夜な夜なシネマ

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映画を地で行く、「オタマジャクシが降る」。

2009年06月11日 | 映画(番外編:小ネタいろいろ)
石川県で空からオタマジャクシが降ってきたという数日前のニュース。
ある映画を思い出して笑ったのは私だけではないはずです。

「群像劇あれこれ」で書いた、
ポール・トーマス・アンダーソン監督の『マグノリア』(1999)。
これはロサンゼルス郊外の住民の群像劇でした。

以前『マグノリア』について書いた全文をそのまま貼り付けると、
「クイズ番組のプロデューサー、司会者、出演者に混じり、
トム・クルーズがSEXのHOW TO本の著者で
カリスマ教祖的存在の人物を演じて話題に。
このラストは度胆を抜かれること請け合い。
まちがいなく反則技ですが、あまりの衝撃にひっくり返り、
呆然とした末に笑いこけてしまいました」。

その「反則技」が何なのかは、
あちこちのサイトにすでに書き込まれているでしょうから、
今さらネタバレにはならないハズ。

空からカエルが降ってくるんです。
ラストシーンで、大量のカエルが、ドサドサッと音を立てて。

カエルが降ってくる話は、旧約聖書にも登場します。
エジプトで苦しんでいる奴隷たちを解放するために、
モーセが神に頼んでカエルを大量発生させたとの記述が、
『出エジプト記』の8章2節に。

それを踏まえると、あの反則技ラストシーンは、
贖罪の象徴なのかとも考えられますが、
単に、「世の中、何でも起こり得る」として観たほうが
私はスッキリできました。

頭の中がわけわかんなくなって、
にっちもさっちも行かなくなって、
あ~、もうどうとでもなれ!と思ったら
カエルがいきなり降ってきて、しばし唖然呆然。
数秒後、笑いが止まらなくなり、
いろいろ悩むのがアホらしくなって、
なんだか前向きになれた。
究極のリセットではないかと。

あり得ないと思っていたことが起こったら、
人生観が変わりそうな気がします。

ちなみに、「土砂降り」のことを
英語で“It's raining cats and dogs.”(=猫と犬が降る)と言いますが、
フランス語では“Il pleut des grenouilles.”(=カエルが降る)とも言うそうです。
ポーランド語でも同様に「カエルが降る」という表現があります。
そのほか、世界各国にいろんな表現があるようで、
「降るもの」は、小便をする牛、魔法使い、お婆ちゃんと杖、靴屋の丁稚など。

土砂降りの雨の日にはウキウキする私ですが、
こんなもの、どれにも降られたくないなぁ。

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