたりが入れ替わるようになったのかもわからないまま。
万人受けしそうな雰囲気のわりに、放り出された部分も多い気がします。

そんなわけで個人的には物足りなかったけれど、
同監督作品のなかではハッピーエンド度は飛び抜けています。
切なすぎた今までの作品と比べると、
誰もが安心して終われるこのエンディングはやっぱり万人向け。
鳴りすぎの感のある音楽も鬱陶しくはないから、
音楽の使い方もやはり上手い監督なのだと思います。

メジャーになると背を向けたくなる、これが私の悪い癖(笑)。

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