2023年4月11日。今朝、母が亡くなりました。
医者の見立てって凄いものですね。
先月16日の時点で「あと数日か1週間か、2週間か。3週間はもつことがあったとしても、
1ヶ月は絶対にもちません」と断言され、本当に3週間はもったけれど、1ヶ月には足らず。
面会の帰り際、「また明日ね」と言うと、「『また』あるかなぁ」と言うので、
「なんでよ、お母さんが危なくなったら、看護師さんがすぐに電話くれはるねんで。
そしたら私、駆けつけるやん。私が来るまで待っててくれるでしょ?
だからあるで、『また』」と言ったら、「うん」と言っていました。昨日も。
入院して持ちなおした直後は、自分が死ぬなんて全然思っていなかったのだと思います。
しばらくしてようやくこれは最期に近づいているなと悟った様子。
でも全然取り乱すこともなければ、投げやりになることもなかった母。
2週間前、「今からホスピスに移ることできるん?」と母が聞くので
(あと1ヶ月はもたないので、ホスピスに移ることは現実的でないと主治医から言われていました)、
「え、なんで? この病院が嫌なん?」と聞いたら、母は首を振り「ううん、そやなくて、暇やから」。
暇やから転院したいは通らんと思うわ、お母さん。一緒に笑いましたねぇ。
面会時はいつも意識がはっきりしていて、笑うことしょっちゅう。
あるときは「もう出してください言おかと思て」。私が問う「何を?」。母「葬式」。
母も私も爆笑。
今週初めにやはり意識低下で呼ばれたときは、「お母さん、今日お釈迦様の誕生日なんやて。
お母さんお釈迦様に引かれて行くんかと思たのに」と言ったら、「私もそのつもりやってんけど」。
「誰が『まだ来るな』言うて押し戻してはるんやろな」と笑いました。
お葬式でかけてほしい曲を尋ねたら『アヴェ・マリア』だと言う。
「お母さん、そりゃええ曲やけど、御仏前で『アヴェ・マリア』はやっぱりマズイんとちゃう?」と言うと、
「あ、そっか」とまた母笑う。
好きな花を尋ねたら、「野に咲いてるみたいな小さな花。ヒトリシズカみたいなやつ」と言ってました。
それもお葬式では飾りにくい花やなぁ(笑)。
昨日までに、会いたい人にはみんな会った。
会えなかった人もいるけれど、母に代わって私が電話して話をした。
もういいわと安心したのかなと思います。
今朝3時に母と話したと言う看護師さん。
母が「今日逝くと思う」と言っていたそうです。「有言実行の人ですね」と一緒に泣いてくれました。
心拍数が30を切り、いよいよ最期かなというときに耳元で「お母さん、ありがとう」と言ったら、
母の目から涙ひと筋。たまたまかもしれないけれど、聞こえていたのだと思いたい。
お母さん、ありがとう。