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『長いお別れ』

2019年06月14日 | 映画(な行)
『長いお別れ』
監督:中野量太
出演:蒼井優,竹内結子,松原智恵子,山崎努,北村有起哉、
   中村倫也,杉田雷麟,蒲田優惟人他
 
TOHOシネマズ伊丹にて2本ハシゴの1本目。
 
原作は中島京子の同名小説。
監督は『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016)の中野量太。
『湯を沸かすほどの〜』は最後がなかなかに猟奇的(笑)だったから、
本作のほうが万人落ち着いて観られるのではと思います。
 
ある日、東家の長女・麻里(竹内結子)と次女・芙美(蒼井優)のもとへ、
母親・曜子(松原智恵子)から連絡が入る。
電話では話せない相談事があるから、実家に寄ってほしいとのこと。
ただならぬ話のようで、麻里はわざわざアメリカから帰国。
父親・昇平(山崎努)の70歳の誕生日に実家に集った一家。
 
久しぶりに昇平に会った麻里と芙美はびっくり。
かつては中学校の校長をしていたほど厳格で賢い昇平が、
どうやら認知症らしく、娘たちの見分けもつかない様子。
両親ふたりきりの生活に麻里も芙美も不安を感じるものの、
娘たちが今すぐ同居できるわけでもなく……。

父親から教師になることを望まれていた芙美は、まったく違う道へ。
料理好きの彼女は、いずれ店を持つことを夢見てスーパーの惣菜売り場でバイトするかたわら、
週に何度かフードトラックで自分がつくったカレーを売っています。
思うように売れないわ、恋人とも上手くいかないわで凹む日々。
 
一方の麻里は、夫の転勤でカリフォルニアへ行き、
芙美からは優雅な海外生活を送っていると思われていますが、
現地での暮らしにいつまで経っても馴染めない。
もともと英語が得意な夫、すぐに話せるようになった息子。
それにひきかえ麻里はいつもびくびく。まったく話せません。
 
こんなふうにそれぞれの悩みを抱えていっぱいいっぱいなのに、
母親からひっきりなしにかかってくる電話。
ちょっと目を離した隙に出かけてしまう父親に振り回されます。
 
ユーモアたっぷりに描かれていて、あちらこちらで笑い泣き。
母親役の松原智恵子がすごく良い。
 
ぼけた父親とは話がかみ合わないはずなのに、交わす言葉に癒される。
ところどころ、かなり頻繁に泣けました。
 
心身ともにつらい介護をしてきた人には綺麗事と思える部分もあるかも。
でもこんな家族でいられたらいいなと思います。

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