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『OLDK(オーエルディーケー)』

2010年01月14日 | 映画(あ行)
『OLDK(オーエルディーケー)』
監督:原正弘
出演:清水美那,三浦誠己,一條俊,北川絵美,上田耕一,國村隼他

2004年のR-15指定作品。
すぎむらしんいちの漫画『OLDK築25歳』を映画化。

本作は、女性を主人公に、愛・友情・エロスをテーマとして、
6人の監督が撮った「ラブコレクション」シリーズの第2弾だそうな。
『きみの友だち』(2008)の廣木隆一監督の企画のもと、
『百万円と苦虫女』(2008)のタナダユキ監督や『ノン子36歳(家事手伝い)』(2008)の熊切和嘉監督など、
今、脂の乗っている監督がメガホンを取っています。
いずれも70分程度の中編で、さくっと観るのにうってつけ。

東京の片隅に建つ、老朽化したアパート。
102号室に住むのはOLのケイコ。
対人関係を築くのが苦手で、会社で疲れ果てている。
想いを寄せていた職場の男性は別の女性と婚約。
家に帰って早く眠りたい。
ところが、ゆっくり眠れない事情がある。

101号室には、若さと精力だけが取り柄の男、タクヤが。
マキという女の稼ぎでヒモ同然の生活をしている。
朝も夜も壁越しに聞こえるマキの喘ぎ声。
しかも、マキが仕事に出ている昼間は、
レナという女を連れ込むものだから、昼夜問わずに喘ぎ声。

103号室には、大音量でデスメタルを聴き続ける男、西条が。
ヤクの売人である西条は、いつしか売り物に手を付け始める。
ラリラリ状態でメタルを聴くものだから、
音量はますます上がって、今や爆音に。

また、202号室からは不気味な物音が聞こえ、
天井が軋むのが気になって仕方ない。
しかし、住人とは顔を合わせたことがない。
いったいどんな人が住み、何をしているのか。

気が弱いせいで、苦情を申し立てることもできず、
不眠に陥ってしまったケイコは、
ある方法で自殺しようと決めるのだが……。

たいしたことなかろうと観始めましたが、これがなかなかよくできています。
同じ時間に、複数の人間が何をしていたかという、私の好きなヤツなんです。
その手の作品については、こちらをご参照ください。
そこに挙げた数々の作品に比べると、時系列の描き方がいささか粗く、
完成度は高いとは言えませんが、ラストは度肝を抜く展開で、抱腹絶倒。

上田耕一や國村隼など、ちょい役(だけどインパクト大)で
ベテラン俳優が顔を見せているのも頼もしい限り。
「ラブコレクション」シリーズ、制覇することにします。

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